生まれつき、あるいは幼い頃に視力を失ってしまった猫のコタくん。暗闇の世界を生きるコタくんにとって、飼い主さんの声は絶対的な「道しるべ」です。カルガモの赤ちゃんのように飼い主さんをトコトコと追いかけ、目が見えないハンデを感じさせないほど豊かな大冒険を楽しむコタくん。これは美しい絆の物語です。
庭で保護された盲目の子猫を家族に

動物病院で動物看護師として働きながら、個人で保護活動も行っているアシュリーさん。ある日、アシュリーさんが働く病院に1匹の子猫が連れてこられました。お母さん猫の姿はなく、お庭でひとりぼっちでいたというその子猫は、目に深刻な異常を抱えており、すでに視力を失っていました。

アシュリーさんは、その子猫に「コタ」と名付け、ひとまず一時預かりとしてお世話することにしました。すると、コタくんは、すぐにアシュリーさんの声を頼りに自分の安全を確認し、まるでカルガモの赤ちゃんのように彼女の足元にぴったりとついて回るようになったのです。そのあまりの愛らしさと深い信頼に心を打たれたアシュリーさんは、コタくんを正式に家族として迎えることを決意。出会ってわずか2日後のことでした。
見えないからこそ、風と匂いで世界を感じてほしい

「目で見ることができないのなら、それ以外の方法で世界を思いっきり体感してほしい。普通の猫が経験できないような、最高に充実した人生を送らせてあげたい」。そう考えたアシュリーさんは、コタくんを色々な場所へ連れ出すことにしました。

お迎えして1〜2週間後、車の窓を全開にしてドライブに出かけると、コタくんは怖がるどころか、窓から入ってくる風に鼻を突き出し、一生懸命に外の匂いを嗅いでいました。その後は少しずつエリアを拡大。草の感触を確かめ、キャンプやハイキング、さらには水泳にまで挑戦するようになったのです!コタくんは、新しい環境のすべてを全身で楽しんでいました。
人も動物も大好き!全身で生きる喜びを表現する

コタくんは、同居している犬たちの動きやアシュリーさんの声をナビゲーションにして、器用に毎日を過ごしています。今ではアシュリーさんと一緒に動物病院へ出勤し、やってくる動物や飼い主さんたちに挨拶をするのが日課だとか。初めて会う相手でも、数秒でゴロゴロと喉を鳴らして甘えるほどのオープンな性格の持ち主です。

過去の過酷な環境や視力がないというハンデを微塵も感じさせず、今この瞬間の「生きる喜び」を全身で味わっているコタくん。風の匂いを嗅ぎ、嬉しそうに過ごすその美しい姿は、見ている私たちに大きな勇気と癒しを与えてくれます。





