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洗面所の下で手のひらサイズの子猫を保護!東京・渋谷区「kitchen&bar MORIS」の看板猫になったかもめちゃん

洗面所の下で手のひらサイズの子猫を保護!東京・渋谷区「kitchen&bar MORIS」の看板猫になったかもめちゃん

東京・渋谷区にある「kitchen&bar MORIS」は、ご夫婦で営んでいるモダン居酒屋レストラン。

ランチタイムにはタコライス専門店となり、お店には連日、おいしい料理と楽しいお酒を求めるお客さんが訪れています。

そんなアットホームなお店で看板猫として接客業に励んでいるのが、かもめちゃん。

かもめちゃんとの出会いは、とても運命的なものでした。

洗面所の下にいた“手のひらサイズ”の子猫と運命的な出会いをした

出会いは、2016年11月8日のこと。お店では、毎年11月になると“芸術の秋”にちなんで週替わりで映画を選び、出てくる料理をアレンジして提供する「映画fes!」というイベントを開催。その日は、映画「かもめ食堂」がテーマでした。

ディナーの仕込みを終え、オープン準備を始めようとしたオーナーの安部さんの耳に飛び込んできたのは、猫らしき鳴き声。流していたラジオの音量を下げ、夫婦で耳を澄ませると、もう一度、鳴き声が。

やがて、洗面所のほうから物音が聞こえたため、安部さんは近くにあった空のゴミ箱を構え、洗面所下のカーテンを開きました。すると、そこにいたのは、手のひらサイズの子猫。

子猫は怯え、近寄ると威嚇をし、人の手が届かない奥へと隠れてしまいました。どうにもできず、その夜はそのまま営業。

訪れた常連さんに事の経緯を話す中で、とりあえず名前を付けようという流れになり、テーマ映画になぞらえ、子猫を「かもめ」と呼ぶことに。

営業終了後、安部さんは捕獲に奮闘するも、かもめちゃんはなかなか出てきてくれず。そこで、半ば諦め、途中だった村上春樹氏の小説『ノルウェーの森』を読み進めながら待つことにしました。

すると、物語の主人公が人懐っこく近寄ってくる猫に「かもめ」という名前をつける展開になり、びっくり。自分の現状と重なる部分があったことや、見事なタイミングでその展開に辿り着いたことに、安部さんは運命的なものを感じました。

翌朝、無事に捕獲できたかもめちゃんを動物病院へ連れていくと、幸いにも健康体であることが判明。

幼少期

こうして、推定生後2~3ヶ月のかもめちゃんは住みこみ食事付きの看板猫として雇われることになりました。

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ルールを守りながら接客をこなす看板猫に成長

夫婦共に、猫と暮らすのは初めての経験。ただ、店名が前の勤め先で、よく懐いて出入りしていた野良猫のMORISからとったものであるなど、以前から猫とのご縁はあったよう。

猫は人並みに好きという程度でした。いつか飼えたらいいねとは話していましたが、責任や生活環境を考えると、難しくて。かもめのほうから来てくれたから、ご縁に便乗しました。

安部さん夫婦はネットなどで情報を調べながら、かもめちゃんと一緒に過ごしやすい環境を模索していきました。

初めこそ、かもめちゃんは新しい環境に警戒していましたが、様々なお客さんが出入りする環境で過ごしたからか、1週間も経つ頃には人慣れ。今では時々、あいさつのキスをしてくれるまでになりました。

おやつの時間には、お手をしてくれます。旅行帰りの再会時や構ってほしくてたまらない時には、床で寝返りを打って誘ってくるんです。

かもめちゃんは携帯のカメラがあまり好きではありませんが、雑誌などの取材で大きなカメラを向けられるのは大好き。やる気を出し、モデルのように色々なポーズを取ってくれます。

かもめちゃんが好きなポーズ

知的さは看板猫として働いている姿からも、伺えるよう。かもめちゃんは安部さんに教えられた、テーブルに乗る、キッチンに入るなど、“してはいけない行動”をしっかりと理解。お客さんのお皿にも手を出しません。

気づかれない接客をすることも

大人になるにつれ、かもめちゃんは子どものお客さんに対して敵対心を持たなくなるなど、より看板猫らしくなり、現在はディナータイムの接客を任されるほどに。

ランチタイムは、お気に入りの場所で寝たり、店の奥にある倉庫で静かにお留守番したりしています。

ただ、サービス精神旺盛なかもめちゃんは時折、自ら接客に出向き、ほどよい距離間を保ちながらお客さんに挨拶したり、おしりをポンポンしてもらったりすることもあるのだそう。

とある日のカウンター

安部さんは、そんな光景を微笑ましく見つめています。

夫婦経営なので言い争うこともありますが、かもめが来てからは拠り所になってくれて、円満にお店を継続できています(笑)かもめ目当てのお客様がご来店くださることもあり、店の雰囲気が、より一層穏やかでアットホームになりました。

コロナ禍を機に始めたYouTubeのかもめちゃん配信も好評。かもめちゃんは、お店やお客さんにとって、なくてはならない愛すべき存在となっています。

かもめちゃんは、火曜日から土曜日のディナータイムに出勤中。

ただ、ご予約のお客様が猫アレルギーなどの場合、倉庫で待機することもあります。また、嫌いな抱っこや食べ物を与えることは、ご遠慮いただいておりますので、ご了承いただきたいです。

おいしい料理に舌鼓を打ちながら、猫を愛でられる「kitchen&bar MORIS」は、これからもお腹と心も満たせる憩いの場であり続けます。