【インターペット大阪2026】宮崎徹先生の猫腎臓病薬「フェリエイム(FeliAIM)」承認申請へ!ねこナビ読者へのメッセージも

2026年6月19日~21日にかけて、日本最大級のペットイベント「インターペット大阪」が、インテックス大阪で開催されました。前回の猫専用エリア「インターキャッツ」エリアレポートに引き続き、インターペット大阪で発表された大注目の最新情報をお届けします!

ねこナビでも継続的に取材を続けている、猫の慢性腎臓病の治療薬「AIM」について、今回のインターペット大阪でも、AIM医学研究所の宮崎徹先生による講演が行われました。

昨年からの進捗はどうなっているの?実際の治験データは?そして、いつになったら病院で使えるようになるの?そんな飼い主さんの疑問にお答えするため、今回は、講演で語られたAIM薬の現在地や臨床でのリアルな使い方、そして宮崎先生からいただいたねこナビ読者へのメッセージをお届けします!

1. 待望の「承認申請」完了!新薬の名前は「フェリエイム(FeliAIM)」に

まずは一番気になる、猫の慢性腎臓病薬AIMの進捗状況。ついに2026年4月24日、農林水産省へ新薬の承認申請が提出されました!国の審査で無事に承認されれば、いよいよ全国の動物病院で新薬として使えるようになります。

お薬の名前はSNS等での一般公募され、約1万件の応募が集まりました。新薬の名前は「フェリエイム(FeliAIM)」に決定。フェリエイムが実際に動物病院で処方される日は、もうすぐそこまで来ています。

2. 疑問をクリアに!治験で示された「確かなデータ」

今回の講演では、昨年実施された治験の詳細な結果が報告されました。

治験は、全国26の動物病院で、60匹の猫ちゃんが参加して行われました。対象となったのは、「腎臓病末期直前ステージ(クレアチニン数値が3〜4前後)」の猫ちゃんたち。通常であれば、半年後には約半数の子がステージ4(腎臓病の末期)に進み、亡くなってしまうリスクが高い、非常に厳しいステージです。

しかし、この段階でAIM薬フェリエイムを注射したところ、生存率の大幅改善が確認されました。末期に近い腎臓病を患った猫ちゃんたちは、亡くならないだけでなく、良好な全身状態を保ったまま元気に過ごせるようになったと報告されたのです。さらに、こちらはまだ研究段階ですが、進行して余命2週間と言われた最末期に近いケースでも、投与後1週間で食欲や活動性が回復した例が多数あったとのこと。この確かなデータをもって、今回の承認申請を提出するに至りました。

3. 承認されたら、病院でどうやって使うの?

では、AIM薬フェリエイムが承認されて、動物病院で使えるようになったら、愛猫にはどのように治療が行われるのでしょうか?

「フェリエイム」は、白色の粉末を生理食塩水で溶かし、点滴による注射で投与されます。腎臓病の治療は、下記のようなスケジュールが推奨される見込みだそうです。

・導入期(腎臓病の火を消す期間): 2週間間隔で、合計6回ほど投与(※猫ちゃんの通院ストレスに配慮した投与間隔です)
・維持期(健康を保つ期間): その後は、年に1〜2回の定期的な追加投与で、炎症の火種の再燃を防ぐ

既存の治療法との併用できる場合も多い見込みで、飼い主さんにとっても取り入れやすい治療になりそうですね。



4. 重要!「死んだ腎臓が復活する魔法」ではありません

今回の講演で、宮崎先生が念押しされていた重要なポイントがありました。それは「AIM薬フェリエイムは、壊死してしまった腎臓の細胞を復活させる薬ではない」ということです。

「えっ、治らないの?」と疑問に思うかもしれませんが、ここにAIMの本当の凄さがあります。先生は分かりやすい例え話で説明してくださいました。

4-1.慢性腎臓病は「山火事」

慢性腎臓病の腎臓は、例えるなら、ずっと火がくすぶり続けている「山火事」のような状態です。真っ黒に焼け焦げた場所(=壊死した細胞)と、火の熱で黄色く弱っている場所(=残存機能)があります。AIM薬フェリエイムは、この火を消す(=進行を止める)強力な「消火器」のようなものです。焼け野原から新しい草木が生えてくるわけではありませんが、山火事の火が消えると、まだ生きている黄色い部分が、再び元気を取り戻せるのです。

4-2.ガソリンが減っても車は走る

「焼け野原が元に戻らないなら、薬の意味がないのでは?」と思うかもしれません。しかし、腎臓は100%フルで働いている必要がない臓器なのです。実際、腎臓病の指標となるクレアチニンが2や3まで上がってきていても、当の猫ちゃんはケロッと元気でいることが多いものです。宮崎先生が例えるに、「車のガソリンが50%や30%まで減ってきても、スピードが出なくなったり止まったりはしませんよね。それと同じです」とのこと。 重要なのは、残りのガソリンがガス欠レベルまで減らないようにすることなのです。

AIM薬フェリエイムを打つと、腎機能の悪化を食い止めることができると言われています。これは「車のガソリンが今現在残り30%でも、それ以上減らなくなるので、車(猫ちゃん)は腎機能に関しては元気を保って走り続ける(生き続ける)ことができる可能性が高い」という例えなのです。

つまりAIM薬フェリエイムは、病気の進行を抑える、ワクチンのような役割を果たします。壊死した部分が治らなくても、進行をストップさせて残された機能を守ることで、猫ちゃんのQOLの向上が期待できるのです。

5. フード「AIM30」と注射薬の正しい関係

AIMといえば、マルカンから発売されている宮崎先生公認のキャットフード「AIM30」をご存知の方も多いと思います。「じゃあ、注射をしなくてもフードを食べさせればいいのでは?」と思うかもしれませんが、実は役割が全く違います。

まず大前提として、フードの中にAIMそのものは入っていません。AIMはタンパク質なので、口から食べても胃液で分解されてしまい、意味がないのです。

猫の体内にはもともと体内ゴミを掃除するためのAIMが存在しています。しかし、猫のAIMは、IgMという「台紙」にガッチリくっついてしまっていて、体内ゴミを掃除しに行くことができないのです。

キャットフード「AIM30」に入っているのは、この台紙からAIMを剥がすのを助ける成分(L-シスチンというアミノ酸)です。

・腎臓病極初期や予防: フード(AIM30)を食べて、自前のAIMを働きやすくし、腎臓病の火種を抑える。
・進行してきたら: フードだけでは腎臓病という山火事の消火が追いつかないため、病院でフェリエイムを入れて一気に火を消す。

この使い分けが、今後のスタンダードになっていくそうです。

6. 【独占】宮崎先生からメッセージをいただきました!

講演前、会場で宮崎先生をお見かけしたねこナビ編集部。 お忙しい中でしたが、ねこナビ読者の皆様に向けて少しだけお話を伺うことができました

ねこナビ編集部:
「先生、いつもありがとうございます!新薬がそろそろ出来上がってくるということで、ねこナビの読者さんたちも大変期待しています。猫好きの皆さんに、一言メッセージをいただけますでしょうか?」

宮崎先生:
「応援、本当にありがとうございます。2026年4月末に承認申請をして、7月初めにさっそく農林水産省と最初のヒアリングを行うことになりました。実は、審査が結構早いんですよ。普通だったらこんなに早くないですし、事前に受け取った質問の数もかなり少なかったので、これは非常に順調に進んでいると言っていいと思います。本当にいよいよ、間近です。なるべく皆さんに使っていただけるように、生産量を上げるべく頑張っています

ねこナビ編集部: 「生産量、ですか?」

宮崎先生:
「そうなんです。AIM薬フェリエイムは、化学合成ではなく細胞培養で作る生物製剤なので、1000リットルの培養液から、たったの200グラムしか薬ができないんです。どうしても歩留まりが悪く、最初は数が限られてしまうかもしれませんが、できるだけたくさんお届けできるように準備しています。流通に関しては、まずは日本だけに行きます。日本の飼い主さんたちの需要がちゃんと満たされた後に海外へ展開しますので、そこは安心してくださいね」

ねこナビ編集部: 「日本の猫ちゃん最優先!それは読者の皆さんも安心すると思います。本日は本当にありがとうございました!」

AIM薬フェリエイムがゴールテープを切る日はもうすぐ!

宮崎先生へのインタビューからは、承認審査が驚くほどのスピードで順調に進んでいること、そして何より「日本の猫たちを最優先に救いたい」という先生の深い愛情が伝わってきました。これまで、資金難や治験の壁など、数々の困難を猫好きの皆さんの応援の力で乗り越えてきたAIM薬フェリエイム。早ければ2027年3月までの今年度内にも承認が下りる可能性があるとのことです!

宮崎先生もおっしゃっていた通り、AIM薬フェリエイムは「みんなで作った薬」です。愛する猫ちゃんたちが腎臓病で苦しむことのない未来へ。一緒にゴールテープを切るその日まで、ねこナビも最新情報をお届けしていきます!

インターペット大阪次回開催情報

2027年も開催が決まっているインターペット大阪。来年はどんなニュースや新製品が登場するか、今から楽しみですね!

◆ビジネス商談日
2027年6月11日(金)– 13日(日)
10:00 – 17:00 ※最終日は16:30まで
※6月11日(金)はビジネス商談限定日のため、一般・学生・18歳未満の方・子ども連れの方はご入場できません。また、ペット同伴でのご入場もできません。

◆一般公開日
2027年6月12日(土)– 13日(日)
10:00 – 17:00※最終日は16:30まで

◆会場
インテックス大阪 4.5.6A.6B号館

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二階堂 ねこ
野良猫を保護してうちの子にしたライター・二階堂ねこのブログです。愛猫は独立独歩の性格を尊重して「独歩(どっぽ)」と名付けました。最先端猫ガジェットをお試しするなど、おどろきの家猫ライフを綴ります。