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自分に“もしも”のことがあった時に役立つ!第三者に愛猫の詳細情報を引き継げる「ねこヘルプ手帳」

自分に“もしも”のことがあった時に役立つ!第三者に愛猫の詳細情報を引き継げる「ねこヘルプ手帳」

未知のウイルスが蔓延したり、異国の地で突然、抗争が起きたりと、近ごろは予想できない「もしも」がたくさん。自分の身に予期せぬ“もしも”が降りかかったら、愛猫はどうなるのだろう…と不安を募らせている飼い主さんも多いのではないでしょうか。

そんな時、頼りになるのが、自分に不測の事態があって愛猫を託すことになった際、第三者に猫の情報を詳しく伝えられる「ねこヘルプ手帳」。

この手帳はイラストレーターのオキエイコさんが全国の猫飼いさんの声を盛り込みながら考案した、こだわり満載な「猫の母子手帳」です。

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4ヶ月もの月日を費やして完成した「ねこヘルプ手帳」

オキさんは過去に、一人暮らしをする友人の声を受け、万が一のことがあった場合、自宅に猫がいることを伝えられるよう、スマホ壁紙を制作。

その後、「ねこヘルプマーク」を盛り込んだ、スマホケースやキーホルダー、ステッカーなどのグッズ制作も行ってきました。

しかし、そのどれもが愛猫を託すには書き込める情報量が少ないと感じるように。伝えたい情報を全て書き込めるアイテムを作れないかと試行錯誤し始めました。

そんな中、オキさんは妊娠を機に、母子手帳やお薬手帳に着目。猫用にも母子手帳が欲しいと思い、「ねこヘルプ手帳」の制作に取り組み始めました。

制作時、心がけたのは「猫飼いさんが本当にほしい項目」を入れ込むこと。

幾度となくアンケートや意見出しを繰り返して、もしもの時に必要なことを詰め込みました。

「ねこヘルプ手帳」は愛猫が使用しているトイレケースや猫砂の種類、マイクロチップのIDなどといった細かな情報が記載できるのが特徴。

こういった項目は全て、猫飼いさんたちの意見で肉付けされたものなのだそう。

もととなる画像を作った時、Twitterで「猫砂が変わると便秘になるので項目が欲しい」や「食事のタイミングごとに枠がほしい」など意見をいただいたので、反映させていただきました。

また、第三者でも見知らぬ猫の体調不良に気づけるよう、体調不良時・通院時の記録をイラストと文字の両方で記せる「健康チェックページ」を20ページ用意。

ワクチンや検査の結果を記録できる「ワクチン・検査記録ページ」があるため、急な引継ぎとなっても、ワクチンの種類やペースを伝えることも可能です。

そして、体重変動の多い子猫期と成猫期を別々に記録できる「体重記録グラフページ」は、見開き2ページ分。

たくさんの手帳を携帯するのが大変な多頭飼いさんのために、末尾では自宅に他の猫がいることを知らせられるようになっているので、1冊のみ持ち歩くだけでOK。

なお、引き継ぎたいことを自由に綴れるフリースペースも完備。

手帳を汚れや折れ曲がりから守りたい方は、診察券や保険証などを収納できる「透明PVCカバー」をオプションで追加するのもあり。

手帳1冊につき売上金のうち50円が保護猫団体である「公益財団法人 日本動物愛護協会」に寄付されるため、大切な家猫を守ると同時に、寄付という形で名もなき猫の命を救うこともできます。

構想から完成までに約4ヶ月もの月日を費やした「ねこヘルプ手帳」は、2022年7月7日に発売開始。

オキさんのもとには、予約販売の段階から喜びの声やエールがたくさん届いていました。

ショップの備考欄に「いつも応援しています」や「この手帳を待っていました」と書いて買ってくださる方が多くて、驚きました。私は備考欄をそんな風に使ったことがなかったので、優しさに感動しました。

実際、オキさんは「ねこヘルプ手帳」を使用する中で、マイクロチップのIDやワクチン接種日など、即答できない情報をまとめておけることの便利さに満足すると同時に、自分にしかわからない愛猫情報の多さに驚いたそう。

愛猫のしらすちゃん(三毛)とおこめちゃん

家族がいても、フードの種類やあげる時間、病歴・投薬などを完全に把握している人は、もしかしたらそんなに多くないかもしれません。そういう意味で、家族がいても必要な手帳と思いました。

ちなみに、オキさん自身は自由度の高いフリースペースに検査の結果やワクチン証明書を貼っているのだそう。

写真を貼ったり、病院の先生に聞きたいことをメモしたりするなど、使う人に合わせて活用していただけたら嬉しいです。

「もしも」の時は来ないに越したことがないし、そうならない様に最大限、気を遣いたい。けれど、防ぎきれずにやってきた場合は愛猫が少しでも残りのニャン生を快適に過ごせるように考えてあげるのも、大きな愛だ。

そう思い、オキさんは「ねこヘルプ手帳」が猫の幸せな生涯をサポートできる存在になれることを願っています。

猫だけでなく全ての動物において言えることですが、「動物と暮らす」ということは人間の子どもを産むことと同様に、尊く・責任がいることだという認識も浸透していって欲しいです。

なお、オキさんは今後、犬やウサギ、フェレット、チンチラなど、他動物の「ヘルプ手帳」も制作したいと考えているよう。

犬の場合は猫と違う項目やページも増えるので、お散歩コースページなど作ったり、猫とは違う楽しみ方ができそうです。私自身、うさぎと暮らした年数が長いので、いつか小動物系全般で使える「うちの子ヘルプ手帳」も作れたら嬉しいですね。

小さな家族の未来を守る、「ねこヘルプ手帳」。それが広く浸透すれば、生涯、安心して暮らせる猫が多くなりそうです。