我が家の永遠の長男ケル

お久しぶりのブログですが、悲しいお話です。

うちの家の子が今朝亡くなりました。

もうすぐ10歳のチンチラのケルです。
病名は肥大型心筋症とそれによってできた血栓症が原因でした。

1週間前の火曜日、いきなり症状は現れました。
その日の夜帰宅し、その時には「みゃ〜」とないていつも通りの姿を見せてくれました。
そしてシャワーに入った15分後、自体は大きく変わっていました。

うちの子たちにおやつをあげようとみんなを呼んだのですが、
ケルだけやって来ない…
不思議に思って家の中を探すと机の下で顔をみせずにうずくまっていました。
寝てる?と思っていたのもつかの間、顔をみてみると口呼吸をして苦しそうにしていました。
なにかを誤飲したショック症状なのではと思いましたが、とりあえずただ事ではないことはわかり、夜の9時半をまわっていたので救急病院に電話をして、急いで病院に連れて行きました。
思い当たることが何もなく、そのときはただただ混乱していました。

そして様々な検査を終え、ケルが肥大型心筋症だということが告げられました。
え?病気?ケルが?
さっきまでいつも通りだったのに?
前の日もさんちゃんと喧嘩して猫パンチしあってて…
おやつもいっつもくれくれ言ってて…
本当に病気?こんなに急に?
と、信じられませんでした。

その後たくさんネットで調べました。
心筋症とは心臓の壁が大きくなり、うまく弁が働かなくなるというものです。
それと同時に血栓ができやすく、血管につまり手足が動かなくなるということでした。
そしてこの病気は発作が起きるまでは無症状なことが多いそうです。

緊急病院で治療をしてもらい、夜中の3時ごろになると酸素室にはいるものの
いつも通りのぶーたれたケルに戻っていました。
心の底から安堵し、その日は酸素室ごとつれて帰ってきました。

ですが朝、また発作が起きいつものかかりつけの病院に次の日にいき、入院となりました。
エコーをしてもらい血栓を見つけました。
心臓は思った以上にちゃんと動いて頑張っているそうで、血栓さえとりあえず溶けてくれれば…とのことだったので、
土曜日に退院し、落ち着くまでは常時酸素室、飲み薬が2種類と皮下注射を1日4回することにしました。
昔にちゃ〜の兄妹赤ちゃんたちを保護した時に、いざという時用に酸素濃縮機を購入してたので、酸素室と酸素濃度計、湿度温度計、そして酸素室内にはカメラを設置していつでも見れるようにとできる限りの用意をしました。
ですが日曜日にまた発作、お薬を飲んで落ち着く…というのを繰り返していました。
日に日に、ご飯を食べなくなり、1日に2、3本のちゅ〜るしか口をつけませんでした。
それでも、明日になれば少しマシになるかも、食欲がでてくれるかも。
と栄養剤などをいそいで注文し、少しでもよくなることを祈っていました。

ケルは、退院からは
「しんどいねんけど」「いたいねん」「なぁ、もっとなでてや」
と、よく私にうったえかけるようにしゃべりかけていました。
いままで私に甘えることがほとんどなかったケルがいつも嫌がるなでなでも、ゴロゴロと甘えていました。
その姿をみると、本当はもっと前からしんどかったのかな、
もっと甘えたかったのかな…と悲しさと申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

そして昨夜2時ごろ、
注射をし、ちゅ〜るも半分食べてくれたので、明日は少しでもケルが楽に過ごせますようにと祈りながら電気を消しました。

ですが、今朝4時ごろ
かすかに物音がしたように思ってケルの様子をみてみると倒れ込んでいました。
何度も「ケル」と呼びかけましたが、その後呼吸が10秒に1回くらいとなり
最後は呼吸が止まってしました。

もしかしたら今なら呼吸が戻ってくれるかも、と
その後も何度も呼びかけ撫でましたが、ケルはうりのもとに行ってしまいました。

ケルは、私が「保護猫」を知るもっともっと前、
私が社会人になって一人暮らしをはじめた年に出会いました。
出会ったのは、古いペットショップやさんでした。
みんなが愛想をふってアピールをしている中、ひとりだけむすーっとした表情で
他の子と比べると月齢が大きく、腕を組んで全く媚びていない偉そうにしている猫がケルでした。
この子大丈夫?とじっとみていると、店員さんに抱っこしますか?といわれて
だっこしてみるとぎゅーっとひっついて離れないので、
ペットショップには本当は立ち寄っただけでしたが
そのまま連れて帰ることにしました。

正直ケルは、20歳かそれ以上生きて大往生したね、とみんなに言われながら
お別れをするのかなと勝手に思っていました。
この10年は私にとって激動の10年で、
ひとりのときも、泣いている時も笑っている時もいつも片隅で見守っていてくれていました。

なので、いまもケルがもうそばにいないなんて
信じられないです。

いつもの無愛想な顔、ケルとよぶとめんどくさそうに反応する尻尾、
長毛でそこらじゅうに散らばる毛玉、もうどれもが見れないなんて
信じたくないです。
辛いです、本当に嫌です。

いつもそばにいてくれていたことが当たり前で、
ずっと仕事に夢中で、思い返せばケルに甘えてばっかりなのは私でした。

今回ケルのことをブログに書こうと思ったのは、
ケルが辛い中、頑張ってくれたこの1週間をきちんと記録として残したかったのと、
ケルのように血統があるからこそ、もっている病気がわかることをみなさんに再認識して欲しいと思ったからです。

有名なところだと、
スコティッシュフォールドの耳折れの子たちは、軟骨の異常があったり…と
血統の子だからこそなりやすい病気があります。

肥大型心筋症は、ペルシャの他にも、アメショ、ラグドール、ノルウェージャン、ヒマラヤンなどがかかりやすい猫種と報告されているそうです。

もちろん心筋症以外にも、様々な病気があり、
猫によってはなりやすい種類の子もいると思います。

自分の子がもし血統がある子なら、なりやすい病気があるか確認をしてほしいと思いました。
もしそれが頭の片隅にでもあれば気をつけておくこともあるかもしれないからです。

ケルは毎年血液検査、エコーをしていましたが
去年はエコーをしていませんでした。
それがまず1つの後悔です。
心筋症の予防は現在はありませんが、リスクを知っておくことはできました。
もっと発作が起きる前に気づいてあげれたかもしれません。

お別れのときはいつも
〜たら、〜れば、ばかりになってしまいますが、
お家の子と少しでも長く、そして苦しんでお別れしないためにも
皆さんにこのことをお伝えしたいと思い書き綴らせていただきました。

もちろん血統があっても最後まで病気をせずに生きていける子もいます。
なのでご家族さんを不安にさせたいわけではありません。
ただ後悔は少ないように…という切なる思いです。

ケルは本当によく頑張ってくれました。
最後まで猫らしく、歩けない手足を引きづりながらひとりでトイレに行っていました。気高い子でした。
私が家にいる時間を最後のお別れの時に選んでくれた親孝行な子です。
本当にいい子でした。私の大事な家族です。

もう一度あのふてくされた顔が見たいです。

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うりセンパイ
小猫症(ドワーフキャット) 2015.7.7生まれの我が家のおうじさま。 奇跡の丸猫…じゃなくて、奇跡のチビ猫 体長18㎝、1.3㌔ ちっちゃくたって幸せだよね!