漫画家のこんこさんは、もうすぐ3歳になる女の子の猫、こじかちゃんの飼い主さんです。
こじかちゃんは、歩行器なしでは、ふらついてまっすぐ歩くことができません。
なにかしたいと思って力を入れると、頭が揺れてしまいます。
生まれつき、小脳に障がいがあるのです。
こじかの獲物を狙ってる時黒目が9.5割になって、集中して顔がブルブル揺れちゃうのと、力が入りすぎて顔がムチャァ〜!ってなるところ本当に可愛くて好き🥹#小脳障がい#猫 pic.twitter.com/VLXEVeThrg
— こんこ@小脳形成不全こじか (@arareyakoi) January 7, 2023
でも、こじかちゃんはとっても元気!
自分らしい幸せな日々を送っています。
歩行器にのったこじかちゃん
障がいが判明…「わたしが幸せに」
こじかちゃんは、こんこさんのお姉さん夫婦が保護した妊婦猫ちゃんから生まれた3匹のうちの1匹でした。
生後2週間くらいで他の子猫たちと一緒に歩き始めたものの、立っては転び、まっすぐ歩けず…。
病院に連れて行くと、猫汎白血球減少ウイルスに感染することで小脳に異常が生じ動きに支障が出る「小脳形成不全」と診断がつきました。
だれがどう見てもこの子は何か障がいがあるとわかるくらいには他の子と違いました。病院に行く前からネットでいろいろと調べていたのですが、それなりにショックでした。
生後すぐのこじかちゃん
障がいのある子猫を育てるには、誰かが在宅していて、お世話ができる状況でないといけません。
お姉さん夫婦は共働きのため、一瞬、譲渡の道も考えたものの…。
障がいのある子猫のお世話が、普通の子の何倍も大変なことは予想がついたので、譲渡先でもし愛情をもらえなかったらどうしようとか、雑な扱いを受けたらどうしようと心配になってしまいました。在宅で仕事をしているわたしなら、この子を幸せにできるかもしれないと。何より本当に天使のようにかわいい子だったので、育てたい気持ちも強かったです。
歩行器は「いいことがある場所」に
こうして、犬や猫などたくさんの動物と暮らすこんこさんの生活に、こじかちゃんが加わりました。
こんこさんは、こじかちゃんが1歳になるころから、できることは自分で行動しようとしていることに気づきます。
そこで、インターネットで調べ、猫用の歩行器を自作。
こんこさんお手製の歩行器
最初こそ乗せると嫌がることもありましたが、毎日歩行器に乗せてごはんとおやつをあげるようにしていたら、歩行器に乗ればいいことがある!とわかってくれたようで、今では歩行器を見ると寄ってくるようになりました(笑)。
そんなこじかちゃんに、今度はプロの手によるオーダーメイドの歩行器をプレゼント!
納車当日。Enjoy car life!
新しい歩行器は安定感抜群!
方向転換も簡単にできるようになりました。
誤嚥をしないよう、食事はオーダーメイドの歩行器の上で、運動が必要なときは手作りの歩行器でと、使い分けをしているそう。
居心地がいいのか、歩行器の上でウトウトすることも!
歩行器…大好き…むにゃむにゃ
歩行器で訓練を続けるにつれ筋肉がつき、だんだんと段差や椅子の上にも自分で乗れるようになったこじかちゃん。
こんこさんの姿を見ると頼って鳴き声をあげるものの、こんこさんがいない時には自分でできることを増やしていっているそう。
ウェエエエエエエィィィィ!?!?!?
なんでそこ乗ってるの!?!?!?
こんな高いところひとりでできるもんしたの!?!?!?!?🥹 pic.twitter.com/ENwj8iux8y— こんこ@小脳形成不全こじか (@arareyakoi) November 26, 2022
こんなチャレンジャーな部分を見せるので「こじかはなんでもできるから、いろんなことをやってみていいんだよ」という気持ちで、どんどん積極性を伸ばしてあげたいです。
頼れる妹カジカちゃん登場
そうやってできることを増やしていたこじかちゃんの生活に、頼れる助っ人が現れました。
それが、こじかちゃんの後に保護されたカジカちゃん。
手前がカジカちゃん
小さなヘルパーさん#小脳障がい #猫 pic.twitter.com/YWNnyfrPtf
— こんこ@小脳形成不全こじか (@arareyakoi) May 25, 2022
カジカは子猫の時にお迎えしたので、こじかが他の猫たちと違う動きをしていても、それが普通だと思ってくれたみたいです。でも、こじかがリビングで困って鳴いている時はいつも隣にいてくれるし、トイレで砂をかけられないこじかの代わりに砂をかけてくれます。本当にお姉ちゃん思いの優しい子です。
そんな優しい妹にも恵まれたこじかちゃん、ひとつ飼い主さんが悩みに悩んだのは、避妊手術のことでした。
かかりつけ医に、小脳障がいのため麻酔の影響がどう出るかわからず「避妊手術はできない」と言われたのです。
しかし、発情期の症状は思った以上に重いものでした。
1日中鳴いて食欲が出ず痩せていき、体を引きずりながらあちこち移動していて…。かわいそうで見ていられませんでした。
発情期が治まったので数日ぶりに熟睡するこじちゃん☺️よかったね〜
わたしも今日は熟睡だ〜💤 pic.twitter.com/QBFMIlqTf9— こんこ@小脳形成不全こじか (@arareyakoi) January 4, 2022
そこで、こんこさんはこじかちゃんを連れて脳神経外科専門の病院を受診。
「脳障がいがあっても全身麻酔はかけられるが、まれに心臓が弱い子がいる」と聞き、さらに循環器内科専門の病院へ。
そこで心臓の診察を受け「全身麻酔は問題ないから避妊手術OK」とのお墨付きをもらいました。
個体差はあると思いますが、こじかは麻酔手術をすることができたので、もしこじかと小脳障がいで同じ悩みを持っている方がいたら、その方にこの情報が届くといいなと思います。
ありのままの姿で愛し愛される尊さ
もうすぐ3歳になるこじかちゃん。
とっても好奇心旺盛な女の子に育っています。
赤ベコもらったので猫パンチしたら揺れてかわいいかなって思ってやってみたんだけどそこまでやれとは言ってない…😂 pic.twitter.com/Q3Mkw4XFu7
— こんこ@小脳形成不全こじか (@arareyakoi) October 27, 2022
時にはこんこさんのカンガルーポケットのついたパーカーで抱っこしてもらって過ごすことも。
ずっと欲しかったにゃんガルーパーカー2をやっと買いました🐈
これならこじかを抱っこしながら日常生活も仕事もゲームもできる!つくりが丁寧で丈夫でこじかみたいなハンデがある子でもかなり安心デザイン🥹さすがゲーマー用のパーカーだ…🎮 pic.twitter.com/MtcK327VS0— こんこ@小脳形成不全こじか (@arareyakoi) November 5, 2022
こじかちゃんのことを「我が子のように愛しいです。世界一幸せな猫にするぞという気持ちで育てています」と語るこんこさん。
こじかちゃんの幸せそうな写真からは、ありのまま姿で愛し愛されることの尊さが伝わってきます。