繁殖猫の中には、悪徳ブリーダーのもとで“命を産まされる道具“として酷な扱いを受けている子もいます。投稿者さんがレスキューしたのも、ボロボロになるまで子どもを産まされた母猫たち。保護後、母猫たちは初めて猫らしい生活を知りました。
匿名の相談を受け、投稿者さんは廃業したブリーダーのもとへ。ひとまず、8匹の猫ちゃんたちを一時預かりし、ケアに励みます。
初めて繁殖場以外の場所へ出てきた猫ちゃんたち。表情や状態は様々で、中には被毛が固まってしまっている子も…。シャンプーをすると、お湯が土色になるほど体が汚れていました。
猫ちゃんたちが暮らしていたのは清潔感が全くなく、日の光も当たらない繁殖場。食事は基本的に、1日1回。忙しい時には2日に1回だったこともあり、飲み水はご飯に少量かけられていただけだったそう。
また、トイレを与えてもらえていなかったため、保護直後、猫ちゃんたちの多くは床や爪とぎで排泄をしました。
爪とぎだって、使うのは生まれて初めて。心の傷は深く、10年間も繁殖場にいた子は緊張から、ご飯を食べられません。
その子の体には何度も行ったであろう帝王切開の跡があり、口には治療してもらえなかった腫瘍も。投稿者さんは厳しい現実に憤りつつ、「もう産まなくていいんだよ」と猫たちに話しかけます。
伸び伸び伸び過ごせる部屋を設けると、猫ちゃんたちは部屋を探索したり、伸びをして生まれて初めて太陽の光を浴びたりと、自由に行動。ふかふかな毛布の上でくつろいでもくれました。
繁殖場では1匹ずつ檻に入れられていたため、猫同士のコミュニケーションはぎこちなかったそう。そのため、ご飯を一緒に食べてもらい、ゆっくり絆を育んでもらうことにしました。
猫ちゃんたちの状態が落ち着き、リラックスできるようになったことを確認した投稿者さんは同じブリーダーのもとにいる、まだレスキューできていない繁殖猫の一時預かりをスタート。
今回は全6匹。みな、壮絶な環境の中で頑張って生き延びてきた子たちです。中には激しいストレスから、自分の尻尾を噛みちぎってしまった子や舌ガンを放置されていた子もいました。
猫ちゃんたちは酷い水分制限があったからか、水への執着心が強く、誰かが水を飲んでいると、飲み水を奪おうとすることも。
猫用おもちゃは見たことがないため、近づいてにおいを嗅ぎ、警戒している素振りを見せました。
しかし、投稿者さん宅で猫らしい生活を学ぶうちに、猫ちゃんたちは少しずつ自分のペースで過ごせるように。
なかなか警戒心が解けず、怒る姿を見せられても、投稿者さんは「喜怒哀楽が出せるのはいいこと。君たちは繁殖する機械じゃない」と、ありのままの感情表現を受け止めました。
やがて、猫ちゃんたちの中には里親が決まり、安心して過ごせるおうちへ出発する子も。
長い間、商売道具としてギリギリの状態で生かされていた猫ちゃんたちはやっと、自分のために活きるニャン生を歩み始めたのです。
言葉では表現できないほど、悲しくて辛い経験をたくさんしてきた猫ちゃんたち。これからは自分が好きなことをたくさん見つけ、心満たされる日々を送ってほしいものです。