世の中には、あっと驚く技法で芸術的な猫作品を生み出すクリエイターがいるもの。西浦康太さんは、色違いの細い粘土を1本ずつ重ねるという独自の技法で愛くるしい作品を製作中。
根気がいる作品作りの過程を知ると、思わず感嘆の声が漏れてしまいます。
粘土を1本ずつ重ねて「動物作品」を製作
幼少期から絵を描いたり工作したりすることが好きで、ゴッホのような絵画表現に惹かれた西浦さん。粘土を使った作品制作にのめり込んだきっかけは、遊びの一環で紐状にした細い粘土を並べて指で押したことでした。
面白いタッチになる。そう感じ、様々な粘土を使って作品作り。辿り着いたのは、オーブンで焼くと固まる粘土での作品製作でした。
アクセサリーや立体フィギュアなどで用いられることが多い、この粘土。西浦さんは平面の絵を描くような感覚で使用し、様々な動物作品を作っています。
サビ猫さんの体部分の制作過程です!!
サビ猫さんの毛並みの模様は複雑で美しいですね!!
(・∀・)#サビ猫#TORTOISESHELL#猫 #ねこ #cat#粘土 #フィモ #fimo pic.twitter.com/DwDNnte36R— 西浦 康太 (@kota_nishiura) January 11, 2024
猫作品を製作するようになったのは、ロシアンブルーのルルちゃんとの出会いがあったから。ルルちゃんは、21歳まで生きてくれました。
21歳まで生きてくれたルルちゃん
小さい頃は暴れん坊でしたが、段々と大人しいお嬢様になっていきました。家族には甘えましたが、初対面の人間や動物は警戒し、怯えていました。
西浦さんは、猫を作品で表現する楽しさを教えてくれたルルちゃんを今でも愛しており、会いたいと思っています。
ルルちゃんをテーマにした作品は、これからも作っていきたいです。
繊細過ぎる作業…!驚愕の過程を公開
恐らく、世界中でも私しかこの技法で制作している方がいないと思うので、初めて見てくださる方に伝えることに、毎回苦戦しております(笑)
そう話す西浦さんの技法は、集中力が求められるもの。制作過程をYouTubeで詳しく知ると、その凄さや緻密さに驚かされます。
【step.1】パレット紙の下書きに紐状にしたカラー粘土を1本ずつ並べる
【step.2】金属のヘラで粘土を押し込み、味のあるタッチをつける
【step.3】粘土の色合いを変えて植物などを表現
【step.4】紙パレットと一緒にオーブンで焼いて粘土を固める
【step.5】紙パレットから作品を剥がして完成
この時、製作したのは桜の中で目を細めるキジトラ猫ちゃん。桜の鮮やかさやキジトラならではのトラ模様も、粘土で巧みに表現しました。
なお、作品によっても異なりますが、製作期間は7cmほどの作品で4〜5日程度。中程度の大きさだと10日以上かかり、大きな作品は1ヶ月ほどかかることもあるそう。
作品は表面だけでなく、裏面の模様も楽しめる作りになっています。
「特殊な技法」を貫いて表現の幅を広げる
猫作品を作る時には毛並みを表現できるように意識し、顔や表情の製作時には特に神経を注いでいる西浦さん。
これまでに生み出した作品の中で特に印象深いのは、やはり愛猫のルルちゃんをモデルにした作品です。
西浦さんいわく、初期の頃はルルちゃんをモデルにした半立体の作品も制作していたのだとか。
また、カラフルな粘土を使って鮮やかな猫作品を製作するのが楽しかった時期もあったよう。
最近では季節のものや小動物を一緒に作り、表現の幅をさらに広げています。
ちなみに、不定期で受け付けているオーダーメイドの猫作品を手がける際には、その子の性格や個性まで表現できるように努力しているのだとか。
モデルの猫さんをよく観察して何かを感じ取り、自分なりの世界観で作品に表現することを大切にしております。癒やしも与えられたら嬉しいです。
猫は、曲線の美しさや透明感ある瞳の美しさも魅力的。かわいいだけではなく、野性味ある行動も見せてくれる素敵な生き物。
そう話す西浦さんは作品展示時やSNSに寄せられるファンの声を原動力にして、これからもオリジナリティ溢れる作品を生み出していきます。
変わった技法で制作スピードも遅く、マイペースではございますが、今後もぜひ作品を楽しんでいただけますと幸いです。
繊細な作品の数々はステッカー化や缶バッジ化もされており、ハンドメイドサイト「Creema」、「SUZURI」などで販売中。
猫が持つ温かみまで伝わってきそうな猫作品の数々を、ぜひチェックしてみてください。