ある台風が過ぎた日、投稿主さんと愛犬のレモンちゃんは、公園にお散歩に出かけました。
外はすごい風です。
でも、レモンちゃんは嬉しそう。
そんな中、レモンちゃんが突然、普段は行かない階段の方へ歩き出しました。
トコトコと階段を登るレモンちゃん。
風の音に紛れて、懸命の鳴き声がします。
草むらを探すと、小さな小さな子猫がうずくまっていました。
驚く投稿主さん夫婦。
猫のことは何も知りません。
かわいそうに思い、とりあえずレモンちゃんの水をあげますが、子猫は飲みません。
母猫、きょうだい猫は周囲にいないようです。
「このままでは死んでしまう」
持っているペーパーで子猫をくるみ、できるだけ暖かくなるよう工夫して保護しました。
まだ生まれたばかりのように見える子猫ちゃん、投稿主さん曰く「少し冷たくなりかけていた」とのこと。
子猫を連れて急いで帰宅し、またあわててミルクを買いに行きます。
慣れないながらも必死でお世話をする投稿主さんに、子猫ちゃんも応え、懸命にミルクを飲みます。
ひと通りのケアを受け、レモンちゃんが使っていたペットヒーターの上で丸くなる子猫ちゃん。
「助かった…」と思ったのか、懸命に鳴き続けて疲れたのか、すぐに眠ってしまいました。
あまりにも突然の出会いでしたが、投稿主さんたちは、この子猫ちゃんを家族として迎えることにしました。
レモンちゃんも、子猫ちゃんを気に入り、何かと世話を焼く様子を見せたからです。
ツキノワグマのような複雑な毛柄から、「月見」ちゃんと名付けました。
そして1年後。
あんなに弱っていた月見ちゃんですが、すくすくと育ちました。
避妊手術が終わった後には、お友達の猫「ムーン」ちゃんを迎えた投稿主さん家族。
レモンちゃんと、月見ちゃん、ムーンちゃんを加えた賑やかな一家となりました。
あの時レモンちゃんは、台風の風音の中で月見ちゃんの必死の叫びが聞こえたのでしょう。
縁あって助けられた命、安全で暖かい場所で、3匹仲良く暮らしていくのですね。