ナタリーさんの婚約者はなんとプロ野球選手。愛する彼の試合を見に行っていたある夜のこと、ゲーム3回裏に事件が起こりました!
野球観戦中のナタリーさんのお膝に、野良猫の子猫が飛び乗ってきたのです。驚くナタリーさんに、周囲のみんなは言いました。「ナタリー、あなた選ばれたのね」「子猫があなたを選んだのよ」。その時は「みんなが何を言っているのか、よくわからなかった」そう。しかし、猫は試合終了までナタリーさんのお膝でくつろいでおり、またナイターゲームだったので、どこかに預けることもできず、「今夜はうちに泊まる?」と連れて帰ることにしたのです。
実のところ、ナタリーさんは猫好きではありませんでした。猫を飼ったこともなければ、飼いたいと思ったこともない、そんなナタリーさんに、子猫は盛大にじゃれついてきました。「不思議すぎるわ」と思いつつ、とりあえず猫と自撮りをしてみるナタリーさん。その表情はやや困惑しています。
「野良猫はいったん獣医さんに診てもらうのよね…」。獣医師は「耳ダニがいるから5日間隔離してください」と告げました。申し訳なさそうな表情をする子猫に
ナタリーさんは言いました。「いいのよ、名前はトロにしましょう」。
無邪気に甘えてくるトロくん。5日お世話する間に、ナタリーさんの心は大きく変化しました。トロくんがかわいくて仕方ないのです。自分を頼りにし、甘えてくる子猫のいじらしさに、すっかり夢中になってしまいました。
プエルトリコでプレーをする婚約者の都合もあり、ナタリーさんはトロくんを連れて、ひとまずケンタッキー州の実家に住むことにしました。「お父さん、飼っている猫を連れて行ってもいい?」。返事はNO。しかしナタリーさんはお父さんの気持ちを変える自信がありました。案の定、到着してすぐに、トロくんはその愛らしさでお父さんも味方につけます。お父さんはトロくんの最高の遊び相手になってくれたのです。
「トロのいない人生なんて考えられない」とナタリーさん。「子猫があなたを選んだ」と言われたその意味が、今ははっきりわかります。自撮りも、すっかり猫派の表情に。
今は、行き場のない動物を愛情をもって育ててくれる里親のもとにつなぐ施設を運営したいという夢をもっているというナタリーさん。思いがけない出合いが人生を変える、その好例のようなストーリーです。