台風の翌日に保護！母猫が置き去りにした“生後1日”の赤ちゃん猫が身体能力の高い大人にゃんこに

食が細く、弱々しかった子猫がこんなにも立派に成長してくれた…。そんな喜びを噛み締めているのは、寿々ママさん。

愛猫の寿々ちゃんは、生後1日で保護された子。たくさんの愛情を注がれ、身体能力の高い甘えん坊さんに成長しました。

台風の翌日に置き去りにされた赤ちゃん猫を保護

寿々ママさんの実家は、地域猫が何匹かいる住宅街にあります。2022年9月16日、台風が来ている中、実家の近くで野良猫が子猫6匹を出産。母猫は台風が過ぎ去った翌日、1匹の子猫を置き去りにして姿を消しました。

その子こそが、後に飼い主さん宅に迎え入れられる寿々ちゃん。

近所の人に保護され、1週間後、ミルクボランティアをしている飼い主さんの実家にやってきました。

赤ちゃん猫の寿々ちゃんは、まだ目が見えておらず。ミルクを吸う力は弱く、飲む量も少なかったため、両親は交代でこまめに授乳。なんとか、無事に育ってほしいと願いました。

優しい努力によって、寿々ちゃんは生後2ヶ月に。体重は800gと小柄でしたが、命の危機からは脱することができました。

弱々しいと思っていた子猫の身体能力に仰天！

その頃、ひとり暮らしをしていた飼い主さんは猫と暮らしたい気持ちが強くなっており、里親募集サイトを閲覧。しかし、一人暮らしであることから譲渡条件を満たすことが厳しく、お迎えを諦めかけていました。

そんな時、お母さんから寿々ちゃんや兄弟猫の話を聞いたそう。

このチャンスを逃したら、きっと一生猫を飼うことができない。これは運命だ。そう思った飼い主さんは里親に立候補。兄弟たちは猫風邪がひどく、治療に時間がかかるため、最初に保護した寿々ちゃんを受け入れることに。移動に耐えられる生後2ヶ月になってから、実家までお迎えに行きました。

寿々という名前は、「健康で長生きしてほしい」という願いを込めて、お母さんが命名。引き取り時、「子猫で名前をまだ覚えていないかもしれないから、変えてもいいよ」と言われましたが、呼ぶと反応する姿を見て、そのままの名前で育てていくことにしました。

弱々しかった寿々ちゃんは飼い主さん宅で暮らすうちに、意外なギャップを披露。登れなくても下段にあるハンモックに乗って楽しめるだろうと思って購入したキャットタワーを、なんなく制覇！秘めていた身体能力の高さを見せつけました。

これには、実家で何匹もの猫と暮らしてきた飼い主さんも仰天。

飼い主として認められている…避妊手術の時に感じた「家族の絆」

寿々ちゃんは生後6ヶ月まで、ご飯の好き嫌いが激しく、食べる量が少なかったため、なかなか体が大きくならず。しかし、今では5kg弱と立派に成長してくれました。

体は大きくなったものの、心はずっと子猫のまま。大人になった今でも、名前を呼ぶと短い返事をして駆け寄ってきたり、お気に入りの毛布を毎晩フミフミしながら吸ったりとかわいい姿を見せてくれます。

だからこそ、飼い主さんは日々、愛情を持ってスキンシップ。その愛は寿々ちゃんの心にちゃんと届いており、「仕事に行ってくるね」と言うと怒って手を噛んできたり、帰宅後は撫でる前から喉を鳴らしてスリスリしてくれたりと、甘えん坊な姿をたくさん見せてくれています。

避妊手術の時には飼い主さんとの絆がよく分かるハプニングも発生。生後6ヶ月頃、避妊手術のため2泊3日入院させると、2日目の夜、病院から電話が。もしかして、何かあったのでは…と思い、告げられたのは予想外の言葉。

手術は無事に終わったものの、寿々ちゃんは緊張と恐怖からケージにこもって威嚇をし、触れない状態になってしまったのです。

そこで飼い主さんは診察開始前の早朝、動物病院へ行き、翌朝の治療に立ち会うことになりました。

翌日、病院へ行き、ケージに向かって歩いていると、看護師に威嚇する寿々ちゃんの声が。私も威嚇されたらどうしよう。忘れられていたら…。そう不安になりながらケージの前で名前を呼ぶと、寿々ちゃんは初めて聞く大きな声で鳴き、近寄ってきてくれたそう。

飼い主さんラブな寿々ちゃんには、ジャンプ力があるのに障害物がない場所で足を踏み外したり、飲水時に水がよく鼻に入ったりと、放っておけない愛くるしさがたくさん。

胸のうちを知りたくなる一挙一動に驚き、和まされ、一緒に暮らしてこられたこれまでの日々は飼い主さんにとって宝物。

なお、飼い主さんのYouTubeでは成長の記録を公開中。

第2の母親に愛されながら伸び伸びと暮らす寿々ちゃんの心には捨てられた悲しみではなく、幸せな思い出がたくさん刻まれているはずです。