ある日、動物保護団体から連絡を受け、お腹が膨らんだ妊婦猫を預かることになった飼い主さん。しかし、保護してみると、衝撃の事実が判明しました!
保護された妊婦猫さんは、キリっとしたお顔の美猫さん。しかし、お外の生活は大変だったようで、体はドロドロの状態。顔には、たくさんの傷がありました。
飼い主さんは堕胎手術を受けさせず、猫ちゃんの出産を手伝おうと決意していたそう。出産に備えてホームカメラを設置するなど、万全の準備を行っていました。
しかし、翌日、乳房の張り具合を確認するために下腹部を触っていると、違和感が…。なんと、妊婦猫だと思っていた猫ちゃんは男の子であることが判明したのです。
まさかの事実に、飼い主さんは驚愕。妊婦と間違うほど、お腹がパンパンに腫れている状態は尋常ではないため、すぐに動物病院へ向かいました。
検査の結果、内臓に異常はありませんでしたが、尿が溜まって膀胱が肥大化していたことが発覚。カテーテルを入れ、膀胱に溜まった尿を抜くことになりました。
パンパンの膀胱から抜かれた尿の量は、なんと1リットル。どれだけ、猫ちゃんが苦しい思いをしていたのかが、その量からうかがい知れます。
その後、猫ちゃんは精密検査をすることに。飼い主さんは腎臓病などの重大な病気を抱えていることを覚悟しましたが、獣医師から告げられたのは腎臓も尿検査も異常なしという嬉しい検査結果でした。
さらに、猫ちゃんは猫エイズや猫白血病も陰性。飼い主さんは獣医師さんから言われた「奇跡の子」という言葉を噛みしめました。
ただ、猫ちゃんは自力では排尿ができず、膀胱を収縮させる薬が効くまでは毎日、尿を動物病院で抜いてもらうことに。よく食べ、甘えてもくれるこの子に飼い主さんは「文太」という名前をつけ、経過観察をしていくことにしました。
それから、しばらく経つと、薬の効果もあり、文太くんは自力で排尿ができるまでに。ところが、その後、文太くんには神経障害があることが判明しました。
文太くんは尻尾の付け根から感覚がなく、何らかの事故によって膀胱を収縮させる神経が損傷していたよう。
そんな文太くんに、何がしてあげられるか…。獣医師さんのアドバイスを受けながら、飼い主さんは試行錯誤しつつ、文太くんにとって一番良い方法を見つけようとしています。
膀胱がパンパンな状態でも生きることを諦めず、頑張ってきた文太くん。その日常を、これからも応援していきたくなります。