九州で活動する動物愛護団体「キーテイル」が運営するYouTubeチャンネル「人生はねこだらけ」。投稿主さんが3年ごしでお世話をしている、野良猫集団が暮らす場所がありました。それは山奥で、猫を捨てる人が後をたたないお寺。投稿主さんたちはこの子たちをみんな家猫にしようと取り組んできました。
今回の保護対象は、炎(えん)ちゃん。なかなか居場所に定着せず、半年間会えなかったこともある孤高の猫ちゃんです。
そのうえ、猫仲間ともあまり仲良くなれない性格で、最初は人間にも警戒心むき出し。炎ちゃんはずっとひとりぼっちでした。投稿主さんたちは、炎ちゃんの暮らしを心配していました。
長い月日をかけ、炎ちゃんにごはんをあげ、声をかけ続けた投稿主さんたち。炎ちゃんは次第に人間には心をひらいてくれるようになりました。
野良猫軍団には約15匹の猫がいました。通い続ける間に、少しずつ保護を続けてきた投稿主さんたち。孤高の炎ちゃんですが、野良猫仲間が減っていくのをどのような気持ちで見ていたのでしょうか。
残るは炎ちゃんとパステルちゃんの2匹だけになりました。投稿主さんたちは、まず炎ちゃんの保護を試みます。捕獲器を用意して何日も粘りますが、賢い炎ちゃんは、なかなか捕獲器の奥まで入りません。
「今日こそ一緒に帰ろう」。Xデーとなるその日は、捕獲器ではなく、抱っこでキャリーに入れる作戦をたてました。ごはんを食べているところの首根っこをしっかりつかみ、抱っこでキャリーに入れるのです。もし逃げられたら信頼関係は一気に崩れ、保護はさらに難しくなるでしょう。失敗の許されない一発勝負です。
無事に作戦は成功!炎ちゃんは保護ハウスにやってくることができました。野良猫生活の長かった炎ちゃん、最初は緊張した様子でしたが、去勢手術も無事終わり、ケージの中でごはんをもりもり食べられるように。
そして、最後に残ったパステルちゃんも、すぐに無事保護することができました。
捨てられて山奥にやってきた炎ちゃん。以前、どのような飼われ方だったのかはわかりませんが、突然山の中に放り出されてどんなにつらい思いをしたでしょう。人間を信頼できるようになるまで2年以上の月日がかかりました。「もう不幸な猫は見たくない」――、投稿者さんたちは、愛護活動家が、啓蒙活動にも保護活動にも、みんなで使えるバスを購入しようと、新たな活動を始めています。
冬山でのつらいお外暮らしから、あたたかい屋内に入れた炎ちゃん。猫どうしの付き合いは苦手なようですが、投稿主さんたちのおかげで、人間には懐いている炎ちゃんなので「ずっとのおうち」が見つかる日も近いかもしれません。