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永久歯の生えた950gの猫を保護!衰弱していた保護猫が“13歳の誕生日”を迎えるまで

永久歯の生えた950gの猫を保護!衰弱していた保護猫が“13歳の誕生日”を迎えるまで

かえるぱんなさん宅で暮らす、みんとちゃんは膝乗りが大好きなシニア猫。しかし、今のような安らげる生活を送る前は過酷な外猫生活に耐えていました。

みんとちゃんは保護時、永久歯が生えているにも関わらず、体重はわずか950g。歩けないほど衰弱していたところを保護され、家猫になり、命を紡ぐことができました。

永久歯が生えた950gの猫を道路で保護

2010年11月5日の午後。自宅近くの細い道路を車で走っていた飼い主さんは道の真ん中で、うずくまっている子猫を発見しました。

体が小さく、生後2〜3ヶ月ほどに見える、その猫は鼻水や涙が見られ、くしゃみもしていたそう。ボロボロの姿を見た飼い主さんは、保護を決意。段ボールに入れ、急いで動物病院へ連れていきました。

保護して間もない頃

体重は、わずか950g。獣医師も最初は生後2〜3ヶ月ほどだと考えていましたが、口腔内を見ると、永久歯が。それにより、月齢の推測は一変。生後5〜6ヶ月という見立てになりました。

栄養状態が著しく悪かったのでしょうと言われました。その日の夜は冷え込んだので、今日保護していなかったら、ダメだったろうとも…。猫風邪を患い、寄生虫やノミもいました。

病院では抗生剤を注射し、ノミ取り薬の塗布をしてもらい、点鼻薬を処方され、帰宅。それまで猫を迎えたことがなかった飼い主さんはペットショップでキャリーケースやケージ、トイレ、フードを購入し、用意しました。

感染防止と安静のため、しばらくは湯たんぽを入れたケージで過ごしてもらうことに。

とにかく風邪が悪化しないよう、ケージに湯たんぽを欠かさず入れ、暖房もつけっぱなしにしました。

飼い主さんはノミと汚れもどうにかしてあげたいと思いましたが、猫風邪を患い、衰弱していることからシャンプーは控えるよう獣医師に言われていたため、取れる範囲のノミをブラッシングで駆除。汚れは、ペット用のウエットシートで拭き取りました。

1mも歩けず、ヨロヨロと這い、くしゃみをしては鼻水をまき散らしていました。抱っこをしてほしいようで、よく鳴いていたんです。

見かねて、抱っこをしてあげると、猫ちゃんは膝でスヤスヤ。迎えた当初から、人懐っこい姿を見せてくれました。

今でもお膝の上が大好き

寄生虫はいたものの、下痢はなく、猫ちゃんはすぐにトイレをマスター。食事はドライフードが噛めなかったため、1ヶ月ほどはフードをふやかし、ウエットフードと混ぜながら食べさせることに。

最初は鼻が詰まっていたのか、ご飯の位置が分からないことがあったので、お皿に誘導していました。

体重は順調に増加しましたが、体力がなかったため、元気に走り回れるようになったのは保護から数ヶ月後のこと。

鼻水は治療開始から2週間ほどで止まり、寄生虫は数ヶ月に渡り3回の投薬をして、ようやく駆除できました。

実は保護当初、飼い主さんは猫ちゃんの体調が回復し、避妊手術を終えた段階で里親を探すつもりでしたが、以前から猫と暮らしたがっていた旦那さんがメロメロになったことから、「うちの子」として迎え入れることに。

「みんと」という名前を貰い、家族の一員になりました。

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危険を学んで”猫ファーストな生活”を送るように

一緒に暮らす中で築いた思い出は、数知れず。みんとちゃんは1歳半の頃、仕事の都合でフランスに行くことになった飼い主さんと3年間、パリジェンヌ生活を満喫したこともあります。

これまで共に過ごした月日の中で、特に印象に残っているのは炊いたご飯を冷凍するためにラップをし、粗熱をとっていた時のこと。みんとちゃんは、異常に興味を示し、食べようとしたのです。

鰹節など入っていない、白ごはんなのに…。もしかしたら、保護する前にラップご飯をめぐんでもらっていたのかも…と思ったら、涙が出ました。慌てて保存用のタッパーを導入し、ラップご飯は禁止しました。

また、肝を冷やした「魚肉ソーセージ強奪事件」では、愛猫の健康を守ることの大切さを痛感させられたそう。

それは、保護から4ヶ月が経った頃のこと。みんとちゃんの体力がまだ十分に戻っていないと感じた飼い主さんは、登れないであろうテーブルに魚肉ソーセージを出したまま、短時間、外出。

いつもは留守時にはケージに入ってもらっていましたが、その日は部屋で自由にさせたままでした。

すると、みんとちゃんは魚肉ソーセージを齧り、端に止めてある金属を飲み込んでしまったのです。

飼い主さんは夜中の3時に、夜間救急の動物病院へ。レントゲンを撮影したところ、金属が胃にあることが判明したため、薬で吐きだしてもらい、事なきを得ました。

可哀想だったので、それ以来、猫が食べそうな物はすべて戸棚に隠し、魚肉ソーセージは禁止にしました。

共に暮らす中で危険なことを学び、どんどん猫ファーストな生活を送るようになっていった飼い主さん。

自宅には、みんとちゃんとそっくりな同居猫ちゃんも!

泊まりで出かけることも減り、外出時には「何かあったら猫が…!」と思い、安全運転をするようにもなりました。

とにかく甘えん坊の抱っこちゃんで、いつも視界に入ってきます。以前のように、おもちゃに飛びつくことはなくなりましたが、落ち着いた甘えん坊なおばあちゃんになってきています。

過酷な暮らしを送っていたことにより、みんとちゃんは目から鼻に通じる管に炎症が起き、塞がったままになってしまったため、今でも体調悪いと、涙や目やにが見られるそう。

そこで、飼い主さんは獣医師に教えてもらった通り、月1回程度、生理食塩水で目と目の周りを洗い、清潔を保っています。

どんな命でも一緒に住むと、大切になりますね。ヨロヨロで弱々しかった命が、ここまで繋がってくれてありがたい。頑張ったなあと感動です。

今年の6月、13歳の誕生日を迎える、みんとちゃん。まだまだ元気なその体で、大好きな飼い主さんにたっぷりと甘え、ご長寿にゃんこを目指してほしいものです。