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交通事故に遭って“骨盤骨折”をした保護猫かすみちゃん 一目惚れした飼い主さん宅で穏やかなニャン生を謳歌

交通事故に遭って“骨盤骨折”をした保護猫かすみちゃん 一目惚れした飼い主さん宅で穏やかなニャン生を謳歌

目が見えなかったり、3本足であったりして、世間一般から見れば「ハンデ」のように思えるものを持つ猫は、まだまだ里親が決まりにくいのが現状。しかし、山太郎さんは骨盤骨折と左股関節脱臼をした、保護猫のかすみちゃんに一目惚れ。

ありのままのかすみちゃんを深く愛し、一緒に穏やかな時間を過ごしています。

回復の過程も応援!動物愛護センターの里親募集で一目惚れして…

かすみちゃんは交通事故に遭ったようで、下半身に出血や外傷が見られ、ぐったりとした状態で動物愛護センターに保護されました。

検査によって、骨盤骨折と左股関節脱臼であることが判明しましたが、骨盤腔が狭くなっておらず、内臓や排便に影響がなかったことから、外科手術を行わず、様子を見ることに。ほどなくして歩行など日常の動作が問題なくできるようになったため、里親を募ることになりました。

センターの職員さんは、かすみちゃんの回復記録をインスタにて配信。それを見ていたのが、後に飼い主となる山太郎さんでした。

トライアル1日目の様子

以前から、できれば保護猫か保護犬を迎えたいと考えていた山太郎さんは同センターのホームページに掲載されている、里親募集コーナーを時折チェックしていたそう。

かすみちゃんが保護されてから、段々と回復していく様子を見て、本当によかったねと勝手に感情移入しており、家族になってくれないかなと気持ちが先走っていました。

そんな中、山太郎さんは一戸建てへ引っ越し。新生活が落ち着いたタイミングで再度、里親募集のページを開くと、なんと、かすみちゃんの里親募集の記事がアップされていました。

居ても立ってもいられず、山太郎さんはセンターへ。この先、年を重ねていく中で股関節に痛みが出てきて、大腿骨の骨頭切除などの手術が必要になった際、高額な医療費がかかる可能性があることも理解し、かすみちゃんを迎え入れました。

猫を飼うのは初めてだったので、障害のある猫を責任を持ってお世話できるのか、夫とも随分、話し合いました。春先で子猫の里親募集も多い時期だったので、当初、夫はなぜ子猫ではなく、怪我をした成猫を飼いたいと私が言っているのか分からないと首をひねっていましたね。今では夫もかすみちゃんにメロメロですが。

住んでいる地域での動物愛護活動に、少しでも役に立ちたい。また、かすみちゃんのお迎えは子どもたちの情操教育に、いい影響があるだろう…。そんな思いもあったそうですが、お迎えを決意した一番大きな理由は何といっても、かすみちゃんに一目惚れしたからでした。

もちろん実物のほうが、もっともっとかわいかったですが、写真を撮影したセンター職員さんの腕がよかったのだと思います(笑)

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ジャンプやダッシュも楽しみながら猫らしい日々を過ごす

かすみちゃんは、お迎え初日から落ち着いた様子で過ごしてくれたそう。念のため、迎えた当日はケージの中で過ごしてもらいましたが、2日目には膝の上に乗るほどの人懐こさを披露。

トライアル2日目の様子

以来、山太郎さんに思いっきり、甘えるようになりました。

折れた骨盤は今もくっついておらず、左股関節も脱臼したまま。しかし、筋肉が支えてくれているため、ダッシュやジャンプは問題なくできるそう。

ただ、山太郎さんはケージの棚板は低い位置に設置して、ジャンプをしなくても上の段へ行けるように配慮。部屋にはマットを敷き、フローリングで滑らないようにも対策しています。

とにかく人懐こいところが、最高にかわいいです。膝の上で撫でてもらうのが大好きで、立っている時も気づくと横にいます。うっかり踏まないよう、気をつけるようになりました。

大人にたっぷり甘え、行動が読めないところがある幼児には少し困惑しつつ、かすみちゃんは徐々に、山太郎さん家族の一員として馴染んでいっています。

介護や医療費の問題などが色々あるので、ハンデを持つ猫の里親さんが決まりにくいのには仕方がない部分もあると思います。正直、私もかすみちゃんが将来、受ける必要があるかもしれない手術には20万円弱かかりそうと言われた時、なかなかのお値段で…とは思いました。ペット保険加入前の事故による怪我なので、今後、起因する病気にも保険適用はされません。

そう本音を打ち明ける山太郎さんは、様々な事情で実際にハンデを持つ子を迎えることが難しい場合でも、”他のサポート法“も検討してみてもらえたらと語ります。

動物愛護センターや保護猫団体への寄付、ボランティア活動など、色々な関わり方・支え方があると思うんです。

生まれ持った持病がある子や事故などで後天的なハンデを背負うことになった子も、安心し、伸び伸びとニャン生を過ごす権利は等しくあるもの。かすみちゃんの姿は、そんな猫たちに自分ができる、温かい支援を考えるきっかけも授けてくれます。