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「黒猫」という理由で山に遺棄されたニオくん 救出してくれた飼い主さん宅で幸せを掴む

「黒猫」という理由で山に遺棄されたニオくん 救出してくれた飼い主さん宅で幸せを掴む

迷信やことわざに囚われて、猫の価値を毛色や毛柄で判断せず、どの子の命にも重みがあることを知ってほしい――。

そう語るminaminukosamaさん宅で暮らしているのは、温厚な性格のニオくん。

実はニオくん、黒猫という理由で山に遺棄された過去を持っています。

遺棄された黒猫を12月の寒い山で救出!

ある日、同窓会に出席した飼い主さんは友人宅の軒下で野良猫が子どもを産んだことを聞きました。子猫たちはすでに里親が決まっていたため、安堵。しかし、10日後、その友人から悲痛なSOSが。

産まれた子猫のうち、真っ黒だったのはニオだけ。里親希望者は高齢で家族から反対されたため、行き場がなくなってしまったそうです。

そして、ニオくんの身には、さらなる悲劇が降りかかっていました。友人のお義母さんは黒猫をよく思っておらず、「縁起が悪いから裏の山に捨てろ」と常々、口にしており、12月のある日、ニオくんを本当に山へ捨ててしまったそう。

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その話を聞いた飼い主さんは居ても立ってもいられなくなり、翌日、ニオくんを探しに2時間かけて山中へ。幸いにも、ニオくんは捨てられた場所から動いておらず、すぐに保護することができました。

家に迎えた直後は、威嚇をしていました。でも、2日後くらいからは人が部屋からいなくなると、ミャーミャー鳴くようになったんです。

そこで、飼い主さんはニオくんのケージを人の出入りが少ない客間から、リビングへ移動。いつでも、人がいる状況に慣れてもらうことにしました。

そのおかげで、私のベッドも寝室からリビング横の和室に移動することになったんですけどね(笑)

保護から3日ほど経つと、ニオくんはケージに手を入れても威嚇せず、逆にすりよってきてくれるように。以来、ゆっくりと家族に溶け込んでいきました。

ニオはエビのけりぐるみが大好き。ケリケリでエビちゃんはあられもない姿になっているけれど、どこへ行く時も持ち運ぶんです。

もうひとつ、大好きなのがブラッシング。帰宅したパパさんをお出迎えし、「ニャー」と鳴きながら、ブラッシングの場所まで誘導するのが日課です。

場所は、なぜか爪とぎの上。パパは着替えもせず、ニオのブラッシングをするハメになるんです(笑)

そう話す飼い主さんには、ニオくんの大切さを改めて痛感した忘れられない出来事があります。

それは家中を捜索しても、ニオくんの姿が見当たらなかった時のこと。何かの拍子に外へ出てしまったのか、どこかに潜り込んで出られないのかと考え、飼い主さんは泣きながら捜索。

すると、名前を3回ほど呼んだ時、頭上からニオくんの声が。見上げると、タンスの上で優雅に飼い主さんを眺めるニオくんの姿があったのだとか。

安心し、泣きながら抱きしめました。ニオがいてくれる幸せを強く感じましたね。

ニオくんは現在、人家族だけでなく、3歳の頃から生活を共にしている同居猫のクラちゃんとも絆を深めているよう。

迎えた頃は、互いに威嚇。その後は構ってほしかったようで、ニオがクラを追いかけていましたが、いつからか立場が逆転。今では、クラのほうがグイグイいきます。

2匹は仲良くくっついて、お昼寝することもあるのだとか。

ニオはたまたま私と縁があったから、“ずっとのおうちができた。山に捨てられたままだったら、きっと生きていけなかったでしょう。ニオのような子が1匹でも少なくなってほしいです。

猫の毛色や毛柄は、どれも等しく尊いもの。十ニャン十色な“被毛”という個性に目を細め、命を軽視しない人が増えてほしいものです。