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臨月で保護した野良猫は「聖母」だった……!遺棄されたわずか60gの赤ちゃん猫のママに

臨月で保護した野良猫は「聖母」だった……!遺棄されたわずか60gの赤ちゃん猫のママに

ある日、千葉県にある「保護猫シェルターLittle Rin」の凛ママさんの元へ一報が入りました。「いつも家に来る野良ちゃんのお腹がかなり大きくて。絶対に赤ちゃんがいると思う」。

凛ママさんは、すぐに野良ちゃんを保護しました。地域の人たちにかわいがられながら、過酷な外の世界を懸命に生きてきた野良ちゃん。背中にぽっかりと浮かぶ白い「島」のような模様がチャームポイントなので、凛ママさんは、「島」=「アイランド」にちなみ、「アイラ」と名付けました。

アイラちゃんの「島」模様



安心しきった表情で「最後の出産」へ

一報を入れてくれた人の読みどおり、アイラちゃんのお腹にはすでに新しい命が宿っていました。もういつ出産してもおかしくないほど月は満ちていたのです。凛ママさんは少し心配していました。「お外暮らしだったから、家の中に入ったらびっくりしちゃうかな……?」。しかし、アイラちゃんはとっても大物でした。

人懐こい性格で、色々なおうちの人にかわいがってもらっていたようです。そのおかげもあってか、室内に入ってからもほとんど動揺することもなく、むしろすぐにくつろいでいました。

保護からわずか1週間後の4月5日、アイラちゃんは無事に3匹の元気な赤ちゃんを出産!みんな100g前後で、お腹の中で大切に育てられてきた、丸々としたかわいい赤ちゃんたちでした。

溢れる母性……「赤ちゃんを離したくない!」

アイラちゃんは、驚くほど子煩悩で子育て上手な理想のママっぷりを発揮しました。ママ猫の中には、比較的ドライに子育てをするタイプもいますが、アイラちゃんはとにかく子どもたちにベッタリだったのです。

子猫の体重を計るために、ちょっとだけ子猫を借りる時も、アイラはずっと「返せ!」と言わんばかりに後ろに付きまとって、体重計に載せたとたんにパクッとくわえて寝床に連れて帰ってしまうほどでした。

きょうだいは3匹ですから、ミルクをめぐって競争をすることもありません。アイラママの愛情をたっぷり注がれて、すくすくと育っていきました。

たったの60gの命。段ボールに遺棄された白ちび

そんな愛あふれる日常の中に、切ないしらせが飛び込んできます。ある会社の敷地内に、段ボールに入れられて、産まれたての赤ちゃん猫が3匹、棄てられていたのです。衰弱していた3匹のうち2匹は、保護されてすぐに天国へ旅立ってしまいました。

「せめて残った1匹だけでも生きてほしい!」。保護主さんから緊急のSOSを受けた凛ママさんは、急いでシェルターで受け入れました。小さな命の重さは、わずか60gしかありませんでした。

初対面で即決!アイラちゃんの優しさ

小さな子猫を「白ちび」と名付け、凛ママさんは考えました。「いま子育て真っ最中のアイラなら、もしかしたら……」。いくら子煩悩なアイラちゃんでも、自分の子ではない赤ちゃんを受け入れてくれるかどうかは分かりません。しかし、凛ママさんには確信に似た予感がありました。

とにかく、家族のぬくもりを感じて欲しかったんです。キャリー越しにアイラに近づけてみたら、白ちびの声を聞いただけで、すぐに子猫を探すそぶりを見せました。そこで、直に対面させたところ、すぐにくわえて寝床に連れて行ったんです。私はアイラの母性を信じていたので、あまり緊張はありませんでした。

最初はシリンジで人工哺乳をしても、吸う力が弱くてハラハラさせられた白ちびちゃん。アイラちゃんはすぐに、白ちびちゃんを我が子として受け入れ、優しく、念入りに体を舐めて温めました。

吸う力が強くなってきたので、他のきょうだいたちがいない時を見はからって、アイラにお任せしてみました。すると、白ちびは自分で一生懸命アイラのお腹に吸い付いて、母乳を飲んでくれたんです。とにかく安心しましたし、本当に嬉しかったです!

白ちびちゃんは、アイラママの熱心なお世話と、凛ママさんのサポートによって、少しずつ体力をつけていきます。

命の山を越えてたくましく

アイラママの大きな愛に包まれた白ちびちゃんは、驚異の成長を見せます。なんと、人工哺乳からわずか3日でみずからミルクを飲めるようになり、今ではきょうだいたちをバシバシッ!と叩いて、「僕の番だよ!」とアピールするほどたくましくなったのだとか!

山を越えたと、心からほっとしました。最初は60gだった体重も、今では400gを超えています。通常の成長スピードよりは少し小柄ですが、元気に走り回って遊んでいます。そんな姿を見るだけで大きな喜びを感じますね。

アイラママの愛情をいっぱいに受けて、白ちびちゃんは今、天国へ行ってしまったきょうだいたちの分まで幸せな猫生を生きています。

聖母アイラちゃんと子どもたちの未来

凛ママさんは、「保護猫シェルターLittle Rin」を運営しています。シェルターは、現在のボス猫である「コウちゃん」がガリガリの姿で庭に現れ、勝手に住み着いたのを保護したところからスタートしました。

庭に現れた当時のコウちゃん。今やみんなを仕切るボス。

過酷な環境から保護された猫たちが元気になる姿や、ずっとのおうちで幸せに暮らす姿を見ることが一番のやりがいだと語る凛ママさん。今回の白ちびちゃんの件を通して、伝えたいメッセージがあります。

白ちびは奇跡的に助かりましたが、生後数日で天国へ行ってしまったきょうだいたちは、人間が遺棄さえしなければ生きられた命です。子を奪われる母猫も、生きられたはずなのに命を落とす子猫も、誰も幸せになりません。遺棄は犯罪です。これ以上増やせない、育てられないと思うのであれば、まずは母猫の避妊・去勢手術をしてほしい。たった一度の手術で、この悲しい現実はなくなります。ハードルが高いなら、行政や近くの保護団体にぜひ相談してほしいです。

過酷な運命を背負った白ちびちゃんまで愛してくれたアイラちゃんは、まさに「聖母」。凛ママさんはこれからをどう考えているのでしょうか。

アイラは自分の時間も大切にする賢い子ですが、やっぱり、これまで一緒に頑張ってきたかわいい子たちと一緒に、ずっとのおうちへ行けたら最高だな、と思っています。アイラをたくさん甘えさせてくれる優しい飼い主さんと出会えることを、心から願っています!

過酷な野良生活、そして遺棄。悲しい現実は、アイラママの愛によって幸せな現実に変わりました。アイラちゃん親子の日々の成長や、里親募集の最新情報は、ぜひ凛ママさんのInstagramをチェックしてみてくださいね。