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摩訶不思議な猫の絵にクスッ!イラスト作家エクルポットさんが描く「伸び伸びとした動物画」

摩訶不思議な猫の絵にクスッ!イラスト作家エクルポットさんが描く「伸び伸びとした動物画」

摩訶不思議な動物たちの世界に引き込まれる絵を描いているのは、イラスト作家のエルクポットさん。

猫が飛行機になったり、ハリネズミとお茶会をしたりと、エクルポットさんの作品はとにかく自由。伸び伸びと生きている動物たちの姿に、ほっこりさせられます。

人物画への苦手意識から伸び伸びとした動物画を描くように

一族に洋画家や版画家がいたエクルポットさんは、宝塚造形芸術大学の映像学科を卒業。広告デザイナーとして活躍し、2019年、フリーランスに転身。イラスト作家&デザイナーとして活動するようになりました。

動物画を描くようになったのは、人物を描くことが好きではなく、苦手に思っていたから。ある時、鳥獣戯画のように、動物が擬人化した世界を描くことが楽しそうに思え、オリジナリティ溢れる動物画を描き始めたのです。

作品のアイデアは日頃、生活している中で起きたことから得ることが多いそう。90年代の世界観が好きであるため、レトロなネタやアイテムをモチーフにすることもあります。

アイデアを思いつく場所は、ダントツでお風呂です。入浴中は暇なので、自然にアイデアを練りあわせるのだと思います。

そして、猫好きな人から影響を受け、実際、家に猫を迎えて生態を身近に知ったことから、作品には、よく猫が登場するように。

陽気で人好き、慎重派だという愛猫のNOAちゃんも、作品内に何度かこっそり登場。

アメリカンショートヘアとロシアンブルーのMIXであるNOAちゃん

猫は自分の描く世界観に、よくマッチしてくれます。描けば描くほど、人間を描いている気分になる不思議さも動物画の魅力。本当は人間を描くのが好きなのかも知れません。

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誰もがほっこりして平和になれる絵を描きたい

以前はペン画(線画)も描いていましたが、最近は水彩画オンリー。もちろん、作品によっても異なりますが、小さいサイズはネタを練り始めてから1週間ほどで完成。A4サイズの大きな作品は出来上がるまでに、1ヶ月前後かかるのだとか。

工程は、ネタ練り→鉛筆ラフ→鉛筆本番→ペン本番→水彩着彩→完成となります。

描く中で意識しているのは、人間のように振る舞う動物たちや細々したアイテムなど、自身が描く世界観を楽しく感じてもらえるようにすること。

誰かを傷つけたり、不快に思われたりすることがないよう、なるべく配慮しています。センセーショナルな作風自体は否定しませんが、僕の作品ではほっこりしてほしいです。

これまで完成させた作品の中で特に印象に残っているのは、宇宙を見ながら片足立ちをする猫を描いた『宙の猫』。

こちらは2021年に初めての個展を開いた際、メイン絵のひとつとして描いたもの。

広大な宇宙を望む背中向きの猫に物語を感じられるよう、描きました。気に入っていたので、個展で買っていただけて嬉しいやら寂しいやらでした(笑)

また、お肉屋さんをモチーフにした『おすすめはこちらの仲間です』は水彩画を描き始めた頃に完成させた、自身いちのブラックユーモア画。

草食動物のお肉屋さんに肉食動物たちが買い物に来ている構図の本作は日々、自分たちが食べている「肉」についての関係性を比喩した作品です。

2021年に再度リニューアル版を描きました。そちらでは、草食動物が増えています。

リニューアル作

作品の中には、芸大への通学時から通勤時までお世話になってきた、愛着のある阪急電車をモチーフにしたものも。

作品名:『ギュウギュウエブリデイ』

嫌な電車ラッシュですが、動物たちに置き換えると、少しは気持ちが和らぐ人もいるかなと(笑)

こんな風に、どこかクスっとさせられる絵を描く根底には平和な世界を望むエクルポットさんの優しさがあります。

作品を観てクスッとしたなら、その人は怒ってないわけで、それが続くと穏やかな気持ちになって、気づけば世界平和のできあがりなのかなと思うんです。

今後は再び個展を開き、絵本も描きたい。そして、出身地である島根のためになる仕事も受け、世界進出も目指したい…。そう、意欲を燃やすエクルポットさんは、いつも優しい目線で作品を楽しんでくれるファンがいることを嬉しく思っています。

とても感謝しています。これからも楽しませる作品を描いていくので、クスッとしたい時に、ぜひどうぞ!

ニンマリできるユーモアが散りばめられた、唯一無二の作品。心が落ち込む日はもちろん、明日への笑顔を補給したい時にも眺めたくなります。