あの有名人に激似！？その名も「磯辺海苔男」…珍しい毛柄の保護猫が和菓子店や保護猫活動をサポート！

愛知県岡崎市にある和菓子店「櫻園（さくらえん）」のSNSアカウントで、個性的な風貌で人気を集める猫ちゃんがいます。その名も「磯辺海苔男（いそべ・のりお）」くん。随分と変わったお名前ですが、その姿はというと…？

頭のてっぺんに海苔が乗ったような、とっても個性的な柄。名前の通り、海苔を巻いたおにぎりや磯辺餅のような風貌です。

飼い主は、和菓子店を切り盛りしながら保護猫活動にも精を出すマリリンさん。マリリンさんと磯辺海苔男くんの出会いは、ある冬の国道沿いでした。

国道沿いで出会った海苔柄の猫

お店が休みの日、保護猫活動に出かけたマリリンさん。実はずっと気にかかっている猫がいました。山の中で1匹で生きているらしいはぐれ者の猫で、少しずつ弱ってきているようなのです。何度か捕獲を試みたものの、なかなか捕まりません。その日は雪が降っていました。「今日保護できないと死んでしまうかもしれない」。マリリンさんはなんとか猫を保護しようと雪の中奮闘します。天に祈りが通じたのか、猫は捕獲機に入ってくれました。

捕獲当初はシャーシャーと威嚇していましたが、次の日にはすっかり慣れた様子。病院で検査をしたところ、肝臓の数値が悪く、猫エイズも患っていることが分かりました。「この子はうちで飼おう」。そう決めたマリリンさんは、早速名前を考えます。

保護猫活動をしているマリリンさんのお家には、変動はあるものの7匹前後の猫が。持病のある磯辺海苔男くんは、マリリンさん宅のリビングで1匹暮らしです。

おじさんのような味のある風貌の磯辺海苔男くん。眠る時には、いびきをかいていることもあるそう。

数年間野良猫生活をしていたと思われる磯辺海苔男くん。大人猫になってから保護したのに、すっかり心を開いてくれたのだと、嬉しいマリリンさんです。

保護猫活動で海苔一族を発見

マリリンさんのお家には、磯辺海苔男くんの家族猫も住んでいます。

血のつながりは定かではありませんが、柄が似ているので家族猫だと思って保護した子猫に、親子のように寄り添う磯辺海苔男くんの姿が見られました。磯辺海苔男くんが暮らしていたあたりには白黒で独特な柄の猫が多いのだそう。海苔男一族の遺伝子の強さが感じられます。

親子のコミュニケーションを取りたいのでしょうか。ちょっとお茶目なお父さんの一面を見せる磯辺海苔男くんです。

マリリンさんのおうちで暮らす猫たちの集団生活でも、海苔男一族は頑張っています。集団生活の場では、ジャイアンくんという巨大な茶トラ猫がボスなのだとか。しかし、ジャイアンくんはもう15歳です。そこで海苔男くんの息子「子海苔」くんがボスの座を狙い、ジャイアンくんに喧嘩を売っているのだそう。現在は、勝ったり負けたりと五分五分の状態にまで持ち込んだといいますから、海苔男一族の出世頭です。

マリリンさんは、殺処分や過酷な外の環境で暮らす猫を少しでも減らしたいという信念のもと、和菓子店とは別拠点で保護猫活動を行っています。不幸な猫を増やさないよう野良猫に避妊・去勢手術を行い元の場所に戻すTNRから、保護や里親探しまで手掛けています。

終わりの遠い保護猫活動ですが、海苔男くんという人気者のサポートを得て、その活動が広く知られるようになった面もあります。

和菓子店「櫻園」では海苔男くんモチーフのお菓子を販売

櫻園では、豆乳を使ったカステラやシフォンケーキなど様々な季節の和菓子を販売しています。

SNSで磯辺海苔男くんが人気になってから、ファンのお客さんが大勢来てくれるようになりました。しかし和菓子屋さんに猫を入れるわけにはいきません。そこでマリリンさんは、磯辺海苔男くんのパネルや一緒に写真が撮れるフォトプロップス、掲載雑誌などを揃え「磯辺海苔男コーナー」を作りました。

また、購入することで保護猫活動への寄付となる猫モチーフのお菓子「保護猫クッキー」や、おまんじゅう「のりやん」も販売しています。

最近、さらなる有名猫となった磯辺海苔男くん。それは「歌手の細川たかしさんに似ている」というコメントが、Xだけでなく、InstagramやTikTokからも噴出したからです。芸能人やインフルエンサーにも「似ている」ととりあげられ、ついには細川たかしさんご本人から「のりお君！」とコメントまでいただくことに！

マリリンさんはどんどん有名になる磯辺海苔男くんを誇りに思いつつ、まさに家族の一員として大切な存在だと感じています。

これからも海苔男くんのくすっと笑える日常を全国のファンに届けつつ、不幸な猫を救うための活動を続けたいと語るマリリンさん。岡崎を訪れた際には、是非櫻園さんを訪れてみてくださいね。