猫も人間と同じで、心が深く傷ついた記憶はトラウマとなって残ることがあるよう。つや吉くんは車に乗せられて捨てられたことがトラウマとなっているのか、乗車時には絶叫。
その姿に胸を痛めた飼い主さんは、つや吉くんが少しでも安心して通院できるアイデアを考えました。
つや吉くんは2025年の元旦に突然、おうちにやってきた子。寄生虫がいることが発覚し、病院へ連れて行こうとしたところ、車を走らせた途端に絶叫し始めました。
あまりにも悲し気な絶叫を聞き、飼い主さんは通院を断念。ひとまず、服薬での治療をスタートさせましたが、1円玉サイズの錠剤を3つも飲ませるのは至難の業…。
やはり、動物病院で注射を打ってもらったほうが確実に駆除できる。そう感じた飼い主さんは同居猫のエンパチくんに協力してもらい、つや吉くんのトラウマを解消することにしました。
車は怖いものではなく、楽しいもの。そう思ってもらうため、飼い主さんは2匹を別々のキャリーケースに入れ、乗車準備。
大好きなエンパチくんと遊びに行けると思ったのか、つや吉くんはすんなりとキャリーケースに入ってくれました。
ただ、家を出ると、やはり不安になるのか、つや吉くんはニャーニャ。しかし、飼い主さんの秘策は他にもあります。実は猫たちがキャリーケースから出ても安全に過ごせるように、車の荷台を改造していたのです。
ひとつの部屋で過ごしている感覚で車に乗れたら、つや吉くんだって安心できるはず。そんな飼い主さんの予想は見事、的中しました。
つや吉くんは最初こそ、不安げな鳴き声を上げていたものの、徐々に落ち着き、やがて外の景色を眺められるほど余裕に。
こんな風に、安全で楽しいドライブを繰り返せば、もっと安心して車に乗れるようになるはず。そうすれば、通院や災害時の避難もスムーズにできる。
そう考えながら、飼い主さん夫妻は短時間のドライブをし、つや吉くんの心をケアしています。
絶叫し、疲れ果てていた前回とは違い、今回のドライブ後、つや吉くんは帰宅後も元気に過ごしてくれたそう。また、自らキャリーケースに入るという、嬉しい行動も見せてくれました。
大成功に終わった、「みんなで一緒にドライブ作戦」。家族の優しい配慮によって、つや吉くんの中にある車に乗ることへの恐怖心は少しずつ和らいでいきそうです。