とある休日、早めにランチをしようと飲食店を訪れた飼い主さんはお店の入り口で、小さな猫を発見。子猫と見間違うほど小さなその成猫は、顔面傷だらけ。身を隠すこともできないほど、衰弱していました。
飼い主さんが話しかけても、猫ちゃんは返事をせず。自宅にはすでに2匹の先住猫がいたことから、飼い主さんは保護を躊躇しました。
そこで、猫自身に未来を決めてもらうことに。保護の準備をして戻ってくるから、助けてほしかったらここで待っていて…。そう声をかけ、一時帰宅をしたのです。
その後、猫ちゃんがいた場所に戻ると、衝撃の光景が。猫ちゃんは同じ場所で飼い主さんを待っていたのです。
猫ちゃんの意思を感じ取った飼い主さんは保護し、すぐに動物病院へ連れて行きました。顔の傷は、ヒセンダニによる皮膚病が原因。激しいかゆみに耐え切れず、猫ちゃんは血が出るほど、自分の顔を引っ掻いていたのです。
放っておくと命を落としてしまう可能性があったことを知り、飼い主さんは改めて保護できたことに安堵しました。幸い、猫ちゃんは他に大きな病気などはしておらず、帰宅後にはご飯をモグモグ。病院では、2歳未満であることも判明しました。
これからも強く生きてほしい。そう思い、飼い主さんは「おいしくてつよくなる」がキャッチフレーズのお菓子「ビスコ」から名前を貰い、命名。
ビスコちゃんは1週間ほどでケージから出られるようになり、段ボールでの爪とぎ法も習得。ご飯の準備をしていると足元へやってくるなど、食への執着心がかわいい姿も見せてくれるようになりました。
保護から1ヶ月後には顔の傷が治り、隔離生活は終了。大人しい性格だったからか、同居猫たちともスムーズに仲良くなれました。
しかし、その矢先、衝撃的な事実が発覚。なんと、ビスコちゃんは妊娠していたのです。保護した命が1匹だけではなかったことに飼い主さんは驚きましたが、専用の段ボールを用意してあげるなどし、お産場所を作りました。
優しい気遣いを感じながら、ビスコちゃんは無事出産。救われたからこそ、産めた命があったのです。
お母さんになったビスコちゃんは、子猫たちとどんなスキンシップを見せるでしょうか。微笑ましい光景が楽しみです。