大阪・東淀川区に本社がある三協精器工業株式会社は、精密金属機能部品の製造を行っている会社。約10年前、瀕死状態の猫を保護したことを機に猫社員が誕生した。

現在は、22匹の保護猫たちが暮らしており、社員たちに癒しを与えている。
瀕死状態の子猫が“副社長”に就任!
始まりは、2016年頃に肋骨が折れた子猫が会社に迷いこんできたことだった。子猫は社員によって保護され、入院治療を受けることに。
回復後、子猫は社長から「チャトラン」という名前を貰い、副社長の役職に就任。社員に癒しを与える、社員猫となった。

ユニークなことに、三協精器工業株式会社では副社長だけでなく、専務取締役や常務取締役も猫。社員猫たちの中には、23歳のハイシニア猫もいる。

23歳のおばあちゃん猫・ぴっぴちゃん
猫たちは普段、1階から3階の事務所内を自由に行き来しているそう。各フロアにはご飯や飲み水、トイレを完備。各部屋には、猫たちがくつろげるクッションなども用意されている。

社内の様々な場所に水を設置することで、尿路結石の予防に努めている
終業時間の17時以降は、各々に用意されたケージの中へ。夜間は警備会社の監視システムが稼働しており、猫たちが動くとセンサーが反応してしまうからだ。

ケージにはご飯や飲み水、爪とぎ、クッション、毛布などを完備。温度管理も徹底している。
体調管理は特に意識しており、健康状態に合わせた食事を提供しています。少しでも気になることがあれば、定期的に動物病院で検査を受けさせるなど、早めの対応を心がけています。
大阪市長から感謝状を貰った“猫の日”の取り組み
多頭飼いは、猫同士の相性に気を配ることもあるもの。三協精器工業株式会社でも猫同士の相性を踏まえ、仲が良くない場合は距離を取れるように配慮している。

朝にケージから出す時、タイミングをずらすなどして相性の悪い猫と顔を合わせないよう工夫しています。
社員たちの猫愛は深く、2026年2月22日(猫の日)には社内イベントの一環として、大阪市の動物愛護関連事業部へ寄付を行ったそうだ。

寄付金は社員から募り、グループ会社全体にも呼びかけ、北は北海道、南は熊本まで、多くの社員に協力いただき集めることができました。
集まった寄付金は、154,222円。心温まるこの活動には、大阪市長から感謝状が贈られた。

日頃から多くの猫たちと共に過ごしている私たちだからこそ、少しでも動物福祉の向上に貢献したいと思ったんです。
なお、三協精器工業株式会社には、ユニークな福利厚生もある。2年前から、特別休暇として「ペット忌引制度」を導入。社員が安心して愛犬・愛猫を見送る時間を持てるように配慮した。

利用時には自身のペットであることの確認として、火葬の領収書などを提出する。ペットロスの苦しみを軽視しないこの福利厚生は、動物と暮らす社員に頼れるものとなっている。
火葬や看取りにも立ち会う社員たち
猫社員たちは職場の雰囲気は和らげ、コミュニケーションのきっかけを作ってくれる存在だ。広報担当の三枝さんは仕事で疲れた時に猫を撫で、癒しを補給している。

普段あまり話す機会のない社員同士でも、猫ちゃんの話題を通して自然と会話が生まれます。推しの猫ちゃんが同じだと、その猫ちゃんについて会話が弾むこともあります(笑)
また、安心感を与えてくれるのも猫社員のすごさだと三枝さんは感じている。

デスクの上で眠っている姿があるだけで、「ひとりではない」と感じられる瞬間があります。
だからこそ、一緒に過ごしてきた猫が最期を迎える時の悲しみは大きい。だが、その死に向き合ってこそ、人はこれまで以上に優しくなれ、感謝の気持ちを持って日々を過ごせるのだと三枝さんは思っている。

可能な限り、見送りにも立ち会います。火葬に行き、お骨を拾い上げます。人も、必ず最期の時を迎える。猫ちゃんたちと過ごす中で学ばせてもらうことは計り知れないほどあります。
社長自ら、猫と最期まで共に過ごす意味を社員に伝えているという三協精器工業株式会社。社員たちにとって猫たちは猫社員というより、もはや家族のような存在なのかもしれない。この先も、どんな命の物語がSNSにアップされるのか楽しみだ。





