サラさんはにはバーバラちゃんという相棒猫がいます。バーバラちゃんはサラさんにすっかり心を許していますが、それはサラさんただ1人にだけ。そんなバーバラちゃんには壮絶な過去がありました。
バーバラちゃんは、以前、大好きな人間パパと暮らしていました。パパは独身で一人暮らし。バーバラちゃんとパパは2人だけの世界で強い絆で結ばれていました。しかし、パパはある日突然亡くなってしまったのです。1週間後に発見されるまで、バーバラちゃんは飲まず食わすで、動かなくなってしまったパパとただ一緒にいました。
保護団体に救出されたバーバラちゃんは、すっかり心を閉ざした気難しい猫になってしまっていました。「攻撃的で人間と暮らすのは難しい」。そう判断されたバーバラちゃんは、安楽死リストに入れられていたのです。動物保護活動をしているサラさんは、即決でバーバラちゃんをひきとることにしました。
サラさんの家にきたバーバラちゃんは、1週間はクローゼットに引きこもっていました。その後、姿を見せるようになっても、おびえて興奮した様子で何度もサラさんを攻撃にきました。サラさんはひっかき防止のために、家の中でもニーハイブーツをはいていたのだとか。それでもサラさんはバーバラちゃんを自由にさせていました。
1か月ほどたったある日、夜中にふと気配を感じるたサラさん。バーバラちゃんが、サラさんの首もとにきて、スリスリと頭をこすりつけてきたのです。サラさんを新しい家族だと認識してくれた瞬間でした。
それ以来、バーバラちゃんは、サラさんにすっかり懐いて、どこにでもついて回るようになりました。
サラさんはこの経験を自信に変え、保護活動に奮闘し続けました。バーバラちゃんは最高の相棒です。すっかり心をゆるしたバーバラちゃんですが、それはサラさんにだけ。ごくせまい範囲の家族や友人には少し警戒を解きますが、触らせはしません。バーバラちゃんはただ1人だけに深く愛情を注ぐタイプの猫なのです。
「もう1度人間を信じてみよう」。バーバラちゃんは優しいサラさんに、大好きだったパパの面影を見たのかもしれません。