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増水した川辺の排水穴で絶体絶命だったキジトラ子猫、諦めない7時間の救出劇を経て家猫に!

増水した川辺の排水穴で絶体絶命だったキジトラ子猫、諦めない7時間の救出劇を経て家猫に!

増水した川の護岸にある排水穴で行き場を失っていた子猫。7時間の救出劇を経て、ちょうど猫を迎えようと考えていた老夫婦のもとに引き取られることになりました。命をつないだそのストーリーの裏には、兄妹の奮闘と地域コミュニティの温かい協力があったのです。絶体絶命の排水穴から家猫へ。諦めない心が紡ぎ出した奇跡のストーリーです。

増水した川の護岸、排水穴の中に子猫が…!

2024年6月29日。kotokotonekoさんは、実家で暮らす先住猫のために譲渡会へ行く予定でした。

1年前に愛犬が虹の橋を渡り、残された先住猫が淋しそうにしていると母から聞いていました。高齢の両親が譲渡会で猫を迎えることは難しいため、私が保証人として一緒に譲渡会に行く予定でした。

しかし、まさにその日、思いがけない形で子猫との出会いがあったのです。それは、お兄さんからの「子猫を保護した」との連絡でした。

ことの発端は前日の6月28日夕方、大雨の中で帰宅途中だったお兄さんは、道路の真ん中にうずくまるなにかを発見したそう。車をとめて確認するとまだ幼い子猫。捕獲しようとすると、突然走って川のほうへ逃げていきました。

川の土手には雑草防止のシートが貼ってあり、雨に濡れると滑りやすくなっていました。子猫は滑って水かさの増した川に落ちたものの、護岸にしがみついたのが見えたとのことです。

目をこらすと、排水穴の中に逃げ込んだ子猫が見えました。

護岸の排水穴の中に子猫が

その日は大雨と濁流のため救出を断念せざるを得ませんでした。しかし小さな命の行方が気に掛かってしかたなかったお兄さん。翌日の朝、必要になりそうな道具を用意して現場に戻ります。

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7時間にも及ぶ救出作業

ロープでの降下作業に経験があったお兄さん。用意したロープと登山用カラビナを使って排水穴まで降りていきました。

ロープを使って子猫のもとへ

ちゅ~るでおびき寄せようとしたそうですが、怖いのか全く近寄ってはくれず困り果てたと聞きました。

川岸からぶら下がり、空中で3時間あまり悪戦苦闘するお兄さんを見て、通りかかった地域住民の方たちが声をかけてくれました。150センチくらいの背の高い脚立や、捕虫用網など、必要そうな道具をもって応援に。

地域の人が応援に来てくれました

脚立に切り替えてさらに3時間。救出の決め手となったのは応援物資のワイヤーハンガーでした。折り曲げてまっすぐにして排水溝に突っ込んだところ、子猫がしっかりかみついたのだか。そのままひっぱり出して、ついに救出成功!救出作業は実に7時間近くにも及んだのです。

救出直後の子猫

その原動力を尋ねると「とにかく必死でしたので、原動力と言われるとそれはよくわかりません。猫は飼っていますがそれとこれとは別のような気がします」と率直に語ってくれたそう。一方で救出作業については苦労をにじませました。

兄は、親切に救助に参加してくださった方々に、とても感謝していました。皆さん、所轄の警察や消防などに連絡してくれましたが、冷たい対応をとられたとのこと。行政の対応には限界があると痛感したと話していました。どうか皆様、救助の際は無理をなさらずお願いいたします。

1人の勇気と地域コミュニティの力が、小さな命を救ったのです。

猫を望んでいた両親のもとでの家猫生活へ

譲渡会に行く直前に「渡りに船」とばかりに現れた子猫。kotokotonekoさんの実家の両親は喜び、一も二もなく引き取りを決めたそうです。名前は「おと」くんに決定。獣医師さんの診断では、2カ月未満の男の子でした。

両親から聞くところによると、おとくんはおとなしくて賢いので育てやすく、とても甘えん坊だそう。先住猫との相性もいいそうです。「毎日楽しそうにしてる2匹を見て、とてもいいご縁をいただいたと、主人とともに幸せを感じております」とのことでした。

先住猫も仲間ができて嬉しそう

先住猫もおとくんに興味津々で、遊びたがって仕方がないそう。元気になったおとくんを誘って、最近では少し激しめのじゃれ合いも発生しているのだとか。

kotokotonekoさんの投稿にある「仔猫1匹増えるとみんな巻き込んで幸せになれちゃうようでめでたしめでたしでした」という言葉が、この救出劇のてんまつを最もよく表現しています。優しい人々の助けによって、絶体絶命の危機から幸せな家猫ライフへの切符をつかんだおとくん。おとくんの今後の成長が楽しみですね。