企画
皮膚の再生治療やリハビリに奮闘!給湯器の下に挟まっていた子猫が“2歳の誕生日”を迎えるまで

皮膚の再生治療やリハビリに奮闘!給湯器の下に挟まっていた子猫が“2歳の誕生日”を迎えるまで

胸が痛むほどの大きな怪我が回復しますように…。そう思い、巡り合った白黒猫に「希望」という名前をプレゼントした、飼い主の琥みっちゃきぃさん。

希望くん(通称:きぃちゃん)は、滋賀県で動物保護活動に励む「学生ボランティア団体にゃんこおたすけ隊」によって救助された子。保護時は給湯器の下で身動きが取れず、命の危険がありました。

給湯器の下に挟まっていた保護猫を預かることに

動物保護活動に興味を持っていた飼い主さんは県内で学生が保護猫活動をしていることを知り、預かりボランティアになったそう。

きぃちゃんと出会ったのは、2022年7月のこと。給湯器の下に挟まっていたため、発見者が消防隊に救助を要請。「学生ボランティア団体にゃんこおたすけ隊」に連絡がありました。

その後、距離が近かったため飼い主さんが預かり、お世話をすることになったのです。

きぃちゃんはぐったりし、食欲もほぼない状態。動物病院へ行くと、肩の皮膚が壊死し、右腕の肩関節が脱臼していることが分かりました。

壊死した皮膚は手術で除去し、傷パッドを毎日交換して皮膚を再生することになりました。

入院治療によって、きぃちゃんは徐々に回復。食欲も戻り、院内を走り回れるほどに元気になりました。

術後の様子

入院から1ヶ月後、きぃちゃんは退院。しかし、肩まわりの皮膚は完全に再生していなかったため、飼い主さんは衛生面に気をつけながら毎日、傷パッドと包帯の交換を続けました。

その日常をXに投稿したら、励ましの言葉をたくさんいただけて…。元気をもらえました。

二人三脚で取り組んだ右腕のリハビリ

皮膚が再生した後は遊びを通して、脱臼したままの右腕をリハビリ。肩甲骨と繋がっていない右腕をカバーするには、筋肉を鍛えることが重要だったからです。

遊んで体を動かすよう、心がけました。サボテンの爪とぎを登って体幹も鍛えてもらいました。

リハビリを続けるうちに、きぃちゃんは右腕が脱臼したままでも走れるように。同居猫にちょっかいを出せるほど、元気になりました。

ただ、今も歩く時には右手をかばいますし、力が入らないので高所へのジャンプは苦手です。皮膚再生した肩の一部には体毛が生えてきません。

とはいえ、きぃちゃんは自由に動く左手をフル活用しつつ、猫らしい暮らしを謳歌しています。ご飯やおやつが欲しい時には静かに近づき、スリスリしておねだり。食後にはご飯台をひっくり返し、落ちているフードをお掃除するのが日課です。

獣医師いわく、きぃちゃんは食べた分のエネルギーを成長ではなく皮膚再生に使っていたので、本当はもっと大きい子だったそうです。

正式に家族の一員として迎え入れたのは、2022年10月23日のこと。実はずっと、猫エイズウイルス感染症の疑いがある「擬陽性」でしたが、2022月12月に陰転(※急性期の病気に耐えてウイルスが排除されること)となったため、飼い主さんは驚き、喜びました。

きぃちゃんは息子が奏でるドラム音などの大きな音は平気なのに、掃除機やお掃除ロボットは苦手。すぐに高台や二階に避難します(笑)

スポンサーリンク



預かり猫にお兄ちゃん風を吹かす日々

現在、飼い主さん宅ではきぃちゃんを含めた4匹の愛猫と預かり猫が暮らしています。きぃちゃんは一番の古株である琥珀くんに甘えるも、ちょっかいを出すため、すぐに逃げられてしまうそう。

キジトラの琥珀くん

きぃちゃんは、ご飯の催促を一番にすると茶白猫のちゃちゃまるに便乗することもあります。一番の遊び相手は、三毛猫のみつは。一緒にボール遊びをしています。

なお、預かり猫を前にすると、きぃちゃんは良きお兄ちゃんに。最初は威嚇するものの、すぐに仲良くなり、一番よく遊んでくれるのだとか。

2024年5月25日、きぃちゃんは無事に誕生日を迎え、2歳に。

あっという間の2年間でした。皆さんに見守られて成長してきたと感じます。これからも預かりっ子の良きお兄ちゃんとして活躍してほしいです。

生きることって楽しいよ――。心優しいきぃちゃんは預かり猫たちにそう教え、明るい未来を見せているのかもしれません。