ある日、レックスさんは自宅の玄関前にたたずむ野良猫を発見します。厳しい寒さに身を震わせながらこちらを見つめるその姿から、助けを求めていることがすぐにわかりました。
レックスさんが玄関のほうへ近づくと、猫ちゃんはすぐに逃げ出してしまいます。助けたくても助けられない。そんな歯がゆさを感じながらも、猫ちゃんが心に秘めているであろう、こちらに歩み寄りたい気持ちを察するレックスさん。
ランチタイムになってから、窓辺へ再び目をやると、さっき逃げ出してしまった猫ちゃんが再び戻ってきてくれました。猫ちゃんは背筋をピンと伸ばして、こちらを真っすぐな目で見つめています。
しかし、家に入れるように玄関を開けた途端、再びどこかに行ってしまった猫ちゃん。なかなか縮まらない猫ちゃんとの距離をもどかしく思いながらも、レックスさんは猫ちゃんが再び戻ってくるまで、ゆっくりと待つことにします。
すっかり夜も更けた頃、猫ちゃんがジッとこちらを見つめていることに気がつきました。最初は近所の猫ちゃんだと思いましたが、とてもやせてしまっているその身体を見て、レックスさんは猫ちゃんの命をいち早く助けることを決意します。
そこで、猫ちゃんがいつでも好きな時にご飯を食べられるように、玄関外へご飯を置くことに。少しこちらを警戒しながらも、猫ちゃんはご飯をモリモリ食べてくれます。猫ちゃんはどれだけの間、ご飯にありつけずにひもじい思いをしていたのでしょうか。
しばらくそんな日が続き、猫ちゃんは少しずつ健康的な身体に近づいてきました。雪が降った日は、毛をフワフワにふくらませて、寒さ対策もバッチリな猫ちゃん。猫ちゃんに毎日ご飯をあげ続けたレックスさんも少し胸をなで下ろします。
ある日、レックスさんは猫ちゃんにキャットハウスをプレゼントしました。雨風もしのげる立派なお家をゲットできて、猫ちゃんもご満悦な様子。屋根の上に乗ったり、キャットハウスの中へ入ったり、プレゼントを心ゆくまで堪能する猫ちゃんの様子が愛くるしいですね。
寒さが厳しいある日、レックスさんは猫ちゃんを家の中へ入れる作戦を決行することに。その行動も、快適で暖かい場所で過ごしてほしいという想いがあってのことです。猫ちゃんの気をうまく惹きながら、ゆっくりと猫ちゃんを家の中へ誘導するレックスさん。
無事にお家へ入れた猫ちゃんは、お家の中を隅々まで探索し、レックスさんに甘えだします。「いつもおいしいご飯をくれて、本当にありがとう」と言わんばかりの表情を浮かべる猫ちゃん。レックスさんに優しく撫でてもらって、この上ないほどしあわせそうですね。
その後、猫ちゃんはすっかりとお家に慣れ、レックスさんの家猫ちゃんになるのでした。もう、極寒の中でひとりぼっちで過ごすことはありません。これからも、大好きなレックスさんと一緒にしあわせな毎日を送ってね。