2022年4月に滋賀県長浜市にオープンした保護猫カフェ「にゃんずはうす」には、里親を待っている猫ちゃんがたくさん。オーナーさんは、様々な事情で人を怖がる猫たちに愛情を注ぎ、人馴れ訓練を行っています。
カフェで暮らす、ベンガルのゼロノスくんも人をひどく怖がっていたよう。ゼロノスくんは、元繁殖猫。心に大きなトラウマを抱えており、人を激しく警戒していました。
ゼロノスくんは、繁殖場で繁殖を強制させられてきた子。過酷な環境で過ごしてきたため、人が近づくと激しく威嚇。震えて怯えることもあったそうです。
そんなゼロノスくんと距離を近づけるため、オーナーさんはおやつを使ってスキンシップ。
しかし、1週間ほど経っても、ゼロノスくんの態度は変わらず。猫用おやつのちゅ~るを口にするまでにも時間がかかりました。
2週間後、オーナーさんは少しずつゼロノスくんの人馴れ訓練を始めていくことに。まず、人に触られることに慣れてもらうため、毎日、声をかけながら優しくナデナデ。
ゼロノスくんは人の手を怖がるものの、噛むことはない優しい性格でした。
触れることに慣れてもらった後、オーナーさんは他の猫がいるフロアにゼロノスくんのケージを移動。愛情のこもったナデナデを継続し、他猫がいる猫カフェの環境に慣れてもらうことにしました。
ゼロノスくんは、少しずつ人に撫でられることに気持ちよさを感じられるようになり、1ヶ月経つ頃には、うっとりとした顔をみせてくれるように。
そんな様子を受け、オーナーさんはゼロノスくんをフロアデビュー。しかし、環境が変わったため、ゼロノスくんは再び人を警戒するようになりました。
それでも、オーナーさんは根気強くゼロノスくんとスキンシップをとり、猫カフェという環境に慣れてもらえるように努力。
すると、オーナーさんの愛は通じ、人馴れ訓練を開始して約2ヶ月が経過する頃、ゼロノスくんはフロアでも落ち着いて撫でられるように。
目を細め、気持ちよさそうな顔を見せてくれるようになったのです。
ゼロノスくんはへそ天を見せ、体を撫でさせてくれることもあるよう。おもちゃで遊んだり、自ら撫でられに行ったりと、第2の猫ライフを謳歌しています。
心が壊れるほどのトラウマを経験したのに、もう一度、人を信じてくれたゼロノスくん。彼のニャン生にこれから多くの笑顔が溢れることを願うと共に、命を物として扱う劣悪な繁殖業者をなくすため、自分にできることは何かと考えたくもなります。