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人に傷つけられ人間不信となった猫が信頼を学び、ペットロスの飼い主に寄り添う存在に

人に傷つけられ人間不信となった猫が信頼を学び、ペットロスの飼い主に寄り添う存在に

「この子には里親は見つからないかも…」、そんな心配をよそに、アメリカからイギリスへ渡り、幸せをつかんだ猫がいます。お話の発端はある夜の出会いでした。



アメリカの保護猫団体に所属するイブリンさんは、ある夜、レストランの外でかわいそうな子猫を見かけました。痩せていて、どうやら足にケガをしているようです。聞くと、男の子たちがずいぶんと乱暴ないたずらをしたのだとか。

さっそく保護し、獣医師に診せたところ、「足を複数箇所骨折している」との診断が。ひどい目にあった子猫は、人間をまったく信用していない様子で、シャー!と威嚇して攻撃的な様子を見せます。「かわいそうに」。心を痛めるイブリンさん。「足が不自由だし攻撃的。この子には里親が見つかるのかしら」と心配にもなったそう。

しかし、猫用おやつを与え、攻撃に耐えながら辛抱強くなでてあげると、子猫は少し安らいだ様子を見せるようになりました。イブリンさんは望み薄とは知りながら、子猫の里親募集を始めました。すると驚いたことに、オンラインでイギリスから申し込みがあったのです。里親希望のナタリーさんははるばるイギリスからやってきて言いました。「誰にももらい手がつかない子をもらうって決めていたの」。

子猫はクインシーちゃんというかわいい名前をもらいました。7時間のフライトを経て、ナタリーさんの自宅に着くと、そこにはステファンくんという先輩猫が待っていました。クインシーちゃんはたちまちステファンくんと仲良しに。ステファンくんは、足の動きの不自由なクインシーちゃんをいつも気にかけ、守ってくれていました。

ところが先日、ステファンくんが天国へ行ってしまったのです。悲嘆に暮れるナタリーさんに寄り添ったのは、クインシーちゃんでした。ステファンくんがしてくれたのと同じように、ナタリーさんを守ろうと気遣ってくれたのです。

クインシーちゃんの存在は、ナタリーさんにとって大きな救いになりました。クインシーちゃんに人を信頼することを教えてくれたステファンくん。その思い出とともに、クインシーちゃんとの絆を深めています。