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「どうしても動かない」愛犬が見つめていた植え込みには……ボロボロの子猫を待っていた奇跡のにゃん生

「どうしても動かない」愛犬が見つめていた植え込みには……ボロボロの子猫を待っていた奇跡のにゃん生

いつものように、愛犬・らふちゃんとお散歩をしていた飼い主さん。ところがある場所で突然、らふちゃんが立ち止まりました。先へ行こうとリードを引いて誘導しても、踏ん張ったまま動こうとしません。らふちゃんがじっと覗き込んでいたのは、道路沿いの植え込みでした。

そこには、小さな白い子猫がいました。後に「てまり」と名付けられ、家族だけでなくたくさんの人から愛されることになる男の子です。しかし、この時のてまりちゃんは、生きていることさえ不思議なほど過酷な状態にありました。

愛犬がどうしても離れなかった植え込み

毎日のお散歩で、匂いをクンクンかぎまくる「クン活」を欠かさないというらふちゃん。この日、その優れた鼻が小さな命を見つけました。

先へ行こうとリードを引っ張っても、踏ん張って植え込みを覗いたまま。頑なに動かなかったんです。

植え込みを確認した飼い主さんの目に飛び込んできたのは、驚くほどボロボロの子猫の姿でした。全身が汚れて傷だらけで、ガリガリに痩せ、水を飲む力すら残っていないようです。すぐ向こうには車や自転車が行き交う道路があります。猫をほとんど触った経験がなかった飼い主さんでしたが、迷っている時間はありませんでした。

あまりにもボロボロで、「今助けないとこのまま……」と素人目にも分かりました。すぐ向こうが道路だったので、何か事故が起こる前にと咄嗟の判断でした。夢中で手を伸ばし、保護しました。



「あ、オッドアイだ」病院で告げられた意外な一言

飼い主さんは、とるものもとりあえず、子猫を連れて動物病院へ駆け込みました。

病院で分かったことは、想像を超えていました。生後3~4カ月なのに体重はたったの740g。何者かに噛まれたとみられる傷からは大量の膿が出て、傷口から菌が入ったことで敗血症や感染症を発症。足は複雑骨折、体はノミやノミの糞だらけ。さらに結膜炎と顔の傷まである、と……。

重い症状に言葉をなくす飼い主さん。固唾をのんで待った、獣医師の次の言葉は、「あ、オッドアイだ」。

当時、私は「オッドアイ」という言葉を知らず、頭からはてなマークがたくさん出ていました。後で調べて「左右の瞳の色が違う猫のことで、珍しくて縁起が良い」と知り、「きっとこの子は強運の持ち主だ」と予感のようなものを感じました。

子猫はそのまま入院。およそ1カ月にわたる治療が始まりました。初めて猫と暮らすことになるかもしれない飼い主さんは、その間、猫の生態や暮らしに必要なもの、犬と猫が一緒に暮らす方法などをYouTubeでたくさん勉強したそうです。

うちには、らふとビスコという2匹のわんこがいます。元気になるかな?仲良くなれるかな?と思いながら、いろいろ調べていました

「切断」のはずだった足に起きたこと

子猫自身も懸命に生きようとしていました。特に深刻だったのが、複雑骨折していた足。当初の診断では、切断して3本足で生きていくことになると考えられていました。ところが、状態を見ながら治療を続けるうちに、「切断せず、金属を入れる手術で治せるかもしれない」という可能性が出てきます。

さらにその後――。なんと、金属を入れる手術もせず、自分の足を残したまま生きられることになったのです。子猫は、予定されていた大きな手術を2度も回避しました。

「オッドアイは強運の持ち主というのは本当だな」と思いました。生きる力をものすごく感じましたし、顔つきも全く違って、まるで別のにゃんこのようになりました。

「てまり」と名付けられた愛され末っ子

2回の手術を回避した子猫は、約1カ月の入院を終え、飼い主さんのおうちにやってきました。子猫を最初に迎えたのは、もちろん命の恩人であるらふちゃんでした。

まずはらふちゃんがお迎えして、ご挨拶していました。ビスコちゃんも興味津々でケージを覗きに行っていました。

家族になった子猫には、「てまり」という名前がつけられました。真っ白な毛に、二色のオッドアイ。ピンク色の肉球とお鼻、そして頭にはグレーのぽっち。その色とりどりの姿が、カラフルな手鞠飴のように見えたことから命名、かわいらしい名前ですが、実は男の子です。こうして、てまりちゃんは、らふちゃんとビスコちゃんに見守られながら、愛され末っ子ボーイとして成長していきました。

中でも、てまりちゃんへの愛がとにかく深いのがビスコちゃん。てまりちゃんが少し動けば、一緒に動く。耳を怪我すれば、ずーっと患部を舐める。お尻も舐める。さらには、歯まで舐めちゃうのだとか!毎日追いかけっこをしたり、ぴったりくっついたりと、とにかくてまりちゃんのそばにいたいビスコちゃん。獣医師からも、「てまりちゃんも逃げないのがすごい。ここまで仲良しなのは珍しい」と言われたほどなのだとか。

てまりちゃんにペースト状のサプリをあげた時には、飼い主さんがてまりちゃんに悪いことをしていると思ったのか、ビスコちゃんが大騒ぎ。その声に驚いててまりちゃんが動き、顔にペーストがベッタリついてしまうというハプニングまで起きました。するとビスコちゃんは、その顔を丁寧にペロペロ、きれいになるまで舐めてあげたそうです。

ちょっと重たく、でも、とびきり優しい愛。一方、命を見つけたらふちゃんは、てまりちゃんがお家に慣れるまでは積極的に寄り添い、今ではビスコちゃんとてまりちゃんを見守るお姉ちゃん役になりました。

「こんなにお話できるなんて」初めて知った猫との暮らし

すっかり元気になったてまりちゃん、実は、とってもお話し上手なのだそう。話しかけたら、とにかくお返事。おしゃべりする気分ではない時にも、おててや尻尾を動かしたり、声を出さない「サイレントニャー」をして返事をしてくれます。初めて猫と暮らした飼い主さんにとって、そんな一つひとつの仕草が新鮮なのです。

わんことは全く違う、ねこちゃんの動き一つひとつに感激していました。わんにゃんが寄り添って眠る姿は、それはもう癒やしでしかないし、こんなにお話ができるとも思っていなくて。ただただかわいすぎて、日々幸せをもらっています。

SNSを始めたことで、てまりちゃんたちの日々を見守ってくれる人も、想像以上に増えました。

SNSを始めたことで、たくさんの方とつながることができ、私の世界は大きく広がりました。いつも応援してくださる皆さんには感謝しかありません。私のSNSを見て、一匹でも多くのワンちゃんやネコちゃんが素敵な家族と巡り会えたら嬉しいです。

てまりちゃんは先日、推定4歳の誕生日を迎えました。飼い主さんはビスコちゃんと同じくらいの愛の熱量で記念写真を撮りまくりました。

道路脇の植え込みで、最後の力を振り絞っていた小さな子猫。あの日、らふちゃんが見つけたのは、てまりちゃんという一つの命だけではなく、その先に待っていた家族みんなの幸せだったのかもしれません。