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パルボウイルス感染症で脳に障害が…YouTubeで一目惚れしたオレオくん

パルボウイルス感染症で脳に障害が…YouTubeで一目惚れしたオレオくん

障害を持っているのは事実で、たしかに普通の子より手がかかるのは本当。けれど、手をかけた分だけ答えてくれ、懐いてくれる。とても愛しい――。

そんな想いを愛猫に向けるのは、飼い主のクマっこ♪さん。クマっこ♪さん宅では現在、病気の後遺症でゆっくりしか歩けなくなったオレオくんが、行動範囲を広げようと奮闘中。

その姿に、たくさんのエールが寄せられています。

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YouTubeの里親募集に心惹かれて…

クマっこ♪さんはある日、預かりボランティアさん宅で暮らすオレオくんをYouTubeで見て、一目惚れ。毎日、何度も動画を見るようになりました。

オレオくんはパルボウイルス感染症(猫汎白血球減少症)を乗り越えたものの、小脳にウィルスが入ってしまったため脳障害が残り、下半身に力が入らなくなってしまった子。

住んでいる場所が遠かったので、譲渡条件には当てはまらないだろうと落胆しつつも、何かできることはないかと思い、預かりボランティアさんにメッセージを送信しました。

すると、偶然にも、預かりボランティアさんが里帰りを予定していた場所とクマっこ♪さんが住んでいるところが近かったため、トライアルが実現することとなったのです。

オレオくんは当時、生後4ヶ月。

クマっこ♪さんが迎えた時には、パルボウイルス感染症の治療は終わっていましたが、ウイルスによって腸がやられてしまったため、体重は950gほど。ドライフードだと下痢をしてしまうので、離乳食を与え、成長を見守りました。

当初、オレオくんは転びながら歩いたり走ったりすることしかできなかったそう。クマっこ♪さんは部屋にカーペットやマットを敷き、転んでも痛みを感じないように配慮しました。

頑張り屋さんのオレオくんは自力での歩行を諦めず、やがて、ゆっくりであれば、転ばずに歩けるように。

この変化に、クマっこ♪さんは喜びを噛みしめました。

うんちは立ってできますが、オシッコは寝転ばないとできません。けれど、高いところには腕の力でよじ登り、ソファーくらいの高さなら自力で上がれるようになりました。

オレオくんはソファーカバーを変えると、ワンちゃんのように体をすりつけたり、ピョンピョンと楽しそうに跳ねたりして、はしゃぐのだそう。

また、クマっこ♪さんが顔を近づけると、自分の鼻をくっつけてご挨拶してくれることも。

できることがどんどん増えていく、オレオくんの日常。その尊さに、クマっこ♪さんは目を細めています。

私にとっては「障がい猫」ではなく“シアワセ運ぶ猫”

実は、クマっこ♪さん宅ではオレオくんの他に、片足を失ったはなちゃんや盲目のゆめちゃんも暮らしています。

黒猫のはなちゃん

キジトラのゆめちゃん

実はオレオを引き取りたいと思ったのは、先住猫・はなのおかげでもあるんです。

はなちゃんを発見したのは、当時、婚約者だった旦那さん。仕事に向かう途中の道路で瀕死状態のはなちゃんに遭遇。すぐ、お母さんに頼み、動物病院へ連れて行ってもらったのだそう。

獣医師によれば、どうやら、はなちゃんは虐待により、負傷していたよう。命を繋ぐために、片足の前足を切断することとなりました。

クマっこ♪さんたちは籍を入れるよりも住む場所を先に決めて、はなちゃんを引き取ることに。その後、はなちゃんは順調に回復し、自由に歩けるまでになりました。

前足は1本なくなったけれど、はなとのご縁を引き寄せてくれたので、私はこの足を障害ではなく、幸運の足だと思っています。

この経験を通し、クマっこ♪さんは「ハンデを持っている猫の親になりたい」と思うようになったのです。

盲目のゆめちゃんも、実はオレオくんと同じ預かりボランティアさんから譲り受けた子。

希望と書いて、ゆめ。目が見えなくても、希望を見つめられるように…と。はながいなかったら、オレオとゆめとの出会いはありませんでした。

そんな3匹は、おうちで絆を深め合っているよう。

はなはオレオを迎えた時、見守ってくれていました。オレオは、ゆめが来てから、お兄ちゃん風を吹かせています。

クマっこ♪さんは、微笑ましいその日常をブログYouTubeで配信。

障がいを持つ猫の生活を伝えています。

動画の撮影・公開に対し、初めは、見るによっては様々な気持ちを持つのではないか…と悩み、迷ったそう。

しかし、オレオくんとゆめちゃんを譲ってくれた預かりボランティアさんから、日常を伝えることで、障害を持つ猫が里親に巡り合うのが難しい現状を変えられるかもしれないと聞き、積極的に愛猫たちのことを発信するようになりました。

本人たちは障がいだと感じておらず、不自由を認めて受け入れ、健気に生活を送るパワーがあります。私にたくさんのことを教えてくれ、惜しみない笑顔や感動、シアワセをくれます。

だからこそ、障がい猫ではなく、“シアワセ運ぶ猫”と表現していきたい――。そう話すクマっこ♪さんにとって3匹は、我が子同然の存在。

喘息に苦しめられ、20代前半から母の介護をし、気づいたら30代後半。結婚も諦めていましたが、今は光の中を生きているよう。青春を取り戻すみたいに、好きなことをさせてもらっている時、大事な猫たちは膝の上にいてくれます。

困難の先にあった明るい未来を、クマっこ♪さんと3匹の猫たちは今、謳歌しています。