投稿者さんには、忘れられない猫との出会いがあります。それは、地域猫活動を知るきっかけをくれたモモちゃん。地域猫の平均寿命が約7年といわれる中、モモちゃんは10年のニャン生を全う。最期は保護ボランティアさん宅で緩和ケアを受け、天国へ旅立ちました。
地域猫のモモちゃんと出会ったのは、2019年頃のこと。外の世界で生きるのは、とても過酷です。モモちゃんは毛ヅヤが悪く、口内炎も患っていたよう。ご飯を食べるのに、とても苦労していました。

年齢は10歳ほど。平均寿命が3~5歳ほどと言われている外猫としては、とても長生きな猫でした。
モモちゃんは、初めて会った投稿者さんにスリスリ。「撫でて」とアピールしてくれました。

しかし、その光景を見た地域猫サポーターさんは仰天したそう。実はモモちゃん、気難しい性格で人間に甘えることはほぼなかったのです。
体は小さいけれど、モモちゃんはその地区で暮らす猫たちにとっては女ボス的存在。若いオス猫を追い払うたくましさを持つ、強い猫でした。

ただ、老いには勝てず、投稿者さんと出会う数日前からご飯が食べられなくなり、衰弱。そこで、地域猫サポーターさんはモモちゃんに流動食を作り、与え続けました。

すると、モモちゃんは流動食をくれる地域猫サポーターさんには心を開くようになり、自力でご飯が食べられるまでに回復したのです。
しかし、安心したのも束の間。再びモモちゃんは自力でご飯を食べられなくなり、衰弱していきました。ついには、獣医師から「半年もたないだろう」との宣告も…。

そこで、保護ボランティアさん宅で緩和ケアを受けながら、余生を過ごすことになりました。
ところが、家猫ライフをスタートさせたモモちゃんは余命宣告を跳ね返し、2年も生きてくれたそう。最期の時、投稿者さんは危篤の知らせを受けて保護ボランティアさん宅へ。モモちゃんは小さく鳴き、お喋りをしてくれました。

2021年1月18日、モモちゃんは保護ボランティアさん宅で永眠。投稿者さんは、「出会ってくれてありがとう」とモモちゃんを追悼しました。
外で生きる過酷さや猫のたくましさを教えてくれた、モモちゃん。彼女から得た学びを胸に、投稿者さんは今、人間に捨てられた元保護猫たちを愛猫として迎え、惜しみない愛情を注いでいます。

モモちゃんが過ごした10年は一体、どんな日々だったのだろう――。そんな想像をすると、身近にいる野良猫たちや地域猫たちの守り方を、改めて考えたくなります。





