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譲渡会で一目惚れ… 3年半も里親が見つからなかった元野良猫が、家族に“まとい”つくまでの物語

譲渡会で一目惚れ… 3年半も里親が見つからなかった元野良猫が、家族に“まとい”つくまでの物語

「ニャーニャー」と鳴きながらまとわりつき、家族の視界に入りたがる「まとい」ちゃんは名前の通り、人間につき“まとい”、後追いもしてくれるストーカーにゃんこ。

だが、飼い主のmamu sanさんと出会うまでには3年半もの月日を要し、きょうだい猫を亡くすなどの悲しみも経験した。

譲渡会で“3年半も里親が見つからない元野良猫”に一目惚れ

まといちゃんは、福島県で生まれた野良猫だった。へその緒がついた状態で3匹のきょうだい猫と共に保護されたが、生き残れたのはまといちゃんだけだったという。

その後は動物保護施設で3年半過ごしていたが、保護主さんがまといちゃんを連れて活動拠点を愛知県に移したことが、飼い主さんとの出会いに繋がった。

2022年3月、飼い主さんは偶然、土日休みになり、大規模なペットイベント「わんにゃんドーム」へ。2年ほど前から保護猫を引き取りたいと思っていたため、現地で開かれていた保護犬・保護猫の譲渡会を見に行った。

会場に入り、気になったのはケージの隅で小さく丸まり、参加者にお尻を向けるまといちゃんの姿。ケージを覗きに行くと、まといちゃんは振り返り、じっと目を見つめてきた。

その瞬間に、この子だと思いました。私の一目惚れです。

すぐに里親希望の申し込みをしたが、里親希望者は他にもおり、後日、連絡という形に。飼い主さんは眠れない夜を過ごし、数日後にトライアルの連絡を受けときには、嬉しさのあまりガッツポーズ!

3年半という長い月日を保護施設で過ごしたまといちゃんの心を思い、「うちでは伸び伸びと暮らしてほしい」と、大きなケージや猫用ベッド、キャットタワーなどを用意した。



お迎えから5時間で“へそ天”を見せた人間好きな姿にビックリ!

自宅を“安全な場所”だと思ってもらいたい――。そう考え、お迎え初日からまといちゃんには部屋を自由に歩きまわってもらった。

飼い主さんは正式にお迎えが決まるまでは緊張感ある日々を過ごしていたが、まといちゃんはマイペース。お迎え後、わずか1時間で横になり、毛づくろい。5時間後には、へそ天も見せてくれた。

お迎えから一週間後

人慣れ訓練はしていません。保護施設の方が優しかったので、人間に敵意を持たなかったのだと思います。

普段の人間好きな行動にピッタリだし、3年半も呼ばれていた名前を変更すると混乱してしまうのでは…。そう考え、家族は「まとい」と呼び続けることにした。

共に過ごす日々を積み重ねる中で段々、目つきが穏やかになっていったというまといちゃん。信頼関係ができたからか、家族への遠慮はなくなり、要求をすることも多くなった。

ご飯もおもちゃも大好きで、おねだりがしつこいです(笑)

その一方で、変わらないのが人間に向ける愛。自宅に家電修理業者や宅配員が来ると、自ら挨拶をしにいく。

人間が大好きなまといちゃんは、就寝時も飼い主さんと一緒。以前、飼い主さんが風邪で寝込んだ時には、ずっとそばに寄り添い、看病してくれた。

風邪で寝込んだ時の看病は、私限定。夫が風邪を引いた時には、なぜか看病しません(笑)ウェットフードやおやつが欲しい時だけ、夫に絡みます。

私との出会いを待ってくれていた”3年半”だったのかも…

まといちゃんには、他にもユニークな一面がある。普段はブラッシング嫌いだが、ご飯を食べる時だけはOK。片足を持ち上げ、「ブラッシングしてもいいよ」の合図をくれる。

食事の前だけは、お腹をブラッシングしても喜ぶ

イタズラや家具や壁での爪とぎはしないお利口さんだが、意外に怒りっぽいのも、まといちゃんの個性だ。

すぐに噛みつきます。夫の手は傷だらけ。でも、顔だけは絶対に噛みません。顔を近づけたら、シュンッとします。

日々、たくさんの笑顔をくれるまといちゃん。共に生きる中で、飼い主さんは愛猫の命を紡いでくれた保護主さんへの感謝や命への責任感がより強くなった。

施設では、窮屈な思いもしたこともあったかと思います。だからこそ、保護主さんが大事に育ててくれた命を最期まで大切にして、穏やかな猫生を送れるようにしたい。

遠い福島で生まれ、3年半も里親が見つからなかったのは、私と出会うのを待っていてくれたからなのかも――。そう話す飼い主さんにぴったりくっつきながら、まといちゃんはこれからも“人と生きるニャン生”をとことん、楽しんでいく。