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母が救った“下半身麻痺の猫”を迎えて「第2の子育て」 手作りスーパーカーでの” 爆走”や”猫砂遊び”にほっこり

母が救った“下半身麻痺の猫”を迎えて「第2の子育て」 手作りスーパーカーでの” 爆走”や”猫砂遊び”にほっこり

飼い主さんだけでなく、周囲の人々までをも自分の“ファン”にしてしまうほどの魅力を持っているのは、つか丸さん宅で暮らすグーちゃん。

グーちゃんは下半身麻痺。後ろ足を動かすことは難しいものの、過去には専用のスーパーカーを貰って、猛ダッシュを披露。

たくさんの人々に愛されながら、自分らしい日常を楽しんでいます。

母猫に置いていかれた子猫は下半身麻痺…

2024年5月、グーちゃんは母猫や2匹のきょうだい猫と共に飼い主さんの実家に現れ、その後、ひとりだけ置き去りにされてしまいました。

保護したのは、つか丸さんのお母さん。グーちゃんは怪我が見られ、腹水が溜まっている状態だったそう。動物病院へ連れて行くと、神経の損傷で後ろ足が動かないことが分かりました。

すぐ入院治療することになったため、家族は毎朝、病院から入る状況報告の電話にハラハラ。近況を聞き、「今日も生きている…」と胸をなでおろす日々を送りました。

後ろ足の麻痺は残ったものの、その後、グーちゃんは快方へ向かい、退院。しかし、次はお母さんが病気のため入院して手術を受けることに。グーちゃんはつか丸さん宅に引き取られました。

ネコ科の本能がウズウズ…猫砂をお腹にかけちゃえ!

つか丸さんは、使っていなかった息子さんの部屋をグーちゃんの専用部屋にしたそう。高所に登るのが好きなグーちゃんはダイブのような形で降りることになるため、危険性を考慮し、部屋にはキャットタワーを置かないようにしました。

でも、たまには遊びたいようなので、見ていられる時には別室のキャットタワーに登らせるようになりました。

グーちゃんは普段、オムツをして過ごしていますが、つか丸さんは猫砂の上で圧迫排尿させたり、こまめにお尻を洗ったりと、できる限り清潔感を保てるように配慮しています。

圧迫排尿後、つか丸さんは猫砂をかけて排泄物を隠してあげますが、グーちゃんは時折、自分で砂をかけたいという本能が働くそう。最近では猫砂を自分のお腹にかけるというユニークな遊びを見せてくれました。

小さな頃は猫砂を変えたばかりのトイレに入って遊ぶのが好きだったというグーちゃん。目を離した隙にできる猫砂の山は、グーちゃんが猫らしい暮らしを楽しんでいる証でもあります。



「第2の子育て」とも言える愛猫との日々

いつか急に歩き出すんじゃないか。そんな希望を持っているつか丸さんは毎日、グーちゃんの後ろ足をマッサージし、リハビリも行っているそう。走ることを忘れないよう、後ろ足を持って“ワニさん歩き”もさせています。

初めて“走ること”を経験させてくれた、スーパーカーは看護師の友人が100均グッズを活用して作ってくれたもの。

10分ほどで作ってくれた簡易的なスーパーカーでしたが、走る喜びを与えてくれました。

体が大きくなった今、貰ったスーパーカーはサイズが合わなくなってしまいましたが、つか丸さんは新しいスーパーカーをプレゼントしてあげたいと意欲を燃やします。

つか丸さんにとって、グーちゃんとの日々はまるで“第2の子育て”。他の同居猫ももちろんかわいいけれど、オムツ交換や排尿介助などが必要な分、一緒にいる時間が1番長くなるグーちゃんへの愛は募ります。

正直、大変なことはあるけれど、その分かわいさもひとしおです。

仕事から帰宅すると、真っ先にグーちゃんの部屋へ向かうのが、つか丸さんの日常。足音で気配を察し、ドア前で自分を待つグーちゃんの姿に目尻が下がります。

愛猫を想ってくれる母の友人にも日常を届けたい

そんな“グーちゃん愛”を抱いているのは、つか丸さんのお母さんも同じ。お母さんは、つか丸さんが送るグーちゃんの動画に癒されながら入院生活を乗り切りました。

看護師さんにも動画を見せていたそうです。グーちゃんに会うことを目標にして、入院治療を頑張っていました。

強い猫愛もあったからか、お母さんは無事退院。久しぶりの再会時、グーちゃんはお母さんの膝で安心して眠りました。

実家での光景

つか丸さんは今でもたまに、グーちゃんを連れて実家へ。そのたびにお母さんは孫を出迎えるかのように、グーちゃんとの再会を喜びます。

以前、3ヶ月間会えなかった時、母はすっかり忘れられ、威嚇されていましたが、それでもかわいくて仕方ない様子でした。

なお、グーちゃんのかわいさはお母さんの友人にも広まっています。最近ではお母さんのもとに友人たちから、「グーちゃんの動画を見せてほしい」とのリクエストが寄せられているのだとか。

つか丸さんは、お母さんの友人たちにもグーちゃんの日常を届けたいと思い、こうして取材を受けることにしました。

障害を持つ猫など、世間一般が思う「普通」からあぶれた子は譲渡先が決まらないことも多いもの。そんな現状があるからこそ、飼い主さんは様々な事情や背景を持つ子に温かい手が差し伸べられてほしいと願います。

知識がないまま、初めて障害のある子と暮らすことになった私でもお世話できているので、ハンディキャップを持つ子を迎えるハードルは想像しているより高くないのではないかと思います。

たくさんの人を笑顔にし、心を掴むグーちゃん。自分らしく生きるグーちゃんに、これからも多くの幸せが降り注ぎますように。