さっぱり懐かない黒猫と、やきもきしながらも思い通りにならない猫ライフを楽しむ飼い主の姿をコミカルに描くのは、漫画家の筆坊日記さん。
黒猫の筆坊ちゃんは、ナデナデも添い寝もNG。なかなか縮まらない飼い主さんとの距離感に読者はクスっとさせられます。
懐かない愛猫との暮らしを漫画化
実は本作、作者さんの実体験から生まれたそう。筆坊ちゃんのモデルは、作者さんの愛猫・筆坊ちゃんです。
好きなおもちゃもリアルとシンクロしているかも…?
作品が誕生するきっかけとなったのは、「愛猫がなつかない…さみしい…」という愚痴のような日記を描いたことだったそう。
活発で男の子っぽいので名前に“坊”をつけましたが、筆坊は女の子です。プライドが高いけれど、間の抜けたところが多々あります。
愛猫との距離を縮めるため、作者さんは優しく声をかけたり、おやつをあげたりしたそう。しかし、筆坊ちゃんの心を掴むことはできず。
ふたりのリアルな日常が目に浮かぶ
筆坊は食に興味が薄く、効果がありませんでした。おやつに釣られない猫っているんだ…と驚きました。
ただし、おもちゃは大好きなことが判明。作者さんは遊びを求められると、時間が許す限り遊びます。
でも、筆坊は気が済むと急に「誰?近寄んな」みたいな顔になり、離れていきます…。
そんな筆坊ちゃんは、鳴き声もユニーク。普段は「ぴっ」や「ぴこっ」と、小さくてか細い声を発し、遊びすぎて興奮した時には「ぴっぽん!」とお喋りしてくれます。
鳴き声エピソードも作品に反映
ふたりは一体、どういう日常を送っているのだろう。そんな視点で楽しむと、本作はより心に響きそうです。
おもちゃで遊ぶ難しさを痛感させられた日も…
Xで2~3日置きに漫画を更新し続けている、作者さん。これまでに描いた中で作者さんにとって印象深い作品となったのは、筆坊ちゃんがおもちゃのりんごに夢中になった時のことです。
物を整理したい飼い主さんにつられ、やる気満々になる筆坊ちゃん。その愛くるしい姿に、つい目尻が下がります。
また、りんごのおもちゃで一緒に遊ぶも、筆坊ちゃんのテンションが下がってしまったというエピソードも見ごたえあり。
難易度が高い遊びほどやる気になるのは、猫あるあるなのかもしれません。
いつでも感情をストレートに表現する筆坊ちゃんは、手を組む飼い主さんに嫉妬して凶暴になることも。
自分に正直で伸び伸びと過ごす筆坊ちゃんの姿には、猫という生き物のかわいさがつまっています。
筆坊と両思いに慣れる日まで見守ってほしい
猫は小さいのに大きい生き物より勝ち気。果敢に立ち向かったり、失敗しても「いや、別に?」と、なかったことにしたりするところに惹かれます。そのプライドを立ててあげなければ…という気にもなりますね。
そう話す作者さんは、筆坊ちゃんのO脚な前足や香箱座りのもくもくした質感を描くことを楽しみながら、漫画制作を続けています。
特徴的なO脚
触りたくなる香箱座り姿
猫も飼い主もズレてるので、こんなやつらもいるのか、うちは大丈夫だな!と笑って読んでいただけたら幸いです。
本音をなかなか言えない人間とは違って、嫌なものは嫌とはっきり意思表示するところが猫の魅力。懐かないと飼い主は片想い状態で切ないけれど、好かれようとあれこれ工夫する日々も幸せなのかも…。
そんな作者さんの想いも込められた本作は今後、筆坊ちゃんと飼い主さんの距離が縮まっていくのか気になるところ。
読んでくださることが、とても励みになっています。筆坊と両想いになれる日まで、気長にお付き合いいただけたら嬉しいです。
ファンにそんなメッセージを送る作者さんが、実生活でも愛猫と両思いになれますように。