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愛猫しらすと出会うまで…知識ゼロでも詳しくなれる『保護猫のトリセツ』

愛猫しらすと出会うまで…知識ゼロでも詳しくなれる『保護猫のトリセツ』

近年は「保護猫」という言葉が広く知られるようになってきましたが、中には「どういう猫なのかよく分からない」や「保護猫を迎えるにはどうしたらいいんだろう」と思っている人もいるはず。

そんな人にぜひ、手に取ってほしいのが2021年3月3日(水)に発刊された『ねこ活はじめました かわいい! 愛しい! だから知っておきたい保護猫のトリセツ』(オキエイコ/ KADOKAWA)。

本作は知識ゼロでも保護猫について詳しくなれる、実用的な猫コミックエッセイです。

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動物愛護センターで保護猫の「しらす」と出会うまで

実はオキさん自身、猫を迎えたいと考えてはいたものの、「保護猫を迎える」という選択肢があることを知りませんでした。

そのため、ペット可のマンションに引っ越した後は週末にペットショップへ足を運び、うちの子探しをしていたそう。そんな時、友人から保護猫を勧められ、ペットショップ以外から猫を迎えるという選択肢があることを知りました。

オキさんは知識を付けるため、早速、動物愛護センターの講習会へ。そこで出会ったのが、三毛猫のしらすさん。

当時4歳だったしらすさんは、前の家で兄弟と共にネグレクトされており、飼い主によって保健所に持ち込まれた子。人間用の残飯を貰っていたため、動物愛護センターにやってきた当初はキャットフードを自分のご飯だと認識できず、口にしませんでした。

オキさんは一目見た時から、しらすさんにビビッときてはいましたが、そうした過去を知り、より強く「この子を絶対に幸せにしたい」と思いました。

本作には、こうした出会いの経緯やおうちに迎えた後のしらすさんとの日常などが詳しく描かれており、猫を迎えることの大変さと幸せの両方を知ることができます。

作中で特に心打たれたのが、しらすさんと出会ったことで、オキさんのうちの子を選ぶ意識が変わった点。

思えば私は先に条件を出して それの条件に合う「ちょうどいい」子を探してた気がする

猫との縁は「選ぶもの」ではなく、「出会うもの」なのだと気づかされるこの言葉は、うちの子を迎える前にこそ、胸の中で噛みしめたくなります。

「保護猫」と向き合い続ける人々の想いも収録

本作にはしらすさんの話だけでなく、SNSを通じて知れた他の飼い主さんたちの保護猫エピソードも収録。

身勝手な人間に捨てられた子や多頭飼育崩壊の中で生き抜いてきた子など、十ニャン十色な過去は涙なしで読めず…。多頭飼いの金銭事情なども描かれているので、「猫と共に生き続ける」を改めて考えるきっかけにもなります。

なお、オキさんは名古屋市の動物愛護センターやTNR活動を支える「どうぶつ基金」、保護猫カフェ「ネコリパブリック」など、保護猫の命と日々、向き合い続けている人々の思いもレポート。

「殺処分ゼロ」という同じゴールを目指して、別角度から努力し続ける人たちの姿を目にすると、読者も自分にはどんな猫助けができるのだろうかと考えたくなります。人間は動物の心身を傷つけることも救うこともできる存在。だからこそ、「かわいい」の先で、多くの猫たちが幸せを噛みしめられるような社会をつくっていきたいものです。

「保護猫」という言葉には重みがあり、様々な人の猫愛も込められている…。そう気づける本作は猫を初めて迎えたい方はもちろん、すでにうちの子と暮らしている猫飼いさんにも染みる猫漫画です。

保護猫のトリセツ
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