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控えめなこの子を思いっきり遊ばせてあげたい!保護猫カフェで出会ったビビリなハチワレ猫が“甘えん坊”になるまで

控えめなこの子を思いっきり遊ばせてあげたい!保護猫カフェで出会ったビビリなハチワレ猫が“甘えん坊”になるまで

猫カフェでは愛嬌がある子がご縁を掴みやすい一方、臆病な性格の子は自分の良さを上手くアピールできないことも多いもの。しかし、どんな子にもオンリーワンの個性や魅力があります。

そう感じさせてくれるのが、AZさん宅のやまなちゃん。やまなちゃんは東京・駒沢にある「保護猫カフェ駒猫」で暮らしていた時、ビビリな性格ゆえ、自身の魅力を上手くアピールすることができませんでした。

しかし、その繊細さを愛しく思ったAZさんはお迎えを決意。やまなちゃんは、家猫ライフへの一歩を踏み出したのです。

保護猫カフェで出会った臆病で控えめなハチワレ猫を“愛猫”に

もともと動物好きだったAZさん夫婦は子どもたちに手がかからなくなってきたことから、2019年、猫のお迎えを検討。ペットショップにいる純血種ではなく、保護猫を迎えようと思い、駒沢大学にある「保護猫カフェ駒猫」を訪れました。

お店に在籍中だったやまなちゃんは保護団体によって、山梨市で保護された子。

臆病で控えめな性格で、なかなか触らせてくれず、遊ぼうとしても、他の元気な子猫に猫じゃらしを奪われてしまっていました。

まるで、「私はいいから、どうぞ」とでも言っているかのように控えめなやまなちゃん。その姿は、飼い主さんの中に強く残りました。

本当は遊びたいんだな。思いっきり遊ばせてあげたい…と思いました。また、色々な性格の猫がいる保護猫カフェでは、猫嫌いの猫ちゃんにいじめられてしまうこともあるので、愛情を独り占めできる環境にいさせてあげたいとも思ったんです。

こうして飼い主さんは、やまなちゃんをお迎え。保護猫カフェのオーナーさんにもらったアドバイスを参考に、毛布で囲ったケージも用意しました。

お迎え初日の夜、やまなちゃんは怯えており、顔を見ようとすると威嚇。しかし、しばらく経つと、飼い主さんを呼ぶかのような声が。そこで声に応え、ケージを覗くも、やまなちゃんは激しく威嚇。

呼ばれて行ったのにシャーされたことに納得いかない気持ちは正直ありましたが(笑)、甘えたいけれど怖いと、やまなちゃんも葛藤しているんだなと、いじらしくなりました。

なお、この時期のエピソードは漫画家・蘭木流子さんが描いたコミックエッセイ『いっしょに帰ろう 保護猫カフェで出会った新しい家族の話』(ハガツサ ブックス)に描かれてもいます。

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お迎えから4~5ヶ月後には甘えん坊にゃんこに!

無理に触ろうとしない。大きな声を出さない。無理やり抱っこしようとしない。保護猫カフェ駒猫のオーナーさんの助言や保護猫と暮らしている猫飼いさんの情報を参考にし、家族全員でそうしたルールを守り続けていると、やまなちゃんはゆっくり新しい環境に慣れてくれました。

ケージから出て、撫でさせてくれるようになったのはお迎えから4~5ヶ月ほど経った頃のこと。

大きな一歩を踏み出してくれてからは、少しずつ自分の気持ちを表現できるようになり、家族に甘えることも増えていきました。

本当は、とても甘えん坊さんでした。撫でてほしい時、おしりをポンポンしてほしい時、遊んでほしい時、ご飯が欲しい時には人間にもちゃんと分かるように伝えてくれます。

野良時代に怖い思いをしたのか、今でも雷は苦手。雷雨の日には、必ずキャットタワーの一番下の段に隠れ、体をすくめます。

そんな姿を優しく見守る飼い主さんは一緒に暮らす中で、やまなちゃんのかわいさをたくさん見つけてきました。

お昼寝から覚めてご機嫌のよい時には、「ニャッ、オ~ン♪」と登場。遊んでほしい時は、ピシッと姿勢を正して正座(お座りポーズ)をして待っています。

手触りがふわふわでみっちりしている被毛やベストバランスな白黒模様、押し入れの狭いスペースに自らみっちり詰まって寝ている姿など、胸キュンポイントは挙げればきりがないほど。

また、人間の食べ物に興味がなく、イタズラをまったくしないお利口さんな一面に助けられてもいます。

やまなちゃんは、ビビりでなかなか人に懐きませんが、その代わり、ルールを守って生活することには長けています。共働きの私たち家族には、やまなちゃんが最適だったなと思っています。

そう語る飼い主さんは保護猫カフェから猫を迎えたいと考えている方に向け、保護猫カフェでたくさんの猫と触れ合い、性格の相性などを考慮しながら、自分たちにとって本当に向いている子を見つけてほしいと願っています。

私も最初は、すぐに懐いて撫でさせてくれて、いっぱい遊んでくれる元気な猫ちゃんをお迎えするものと思っていました。しかし、猫にも人間と同じように個性や得意なこと、苦手なことがあり、苦手なことは長所の裏返しでもあったりします。

人も猫も、完璧にはなれないもの。じっくり時間をかけて、心の奥底に秘めていた「甘えたい」という願望を表現できるようになったやまなちゃんのように、ありのままの姿で愛される猫が増えてほしいものです。