完全室内飼いが進み、人と猫が同じ空間で過ごすことが増えてきた今、増加しているのが誤食事故。人と猫は違う生き物だからこそ、私たちからしてみれば安全な食品・植物であっても愛猫にとっては命を奪うほど危険なものであることも…。
『猫が食べると危ない食品・植物・家の中の物図鑑 ~誤食と中毒からあなたの猫を守るために』(服部幸:著/ねこねっこ:編/霜田有沙:絵/ねこねっこ)は、そんな悲しい誤食事故を防ぐべく製作された一冊。
本書では胃腸障害を起こしやすいものや中毒を起こす食品、植物家庭用品を紹介。国内外の調査報告を交え、愛猫を守る方法を伝授しています。
本書を手掛けたねこねっこは、猫本専門出版社。2020年には東京猫医療センターの服部幸院長監修のもと、『猫からのおねがい 猫も人も幸せになれる迎え方&暮らし』(服部幸:著/ Riepoyonn:著/ねこねっこ:編集)を発刊。同書は令和版のねこ生活ガイドブックとして、大きな話題になりました。
本作も前作同様、服部幸院長が監修。家の中にある身近なものを種類ごとに分け、危険な理由や現れる症状、口にしてしまった時の治療法などを全4章に渡り、紹介しています。
各章の間には、豆知識を得られるコラムも。中でも、なるほどなと思ったのが猫が口にしてもいい魚・肉・卵・乳製品などを与える際の注意点。
かつお節のミネラル・食塩量を数値で詳しく知れたり、意外と知らない牛乳にまつわる知識も得られたりし、自分の知識をアップデートできます。
また、誤食時は焦りからインターネット上に記されている対処法を実践したくなることも多いからこそ、本書では受診前にやってはいけないことや受診時にしたいことも解説。
いざという時、本当に適切な対応ができる飼い主になれます。
長い時を経て、猫は「飼うペット」から「共に暮らす家族」になり、飼い主との距離感も近くなっていきましたが、お互いが健康的かつ快適に暮らすには私たち人間側の努力が必要。ぜひ本書を手に取り、命を脅かすものを理解し、誤食や中毒事故から愛猫を守っていきましょう。