保護猫活動をしているメーガンさん。ある日、保護活動の中で、痩せて様子のおかしな子猫を保護しました。
毛がおかしな青色にこびりついているのです。皮膚にはかさぶたや傷、骨と皮だけの痩せた子猫は、衰弱していましたが、とても人懐っこい様子を見せるのでした。
初期医療にかけたあとは、まず被毛を洗う必要があります。メーガンさんは猫に安全なオイルや洗浄剤を何種類も試しましたが、青色は落ちません。「染められたかペンキを塗られたかだわ」。メーガンさんは心底から怒りに震えていました。違法な闘犬場では、生きた子猫を闘犬の餌にする際、染めたり塗ったりするのだと聞いていたからです。
「ひどい人間のせいで…本当にごめんね」。メーガンさんは子猫を抱き上げ、こびりついた毛を丁寧にカットしていきます。その作業には6時間もかかったそう。「元気になってね」の願いをこめて、ムーくんと名付けました。
ムーくんは日増しに元気になっていきました。毛並みはまだ不揃いですが、仲間の猫ちゃんと楽しそうに遊んでいます。人間のことも大好きで、メーガンさんをとても信頼してくれているのです。
しばらくして、ムーくんの毛は生えそろい、ふわふわの毛並が復活しました。甘えん坊だけれど、立派で健やかな10カ月の猫ちゃんに成長したのです。
いま、ムーくんはメーガンさんのもとで「ずっとのおうち」探しをしています。「ムーは愛情深い子よ。愛と深い絆を感じたい人は、きっとムーを好きになるわ」。
とんでもない運命からすんでのところで助かったムーくん。幸いなことにムーくん自身にその記憶はなさそう。これからは新しいふかふかの毛皮で幸せな猫生を歩いていきます。