自動車のエンジンルームやタイヤの間に入り込んだ猫を逃がすため、ボンネットをバンバンと叩く「ねこバンバン」。その行動の重要性は近年、浸透してきており、エンジンルームにいた猫を実際に救出した飼い主さんの話に触れると、改めて大切さを痛感させられます。
まるいぷさんも、奇跡の生還を目にしたひとり。
愛猫のロビくん
ある日、子猫のロビくんがボンネットに入り込でいたことに仰天。奇跡的に、小さな命が紡がれた体験から、「猫バンバン」の大切さを痛感しました。
職場に現れた子猫が車のボンネットに入っていた!
ことの発端は、2022年の冬に、まるいぷさんの職場に2匹の子猫が出現したこと。帰宅したまるいぷさんは、車のほうから猫の鳴き声がすることに気づきました。
そこで、すぐに車の下を確認しましたが、猫はおらず。まさか…と思い、恐る恐るボンネットを開けると、そこには職場にいた子猫のうちの1匹が。
子猫は奇跡的に無傷でしたが、念のため、動物病院へ。検査の結果、本当に健康体であることが確認でき、胸をなでおろしました。
月齢は3ヶ月ほど。身体の汚れ具合などから野良猫にしては綺麗すぎるので、捨てられたのかもしれないと、獣医師に言われました。
思わぬ子猫との出会いに、まるいぷさんは正直、困惑。なぜなら、自宅には文鳥やセキセイインコなど、6羽の鳥がいたから。
迷った末、まるいぷさんは子猫を職場に連れていくことに。子猫はしばらくの間、職場の中で保護されながら、暮らしていました。
しかし、母猫や飼い主だと思われる方も現れず、貰い手もない状況から、「このままでは保健所に…」という話が職場で持ち上がるように。それを耳にし、まるいぷさんは子猫を自宅へ迎え入れる決心をしました。
ボンネットに入ってでも奇跡的に助かった命を大事にしないといけないと思ったんです。
居住スペースを分けて鳥も猫も安全に暮らせるように配慮
好きなピングーのキャラクターから名前をもらい、子猫には「ロビくん」と命名。飼い主さんは鳥と猫が共存できるように、生活スペースを分けることにしました。
鳥たちは1階のリビングで過ごしていたので、8畳ほどの自室を猫部屋にしました。お互いのために、絶対合わせないように注意しています。
ロビくんは新しい環境に馴染み、甘えん坊でやんちゃな凶暴猫に成長。
甘えん坊な一面もありますが、その姿を見せるのは飼い主さんの前でだけ。
私には喉を鳴らして、とても甘えん坊です。でも、私以外には大慌てで逃げます(笑)
元気なロビくんの姿を目にするたび、まるいぷさんは怪我ひとつなく、命が助かった嬉しさを噛みしめます。
以前、コロナになって寝込んでいた時、幸せそうに寝ているロビを見て、保護してよかったなと、改めて思いました。
そんな、まるいぷさん宅ではチリさんというワンちゃんもリビングで暮らしており、ロビくんと仲良く遊ぶこともあるのだとか。
時々、ロビがいる部屋にチリを連れて行きます。2匹は最初から拒否や喧嘩をせず、すぐ遊び相手になりました。
専用の部屋で穏やかに暮らせ、犬友達もできたロビくんは奇跡的に紡がれた命を精一杯、謳歌しています。
猫バンバンの大切さは知っていましたが、まさか、自分がこんなことになるとは思いもしませんでした。こんなかわいいロビが命を落とさなくて本当によかったと、心から思います。
そう語るまるいぷさんは、より多くの人に「猫バンバン」の大切さを知ってほしいと考えています。
「猫バンバン」というと、冬に必要な行動というイメージがありますが、薄暗くて狭い場所を好む猫の習性上、夏も行うことが大切。
実際、SNSには夏の日差しをさけたり、外敵から身を守ったりしようとした猫が夏の時期にエンジンルームに入り込んだ事例も報告されています。
「猫バンバン」を習慣化することで救える命がある――。その事実を、より多くの人が認識し、悲しい事故が防がれてほしいものです。