頭に透明な容器がすっぽりとはまり、顔が見えない状態で歩く1匹の猫。猫は容器を自力では外せない様子で、水を飲むことさえできないまま、すでに5日ほど過ごしていました。そんな一刻を争う状況を知り、救出に乗り出したのは、アメリカ・カリフォルニア州で猫の保護活動を行う「Sierra Pacific Furbabies」の代表、デイビッド・ループさんでした。
5日間、水を飲めないままさまよっていた猫

近隣の住民から「緊急で助けてあげてほしい猫がいる」と情報を受けたデイビッドさん。現場へ向かうと、頭に容器をかぶったまま歩く猫の姿がありました。容器が邪魔をして周囲を見ることも、食事や水分を摂ることもできません。この状態で発見されてからすでに5日。長く続けば、命に関わる危険があります。しかし、人に慣れていない猫は、助けようと近づく人々から、必死に逃げてしまいまうのです。
人が入れない床下へ逃げ込んでしまい…

追い詰められた猫が逃げ込んだのは、住宅の床下にある狭い空間でした。人が中へ入れるほどの高さはなく、手を伸ばしただけでは猫まで届きません。絶体絶命ですが、弱っている猫の体力が尽きる前に、何としても救い出さなければなりません。デイビッドさんは捕獲用のネットなどを使い、慎重に猫との距離を詰めていきます。

懸命な救出活動の末、ようやく猫の保護に成功。デイビッドさんはすぐに動物病院へ駆け込みました。獣医師によって、頭を覆っていた容器を安全に取り外してもらった猫は、麦わら色のきれいな顔をしていました。
救出後に始まったもうひとつの挑戦

猫には、その出来事にちなみ「ジャー(容器)ヘッド」というユニークな名前が付けられました。しかし、救出されても、すべてが解決したわけではありません。人との暮らしを知らないジャーヘッドは、近づく人を警戒し、激しく威嚇。そこでデイビッドさんは、無理に触ろうとはせず、おいしいおやつを使いながら少しずつ「人は怖くない」と伝えていくことにしました。

根気強く向き合ううちに、ジャーヘッドの反応や顔つきにも少しずつ変化が。警戒心を残しながらも、人の手を受け入れようとする姿を見せ始めました。命を救うことができたのは、近隣住民が異変を見過ごさず、デイビッドさんたちが諦めずに追い続けたからこそ。そして今度は、傷ついた心を解きほぐすための新たな日々が始まっています。

ポイ捨てされた容器は、外で暮らす猫や野生動物にとって命を脅かす危険なものになることもあります。ジャーヘッドの姿は、ごみをきちんと片付けることの大切さも改めて教えてくれます。





