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看取る覚悟で保護した“1匹狼タイプ”の野良猫が「奇跡のV字復活」 末期ガンで旅立つまでの“家猫生活”が愛おしい

看取る覚悟で保護した“1匹狼タイプ”の野良猫が「奇跡のV字復活」 末期ガンで旅立つまでの“家猫生活”が愛おしい

2025年1月8日、ひとつの命が愛されながら、お空へ旅立ちました。飼い主のこんこさんが見送ったのは、愛猫じゃじゃくん。

じゃじゃくんは、元野良猫。最期まで自分の足で歩き、家猫としてニャン生を全うしました。

看取る覚悟で衰弱した“一匹狼タイプ”の野良猫を保護

出会いは、2020年。じゃじゃくんは、こんこさん宅にご飯を貰いにくるようになりました。痩せてはいなかったものの、よく怪我が見られたじゃじゃくん。こんこさんは、きっとボス猫なのだろうと思っていました。

何度か保護や治療を試みましたが、じゃじゃくんは気が強く、触ろうとすると威嚇。引っ掻かれる日々が続きました。

ところが、真冬のある日。道路でうずくまり、動けなくなっているじゃじゃくんをこんこさんのお母さんが発見。

衰弱していて長くは持たないように思えたそうです。せめて温かいところで看取ってあげようと考え、連れ帰ってきました。

保護当初、じゃじゃくんは疥癬(かいせん)という皮膚病を患っていたそう。顔はハゲており、傷だらけでした。おしっこが出なかったため、翌日すぐに動物病院へ。血液検査をすると、エイズキャリアやアレルギー体質であることが分かり、腎臓の数値も悪かったそう。

おそらく、長くは持たない。医師からそう告げられ、家族は自宅での点滴方法を学び、帰宅。看取る覚悟で、じゃじゃくんを看病し始めました。

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瀕死状態から“奇跡のV字復活“

ところが、その後、嬉しい奇跡が…。なんと、じゃじゃくんの体調は日に日に快方へ向かい、おしっこもできるように。自宅での点滴も1回のみで済みました。

一緒に暮らす中では、性格も変化。人を寄せ付けない一匹狼タイプから、大人しく甘えん坊な子に様変わりしたのです。

何をされても怒らず、同居猫のブラッシング中には割り込み、寝転んで『俺をブラッシングしろ』と甘えてきました。

貫禄ある顔からは想像ができないほど鳴き声がかわいいことや、家族が歩いている時に走って追い抜かし、目の前で倒れて「撫でろ」の催促をする姿など、こんこさんは一緒に暮らす中でじゃじゃくんの愛くるしさをたくさん知りました。

なお、野良猫歴が長かったじゃじゃくんは完全室内外ではストレスが溜まってしまうため、日中はお外で散歩。自分らしい生活を満喫していました。

ところが、穏やかな日々は、2024年12月に一変。じゃじゃくんにガンが見つかったのです。

家猫生活4年目に「末期のガン」が発覚

病気に気づいたきっかけは、もともと食いしん坊だったじゃじゃくんの食欲が低下したことでした。心配になり、動物病院へ行くも、すでにガンは末期。

血液検査などは定期的にしており、特に問題はありませんでした。エイズキャリアだったこともあって、進行が早かったのかもしれません。

発見時、ガンは内臓に転移しておらず、処方薬の服用によって一時は腹水がなくなり、元気も出てきたそう。しかし、日に日に食欲が低下。大好きなお外にも出られなくなっていきました。

少しでも栄養をつけてもらいたい。そう思った家族は、食事を試行錯誤。動物病院では、抗生剤や吐き気止めを投与してもらいました。

また、同居猫のロマくんも、じゃじゃくんを気遣ってくれたよう。これまで同居猫たちはじゃじゃくんと眠ることはありませんでしたが、ロマくんはある日、突然そばへ行き、顎を乗せて一緒に眠ったのです。

イケメンでドジっ子な元保護猫のロマくん

温まりたいだけだったのかもしれませんが、じゃじゃが他の猫と一緒に眠る光景を初めて見たので、すごく嬉しかったです。

家族の優しいケアを受けたからか、その後、じゃじゃくんは2日間ほどご飯をガツガツと食べてくれたそう。

姪っ子さんとじゃじゃくん

嬉しくて涙が出ました。お外に出たいと勝手口までヨロヨロ歩いて向かったので、やりたいことをやらせてあげたいと思い、お庭で一緒に日向ぼっこをしました。

家族に見守られて穏やかに「虹の橋」へ

しかし、2日後の年末、口を大きく開け、深呼吸をするように眠るじゃじゃくんを見て家族は最期の時が近いことを悟りました。

妹はじゃじゃを抱っこして、網戸越しに大好きな外の匂いを感じてもらおうとしていました。何度か呼吸をした後、じゃじゃは眠るように動かなくなりました。

もちろん悲しみはありましたが、これまでに何匹もの犬猫を看取った経験があるこんこさんは、じゃじゃくんが穏やかな最期を迎えられたことに安堵したそう。

会いたいですし、いつもいた場所を今でも無意識に見てしまいますが、あまりにも理想的な旅立ち方でした。

早く生まれ変わって、またうちの子になって。じゃじゃくんに、そんなメッセージを贈るこんこさん。そのラブコールはきっと、天国まで届いていることでしょう。