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下半身麻痺だけど歩けたよ!「生きる」を楽しむハチワレ猫まめちゃん

下半身麻痺だけど歩けたよ!「生きる」を楽しむハチワレ猫まめちゃん

6月上旬、とある猫が見せた、ニャン生初の歩行は多くの猫好きさんを感涙させました。

前足を器用に使いながら、心に響く歩みを披露してくれたのはねこまささん宅で暮らすまめちゃん。

まめちゃんは出会った時すでに第7腰椎と仙骨が潰れたように骨折しており、下半身麻痺に。
飼い主さんはまめちゃんの足を気遣い、後ろへ伸ばすストレッチをこまめに行っていましたが、靭帯が突っ張っているため、いつも足はバネのように戻ってしまっていました。

ところが、今年の3月頃からまめちゃんはお尻をあげるように。

そして、6月には立ち上がる回数や立てている時間が多くなり、ついに6月25日、前足で体を支え、初めて自分の足でおうちの床を踏みしめました!

信じられない光景を目の当たりにした飼い主さんは驚愕し、胸が熱くなったよう。

ただただ、びっくりでした。このような体勢であれ、歩けるなんて思ってもみなかったです。すごいね~ってなでなでした時に込み上げてくるものがありました。

障がいを抱えながらも前向きに生きようとするまめちゃんと、その姿を温かく見守る飼い主さん。ふたりが共に歩んできたこれまでには、数えきれない涙と笑顔がありました。

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猫返し神社がもたらしてくれた「運命の出会い」

2年前の6月20日、普段通らない道を車で走行していた飼い主さんは、道路の端に子猫がいることに気づきました。子猫はお尻から出血しており、足が前に突っ張っている状態…。保護すべく、後続車に合図を送り、停車しました。

子猫は、助手席に乗っていた娘に確保してもらいました。もう抱き上げた時点で、うちの子に…と心は決まっていたように思います。

実は飼い主さん、まめちゃんと出会う半年前、急性腎不全により愛猫が逝去。8歳という若さだったこともあり、毎日、泣き暮らしていました。

そんな時、知ったのが、迷子になっていた猫が戻ってきたり亡くなった猫の生まれ変わりに出会えたりと、不思議なご利益がある「猫返し神社」。

無性に行きたくなり、GWに参拝しました。不思議なことに、まめが生まれたのはおそらくその時期。毎日泣き暮らしていた私を見かね、猫神様が出会わせてくれたのでは…と家族で言っています。

お迎え後、飼い主さんが最も試行錯誤したのはトイレ。まめちゃんは自力でトイレができなかったため、市販のペット用紙オムツを使用することに。

人間の赤ちゃん用オムツにしっぽ穴を開けて使うとコスパが良いと聞きましたが、まめはペット用のsssサイズでも大きかったので、その技は使えませんでした。

しかし、それでもオムツはフィットせず…。横やしっぽ穴から排泄物が漏れてしまい、掃除や洗濯に大忙しの日々。水道代が倍近くになったこともありました。

いつの間にかオムツが脱げていたことも多々あったので、フィットする方法や障がいがある子用のオムツはないのかと悩みました。

そんな状況が一変したのは、お迎えして5ヶ月ほど経った頃のこと。なんとまめちゃんは突然、オムツをしたまま自らトイレへ。

以前からトレーニングのため、シートを敷いたトイレトレーを用意してはいましたが、自らトイレに行くことはありませんでした。それなのに、その日は行ってくれて…。急いでおむつを取ると、シャーとおしっこ!めちゃくちゃ褒めました!

それ以来、まめちゃんはトイレで用をたすことが増え、やがてオムツなしで過ごせるように。

多分、膀胱にしっかり尿をためられるようになったのだと思います。トイレトレーを浅めのタイプに変更したり、数を2個に増やしたりしたこともよかったのかもしれません。

ただ、自力で全量を排泄することは今でも難しいため、飼い主さんはトイレ後に膀胱マッサージをし、残りを出してあげるのだとか。尿が出づらい時は圧迫し、排便を促すマッサージを同時に行うこともあります。

まめは、排便感覚はほとんどないようです。たまに走りながらうんちしていることがあるのですが、我が家ではそれを放便やダッシュうんちと呼んでいます(笑)

排泄介助が必要であっても、たまにおしっこが間に合わず失敗することがあっても「排尿感覚」がある。その事実に、飼い主さんは大きな喜びを感じています。

今ある日本語では表現できないくらい愛しい我が子

現在、まめちゃんは肝臓の数値がやや高いため、2~3ヶ月に一度、検査通院。

小さい頃は、獣医師さんにストレッチの指導もしてもらっていました。水分量やご飯などは先生と相談しながら決めています。尿や便がきちんと出ているかが重要だと言われました。

健常猫に比べて血流が悪いため、飼い主さんはおうちでしっかり運動ができるよう配慮。カーペットは薄いものを選ぶなど、足が引っかかりそうなものは家の中に置かないようにも心がけており、入り込んでしまいそうな狭い隙間は柵ではなく、プラスチックダンボールで塞いでいます。

でも、まめはいつからか机の脚などに引っかかりそうになると、自分で股関節からクイッと足を動かして避ける技を習得しました(笑)

年齢を重ねると新たな病気や排泄困難などが出てくる可能性はたしかにあるけれど、足が引っかからないように気をつけたり、高いところから落ちないように見守ったりする以外は健常猫とさほど変わらない――。飼い主さんはそう思いながら、まめちゃんとの暮らしを楽しんでいます。

愛おしい、大好き、愛してるなど今ある日本語では言い表せないほど、まめは大切な存在になっています。女の子なのに、ちょび髭と顎髭の柄があるところもかわいいです。

この2年間で、まめちゃんはできることがどんどん増え、階段も少し登れるように。

100均で購入したうさぎのぬいぐるみと遊ぶことも大好きで、ハウスに連れ込み、密会を楽しもうとすることも。

そして、もうひとつ大好きなのが家族に撫でてもらうこと。飼い主さんとのスキンシップ時にはよりデレデレになり、ゴロゴロ音だけでなく、フガフガと鼻息も鳴らして喜んでくれるのだとか。

あるがままの自分を受け入れ、力強く生きる愛猫…。その姿から教わることは、多くあったと言います。

実をいうと、助けた後、この子が辛いだけでは…とか、助けたことは本当に良かったのかとか、すごく悩んだ時期がありました。でも、元気いっぱい遊ぶ姿を見て、私は何を悩んでいたのかなと思ったんです。

上手に座位がとれるようになった。前足だけで早く動けるようになった。動かなかった尻尾の先端が動かせるようになった。そして、ついにはお尻を上げて、立って歩いてくれた…。そんな嬉しい進歩を目にするたび、飼い主さんは改めてまめちゃんを愛しく思うのだそう。

最初は不安だらけで目も離せず、無我夢中でしたが、障がいがあってもなくても、かわいい我が子には変わりない。まめちゃんが下半身麻痺であってもなくても、我が子に迎えていたと思います。まめは生きがい。私の全てです。

愛猫の死という、心に空いた大きな穴を塞いでくれたまめちゃんは今日もまん丸なお目目を見開きながら、様々なことに興味津々。

その隣には出会った頃から変わらない、飼い主さんの優しい眼差しがあります。