時に世の中では、理屈では説明ができない不思議な出来事が起こることがあります。
人々はそれを「奇跡」や「運命」といった言葉で表現します。
これは、おばあちゃんと猫の、時を超えた不思議な愛の物語です。
ぼっかりと積もった新雪の中をかき分けて歩いてくる、白黒ブチの猫ちゃん。
こちら左と右の画像は、違う猫ちゃんなのです。
左は今は亡き「先代シロ」ちゃんで10年前の写真。
右は今、投稿主さんの母であるおばあちゃんが飼っている「今シロ」ちゃんです。
なんと姿もシチュエーションもそっくりではありませんか。
先代シロちゃんは、おじいちゃんが気に入って引き取った猫でした。
やがておじいちゃんは介護施設に入所。
1人になったおばあちゃんは、先代シロちゃんを相棒に暮らし始めます。
息子である投稿主さんが、帰省したときも、親しく迎えてくれる猫ちゃんでした。
高齢になり鳴き声が出なくなっても、名前を呼ぶと「サイレントニャー」でお返事してくれた先代シロちゃん。
しかし、死期を悟った先代シロちゃんはある日そっと姿を消し、戻ってきませんでした。
そして数年後、玄関先に現れたのは、先代シロちゃんにそっくりの猫!
「シロが戻ってきた!」
おばあちゃんは、ご飯をあげてお世話を始めます。
ある時帰省した投稿主さんは、今シロちゃんのお口の様子がおかしいことに気づき、病院へ連れて行きました。
結果は、猫エイズ・白血病ともに陽性。歯周病もあるようです。
これ以上体調が悪くならないよう家の中での飼育に切り替えました。
しかし、野良生活が長かった今シロちゃんは、悲しそうに外を向いて鳴き、投稿主さんに訴えるのです。
ちょうどおばあちゃんもデイサービスに通うようになり、大好きだった庭仕事を再開できるようになったタイミング。
投稿主さんは今シロちゃんを、家の周りのお外に出してあげることにしました。
今シロちゃんも、栗の花でじゃれるくらいにまで、猫らしい遊び心を取り戻したようでした。
いつも畑仕事をするおばあちゃんのそばで、話し相手になっています。
今シロちゃんも、先代シロちゃんと同じくおばあちゃんのお膝が大好きです。
自分から抱っこしてもらいに、お膝の上の乗ります。
90歳過ぎのおばあちゃんは、今シロちゃんの将来が気になり、涙を流すこともあると言います。
投稿主さんは、もし何かあった時には今シロちゃんを引きとると約束しています。
今シロちゃんは「大丈夫、元気だして」と言うかのように、腕をおばあちゃんの肩に回すのでした。
「この幸せが1日でも長く続きますように」
コメント欄にはたくさんの温かい言葉が寄せられました。
10年の時を超えておばあちゃんに寄り添う2匹の猫。
言葉はなくても通じ合う想いに、愛情がお互いを支え合うのだと、大切なことを学んだ気がします。