企画
脳に残った障害は「個性」 交通事故に遭ったもっちーちゃん 7匹の同居猫と賑やかな生活を送る

脳に残った障害は「個性」 交通事故に遭ったもっちーちゃん 7匹の同居猫と賑やかな生活を送る

生きるか死ぬかの瀬戸際にいる猫を見かけた時、迷わずに手を差し伸べられる人は一体、どれくらいいるのだろう。

あやさんと保護猫もっちーちゃんの出会いを知ると、そんな思いがこみ上げてきて、動物の命との向き合い方を改めて考えたくなります。

あやさんと出会った時、もっちーちゃんはボロボロの状態。しかし、本ニャンの「生きたい」という強い思いと、あやさんの手厚い看病が実り、体調は回復。今では、ご飯を楽しみに待つ日常を送っています。

スポンサーリンク



出勤中、交通事故に遭った猫に遭遇!

ある朝、通勤中だったあやさんは片側2車線の国道で、もっちーちゃんを発見。もっちーちゃんは国道の真ん中で倒れていましたが、立ち上がり、移動しようとしていました。

危ないと思い、あやさんは車を脇に止め、保護。どうやら、もっちーちゃんは車に轢かれたようで、歩くことができず、口から出血していました。

あやさんは、すぐに動物病院へ。容体は、障害の残った猫をたくさん見てきた保護猫ボランティアさんも「安楽死も視野に…」との助言するほど厳しいものでした。

しかし、獣医師からは「はっきりとは言えないけど、この子は死なないと思う。諦めるのは早い」と言われ、1日様子を見ることに。

すると翌日、もっちーちゃんは自力で病院の診察台で立ち上がり、生きる意思を見せてくれたそう。そこで、まずは1週間、朝に通院し、脳の腫れを抑える薬と水分を点滴してもらうことになりました。

朝の通院時の写真

生命力溢れるもっちーちゃんは、保護後5日目にはケージの2階に登り、脱走を試みた結果、ケージと壁の隙間にはさまってしまい、あやさんを驚かせたことも。

ご飯も食べられるようになり、脱水症状は6日間で収まりました。みるみる回復していったので、その後は点滴治療から投薬治療になったんです。

交通事故に遭ったことで、もっちーちゃんの脳には障害が残り、高所に登れない、目よりも上にあるものはあまり見えない、毛づくろいが上手にできないなど、自力ではできないことがいくつか現れました。

左の頭を打ったせいか、直進か右回りしかできません。あと、排泄が覚えられず、部屋のどこにでもします。進んで水を飲まず、自分のうんちを食べたり、おしっこを飲んだりもします

しかし、そうしたもっちーちゃんの行動をあやさんは「個性」と受け止め、サポート。

例えば、排泄は出そうなタイミングでケージに入れ、対処。

排泄したら、外に出しています。でも、間に合わず、居間にされることもしょっちゅうですが(笑)

もっちーちゃんを温かく受け入れているのは、あやさんだけではありません。自宅で暮らす、同居猫たちも基本的にはもっちーちゃんが何をしても許し、距離をとって見守っています。

1匹だけもっちーを気に入らないらしく、通りすがりに猫パンチをする子がいますが、他の子は、頭をこすりつけて挨拶もします。

同居猫の中には、あやさんが気づかなかった時、もっちーちゃんがケージの中でうんちをしたことを教えてくれる子もいるのだとか。

現在、もっちーちゃんは月に1度通院し、経過観察中。「できないこと」は、たしかにあるものの、自宅では「できること」を全力で楽しみ、生を謳歌しています。

食に貪欲で、よく他猫のご飯を横取りします。食後は、ピンクの鼻が茶色くなってかわいいです。あと、猫じゃらしが大好き。走り回って、ハッスルします。

また、もっちーちゃんは抱っこ好きで、来客を虜にすることもしばしば。

お客様のアイドル。みんなに抱っこされると、満足気です。

キョトンとした顔が、タヌキみたい。抱っこすると、文句を言いながらも気持ちよさそうに眠ってくれる。本当に気持ちいい時は、ちょっぴり舌が出る…。一緒に暮らす中で、もっちーちゃんの、そんなかわいさを知ったからこそ、あやさんは動物が巻き込まれる交通事故の多さに胸を痛めています。

轢いた本人は気づいているはずなのに、放置する人が大半なので悲しいです。外猫は、カラスに突かれることもあり、危険と隣り合わせ。保護猫には、本当に幸せになって欲しいです。

死を前にしても、諦めずに生きようとしたもっちーちゃん。そのニャン生が、これからも穏やかなものでありますように。