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奇跡のチビ猫!小猫症の病気を抱えながらも天使のように癒しをくれる子猫のような成猫

奇跡のチビ猫!小猫症の病気を抱えながらも天使のように癒しをくれる子猫のような成猫

様々な病気と懸命に戦っている猫ちゃんはたくさんいますが、中には珍しい小猫症(ドワーフキャット)と呼ばれている病気と向き合う小さな体の猫ちゃんがいます。

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空き缶と変わらないほどのサイズ感と豊かな表情がキュートですね!



まるで妖精のようなこちらの猫ちゃんは「うりえる」くんという名前の男の子で、生後10ヶ月
同じ生後10ヶ月の猫ちゃんの平均体重はおよそ3~5キロであるのに対して、うりえるくんは1.2キロという小柄ボーイなのです。
うりえるくんの体重がこんなにも軽い理由は、「小猫症」という病気に関係があります。

小猫症(ドワーフキャット)とは?

小猫症とはホルモンの異常によって引き起こされ、人間の小人症と同じような症状がみられる病気です。
小猫症を持って生まれてきた猫は、大人になっても子猫ほどの大きさにしかなれないそう。
人間であれば、ホルモン注射を打ったりすることで治療を目指していく場合もありますが、猫に対してホルモン注射を打つことはしていないので、いまの段階では治療法がない病気だともいわれています。
また、日本での症例がかなり少ないため、知名度もあまりなく、まだまだ分からないことがたくさんある謎の多い病気でもあるのです。

海外には、そんな小猫症という障害を抱えながら世界中の人に愛されている2匹の猫ちゃんたちがいます。

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出典:Instagram

仲良く寄り添う姿がとても微笑ましい、この「エルフィー」と「ギムリ」という2匹は生まれつき小猫症を抱えていたため、カナダのアルバータ州にある保護施設に捨てられていたそう。
しかし、この保護施設で小猫症に関する知識を持ちながらボランティアをされていた方が2匹に一目惚れをし、里親になってくれたとのことでした。
エルフィーとギムリは、小猫症の以外にも疾患を抱えているそうなので、他の猫よりも健康には十分注意しなければいけないそうですが、現在は同居している犬や猫に囲まれながら、こんな風に幸せな猫生を送っているようです。

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出典:Facebook

愛情溢れる優しい光景は、私たちの心に強く響くものを持っているように思えますね。

出会いから小猫症に気づくまで

そんな珍しい小猫症という病気を抱えた、うりえるくんとの出会いについて飼い主さん(@uri_0707)にお聞きしました。

私が夕方頃に子供と家に戻るときに、ずっと子猫の鳴き声が聞こえていました。
辺りを探したのですが見当たらず声も聞こえなくなったので、私は家に戻りました。
ですが、夜にベランダにでて花に水をやろうとしたときに、また子猫の鳴き声が聞こえました。
時間は夕方からは4時間程たっていました。
もう一度家を出て辺りを探しましたがどこにも見当たらないのですが、さっきよりもより一層大きな声で鳴いていたので場所が大体特定できました。
しかしそこは誰も住んでいないさびれた家の中のようでした。
塀の内側で鳴いてるのかなと思って近くの階段に登って様子を見ようとすると、なんと子猫はその家の屋根の上にいました。(2メートル半くらいあります。)
いまにも落ちそうなくらい端っこで転がって鳴いていました。
急いで近くのポールによじ登り子猫を拾って家に連れて帰りました。その日は台風の前日で少し肌寒かったので急いでタオルに巻いて温め、夜も遅かったので近くのスーパーで粉ミルクを買って飲ませようとしましたが全く飲みませんでした。
次の日の朝一に動物病院にいき猫用のミルクをもらいにいきましたが自分では飲めないようなのでシリンダーであげようしましたがそれでも上手に飲めませんでした。

こちらが保護直後のうりえるくん

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こんなか細い体を見ていると、思わず守ってあげたくなってしまいますね。
台風の前に保護をしてもらえて、きっとうりえるくんもホッとしたことでしょう。

そして、うりえるくんが生まれながらにして障害を抱えていることに飼い主さんが気づいたときのことについてお聞きしました。

ちょうどうりを拾ったのと同じくらいに知人が子猫を拾いました。
拾ったときは体重も同じくらいだったのが、2ヶ月たったくらいの写真をみて驚きました。
うりとは全然ちがって大きかったのです。
私は子猫を飼ったことが無かったので成長するスピードを知りませんでした。
というか子猫がどういうものかあんまりよくわかってませんでした。
動き回ることはほとんどなく寝てばかりで私の隣で一日中寝てました。
週一で病院に通っていても、うりちゃんはちっちゃい子だからとしか言われたことがなかったのですが、あるときネットで子猫の平均体重を調べてみて驚きました!
ミルクからご飯にしてだいぶ食べるようになったというものの体重は半年の時点で1キロもありませんでした。
そして、小さい猫を調べていくと小猫症、ドワーフキャットという言葉を知りました。
先生にきくと、たぶんうりちゃんはドワーフキャットだと思いますと言われました。
日本では症例はかなり少なく、ネットで自分で調べてみても本当に数少なかったのですが、エルフィーとギムリという双子のドワーフキャットとうりが全く同じような大きさだったので、そこで私も確信しました。

同じ頃に生まれた左が「うりえる」くん、右「知人の猫」の生後3ヶ月頃の比較

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飼い主さんによると「一方は猫で一方はねずみくらいだったので、こんなにも体格差があるのかとびっくりしました」とのこと。
体型だけでなく顔つきにも子猫らしさ感じるような気がしますね!

ちなみに「うりえる」という名前は、初めてうりえるくんを見たときにウリボーのような柄だと思い、「ウリエル」という天使から名前を貰って名付けたそうです。

少しずつ成長を続けるうりえる

保護されたときは170gしかなかったそうで、病院で貰った猫用ミルクも自力では飲めなかったそう。
しかし、ミルクからウエットフードに切り替わるとこうして体重は順調に増加してくれたそうです。

170g 〜 1kgになるまでの経過

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だんだんとうりえるくんの表情がリラックスしていっているのは、飼い主さんからたくさんの愛を貰っている証しですね。
その後、うりえるくんの体重は1.2キロまで増え、そこからは体重の増加も体の成長も止まっているそう。

そんな状況の中でも、負傷した左目はだんだんと綺麗に治ってきたとのこと。

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まんまるなおめめになって、よりキュートさがUPしたように感じますね!

こんなうりえるくんのことを飼い主さんが周りの人に話すと「あまり長く生きられないね」と言われるそうですが、飼い主さん自身は真逆の考えで「みんながびっくりするくらい長生きしてもらおう!」と思っているそうです。
このポジティブ思考な飼い主さんの思いは、うりえるくんにもちゃんと届いているような気がしますね!

そんなうりえるの普段の性格は、「ぼーちゃん」とのこと。
子供に触られたり帽子を被せられても嫌がらずに、いつもぼーっとしているそうです。
なので、時にはこうして大人しく手袋を身につけてくれることも。

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ちょこんと揃えられたおててがとても愛らしいですね!

しかし、そんなうりえるくんが豹変するのがご飯の時間で、あげたらあげた分だけペロリとたいらげてしまうそう。
あるときは、こうして怒りながら食べていることもあるみたいです(笑)

野良魂を存分に発揮した食事風景は、ユーモアたっぷりですね。
そして、食事が終わるとこんな風に満足気な表情を見せてくれることもあるよう。

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ペロっと舌なめずりをする様子に、胸がキュンとしちゃいますね!

こんなご飯好きなうりえるくんですが、病院の先生に「満腹中枢がおかしいかもしれない」と言われているため、ごはんの量を調整しながら与えているそうです。
また、骨盤が狭いため便秘をよくしてしまったり、舌が短いせいか飲み物があまりうまく飲めないために、こうしてシリンダーで水をこまめにあげたり、専用のお薬を毎日飲ませたりしているとのこと。

きちんとお薬をのんでくれるうりえるくんは、とってもいい子ですね!

そして、どうしても便が出ないときは浣腸に連れていくことあるようで、浣腸が苦手なうりえるくんは病院で怒ったりするそうです。
こうした飼い主さんの細やかなサポートがあるのも、うりえるくんが安心して食事タイムを楽しめる秘訣なのでしょうね。

旅行を楽しむうりえる

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うりえるくんと飼い主さんは時々、一緒に旅行にもいくそう。
以前、飼い主さんは信頼できるお友達にうりえるくんのお世話を任せて、ハワイに旅行したことがあったそうですが、置いてきたうりえるくんのことが心配で旅を心ゆくまで楽しめなかったそうで、それ以降はうりえるくんがいけないところには当分行かないと決めているとのこと。
現在は、まだまだペット可のホテルが少ないため、行き先は京都など車に乗って日帰りで行けるようなところを選んでいるそうです。
車内にはうりえるくんがおしっこできるよう、砂を大きなタッパーにいれているので、休憩を取りながらトイレをしてもらったり、シリンダーから水飲んでもらったりしているとのことでした。

そして、旅行中のうりえるくんは飼い主さんのカバンの中で寝ていることが多いそうですが、時にはこうして自然を満喫することもあるみたいです。

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気温の変化にちょっぴり不満を持つうりえるくんもキュートですね。
さらに、いちご狩りのときは取れたてのいちごをおすそ分けしてもらうことも!

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いちごはお気に召さなかったそうですが、白い花冠を被ったうりえるくんは、本当に天使のような可愛さを振りまいていますね。

また、ペット可の旅館に泊まったときは、こうしてカニになりきってくれることもあったみたいです。

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うりえるくんが見せるお茶目な様子にこちらも笑顔を貰えますね。

カフェウリエルをオープン!

うりえるくんへの深い愛を抱いている飼い主さんは、家に置いたまま働きにでることを不安に思ったため、これを機に夢だったカフェを大阪梅田駅近くに開店したそうです!!

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しかし、うりえるくんは知らない人に触られると不安になってしまうので、ストレスを溜めさせないために猫カフェにはせず、カフェに在中してもらう形にしているようです。
そんなうりマスター(うりえるくん)がいる「カフェウリエル」はお店のロゴも猫!

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このキュートなロゴは、飼い主さんいわく「天使のように癒しを与えてくれるうりえるをイメージしながらデザインした」とのことでした。
そして肝心のうりマスターは、カフェではこうしてクッションの中で眠っていることが多いそう。

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幸せそうな寝顔を見ていると極上の癒しをもらえそうです!

こちらのカフェに行けば、うりマスターに逢えるそうなので、気になる方はお店の情報が配信されているカフェウリエルをチェックしてみてくださいね。
ただし、うりマスターが可愛いからといって、勝手に触ったり、抱っこをしないよう優しく見守ってほしいとのことなので、気を付けましょうね。

最後に、飼い主さんからうりえるくんへの思いを伺うと「毎日朝起きてうりが隣で寝ていると、今日も幸せだなあと実感させられます。出会えて、私のところに来てくれて本当に幸せだと感じる」と語っておられました。
そんな飼い主さんだからこそ、うりえるくんもこうして思う存分甘えられるのでしょうね!

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また、「普通の猫のような生活はできないけれど、この小さな天使の小さな命を他の人にも知っていただけたらいいなと思う」ともおっしゃっていました。

小猫症(ドワーフキャット)というハンデ抱えながらも懸命に生きるうりえるの姿から学ぶことは多いような気がしますね。
ぜひ、これをきっかけに小猫症という病気を正しく理解しながら、うりえるくんと飼い主さん(@uri_0707)が繰り広げる素敵な日々を一緒に見守ってみてはいかがでしょうか。