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両親の他界、離婚後を支えてくれた愛猫が「悪性リンパ腫」に… 絶望の中でも愛し続けた飼い主の記録

両親の他界、離婚後を支えてくれた愛猫が「悪性リンパ腫」に… 絶望の中でも愛し続けた飼い主の記録

あの子は楽しく愛らしく、オンリーワンな存在だった――。愛猫ばんばんちゃんとの思い出を、そう振り返るのは飼い主の減らず口は減らずさん。

ばんばんちゃんは14歳の頃に悪性リンパ腫と診断され、愛されながら天国へ旅立ちました。

ばんばんちゃん 看取り

あの子はただの猫じゃなく、ただの家族でもない。僕の中では“ばんばん”以外の何者でもないんです。

「結婚したら猫を飼おう」 交際中から決めていた愛猫の名前

飼い主さんは妻との交際中、「結婚したら猫を飼おう」と話し合っていました。他にはなく、語感が楽しくて愛らしい「ばんばん」という名前にしよう。

そう決めてから7年ほど経った頃、ペット可物件で新生活をスタート。入籍直前の2011年4月、動物保護ボランティア団体を経由して、ばんばんちゃんと出会いました。

新居で暮らす初日に妻が迎えに行き、生後4週間のばんばんがやってきました。

ばんばんちゃん 看取り

12年の交際を経て、夫婦となった飼い主さんたち。しかし、結婚から約1週間後に飼い主さんの母親が大病を患い、集中治療室に入院。父親も体調を崩し、1年後に逝去しました。

母は一命を取り留めたものの、意識不明の寝たきり状態になり、6年後に亡くなりました。

結婚直後から介護に追われたため、飼い主さん夫妻の間には埋められない溝が…。結婚から5年後、2人は離婚し、別々の道を歩むことになりました。



離婚後の支えは愛猫「この子たちのために頑張らなきゃ」

離婚後、飼い主さんは仕事の業績が下がり、ストレスから重度のパニック障害を発症。家から出られなくなり、1年ほど休職しました。

そんな時、心の支えになってくれたのは愛猫たち。ばんばんちゃんを迎えた後、ハチワレ猫のゼロくんも家族に迎えていた飼い主さんは、そばに寄り添ったり、無邪気にご飯や遊びをねだったりする愛猫の姿に癒されました。

ばんばんちゃん 看取り

笑いや喜び、涙がありました。この子たちのために頑張らなきゃと思いました。

ばんばんちゃんと暮らす中で、飼い主さんは猫の首輪を手作りするようになりました。きっかけは仕事から帰宅した時、首輪が猿ぐつわのようになり、大量の唾液を床に垂らして苦しむばんばんちゃんを見たことでした。

ばんばんちゃん 看取り

暴れるばんばんを抱き上げ、『ごめんね』と言い、泣きながら首輪をはさみで切りました。セーフティロックも付いてない、おしゃれでかわいいだけの高価な首輪を贈って満足していたことを、ひどく後悔しました。

猛省した飼い主さんは業務用ミシンを購入し、初めての裁縫にチャレンジ。かわいくて安全な猫用首輪を作るようになりました。

ばんばんちゃん 看取り

他の飼い主さんに同じ思いをしてほしくなかったので、「猫の首輪ばんばん」というショップ名でハンドメイドサイトにて販売していました。

知った時に余命宣告 14歳で判明した「悪性リンパ腫」

ばんばんちゃんは、自分の要求を我慢する心優しい子でした。優先するのは、いつもやんちゃな弟分ゼロくんの気持ち。

ゼロが寝静まると、ばんばんは子猫のように甘えてきました。お姉ちゃんを演じて背伸びをしてるけど、本当は子猫のような子でした。

ばんばんちゃん 看取り

穏やかな日々が一変したのは、2026年3月のこと。尿の色や嘔吐の仕方に違和感を覚え、動物病院を3回受診。診察結果は、異常なしとの診断でした。

ところが、約2ヵ月後の5月、足取りがふらついていたため、他院を受診。すると、悪性リンパ腫であることが判明し、余命宣告を受けました。

人前で号泣したのは初めてでした。今でも、評判のいい病院を信じ切っていたことや自分が無知だったことを後悔しています。

ばんばんちゃん 看取り

お金はいくらかかってもいい。そう思い、一縷の望みをかけて、週3回の抗がん剤治療をスタート。しかし、治療開始から約1ヶ月後、ばんばんちゃんは体温が33度まで低下し、後ろ足が動かなくなりました。

病院で『恐らく、今晩だと思います』と言われました。でも、ばんばんはその状態で3日間も頑張ってくれたんです。

命が尽きる最期まで「頑張れ」と叫び続けた

亡くなった日、ほぼ眠っている状態だったばんばんちゃんは突然、飼い主さんの顔にチョンチョンとタッチ。それから2~3分後、息苦しそうにのけ反る発作が、15分に1回起きました。

ばんばんちゃん 看取り

気道を確保できるよう、首の角度を調節しました。苦しさからか、ばんばんは自分の顔に食い込むほど爪を立てました。僕にできたのは、泣きながらクリアファイルでエリザベスカラーを作ってあげることくらいで…。

発作が始まってから4時間ほど経った頃、ばんばんちゃんは目を閉じ、「くぅ~」と鳴きました。飼い主さんは看取りを覚悟しましたが、ばんばんの胸に耳を当てた時、自分の考えを恥じたと言います。

心臓はまだ、力強く動いていたんです。この子は今も、生きようと戦っている。何を分かった顔して諦めてたんだ、俺は…と思い、「頑張れ!」と何度も叫びました。

ばんばんちゃん 看取り

しかし、再び発作が起き、ばんばんちゃんはむせるような咳をして息を引き取りました。

自動給餌からフードが… 愛猫の死後に起きた不思議な体験

ばんばんちゃんが息を引き取った後、飼い主さんは不思議な体験をしました。悲しみに暮れながらも出勤の準備をしていると、給餌設定していない自動給餌器が音を立て、2粒のフードを吐き出したのです。

ばんばんちゃん 看取り

驚いてスマホで設定を確認しても、オフラインで給餌設定はなし。息を引き取るまでの3週間、飲まず食わずだったからか、それとも僕とゼロに1粒ずつくれたのか…。怖さはなく、涙が出ました。

両親を亡くし、身寄りのない自分が骨壺を持って帰っても、いつか廃棄されてしまう。そう思った飼い主さんは、ばんばんちゃんの遺骨を慰霊碑に納骨。メモリアルアクセサリーに入れる分だけを持ち帰り、バッグチャームを製作しました。

ばんばんちゃん 看取り

でも、紛失が怖くて使えていません。もう二度とばんばんを失いたくないから、大事に大事に保管しています。

自分が無知でなかったら…。もっと早く、セカンドオピニオンをしていたら…。そんなもしもを考え、自分を責め続けている飼い主さんは今も、ばんばんちゃんを亡くした痛みとの向き合い方を模索しています。

ばんばんちゃん 看取り

尊い命を失った喪失感をまっすぐ受け止め、今も愛猫を愛し続けている飼い主さん。その誠実な愛情は生前も死後も、ばんばんちゃんの心にしっかりと届き続けていることでしょう。