病気の猫や高齢猫の保護を行う「一般社団法人ゆらり」の代表理事・山岡さんはこの日、飼い主を亡くした猫の引き取りへ。依頼者は、飼い主の甥。保護する2匹の猫たちは、人が済んでいない家で身を寄せ合いながら生きていました。
飼い主さんは2024年11月に体調を崩し、入院。以後、甥っ子さんと飼い主さんの友人2人でお世話の当番を決めて、猫たちのケアをしていました。
その後、飼い主さんは退院できたものの、ほどなくして救急搬送され、逝去。2匹の猫たちは、甥っ子さんや友人の方に見守られながら暮らしてきました。
2匹は共に、ハイシニア。白猫のみゅーちゃんは17歳で、茶トラのちゃーちゃんはなんと20歳です。
最期まで愛猫たちのことを心配していた飼い主さんの想いを汲み、甥っ子さんたちはなんとか里親を探したいと思い、100人以上に声かけ。自治会に頼んで、公園の掲示板にチラシを貼って里親を募りもしました。
しかし、年齢を聞いた途端、お迎えを躊躇する人が多く、譲渡先を見つけることはできず。そこで、山岡さんに連絡をし、2匹の命を守ってもらおうと考えたのです。
甥っ子さんたちの猫愛に触れた山岡さんは、2匹の引き取りを了承しました。
山岡さんが部屋に入ると、2匹は飼い主さんの遺影がある部屋で日向ぼっこ中。子どもがいない飼い主さんにとって2匹は、我が子同然。日々、たくさんの愛を注がれていました。
2匹は初対面の山岡さんにもスリスリ。人懐っこい姿からも、2匹が大切にされてきたことが伺えます。
引き取り後、2匹には新たな幸せが訪れました。茶トラのちゃーちゃんはなんと、甥っ子さんたちの知り合いが迎え入れてくれることに。
山岡さんは早速、新しいおうちへちゃーちゃんをお届けします。
また、白猫みゅーちゃんにも新しい飼い主さんが見つかり、幸せな日々を送れるようになりました。
2匹の猫たちが新たな幸せを掴めたのは、小さな命を守りたいと必死に動いた人たちがいたからこそです。
人間の高齢者とは違い、高齢猫たちは行政的なサポートが得られないのが現状。猫の長寿化を喜ぶだけでなく、これから先、私たちはハイシニア猫たちの守り方も考えていく必要がありそうです。